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25/08/07

相続・税金・年金

年金生活者は損益通算・繰越控除すると、介護保険料が増えて損ってほんと?

年金生活者は損益通算・繰越控除すると、介護保険料が増えて損ってほんと?

株式投資で損をしたときに使える「損益通算」や「繰越控除」は、税負担を軽くできる便利な制度です。しかし、年金生活者がこれらの制度を利用しようと確定申告をすると、介護保険料や国民健康保険料が上がるかもしれないことを知っておきましょう。
この記事では、年金受給者が損益通算や繰越控除を利用する際の注意点について、制度の基本とあわせて解説します。

「損益通算」「繰越控除」を適用するには確定申告が必要

株式投資では、利益が出ることもあれば損失が出ることもあります。損失が出た場合、「損益通算」や「繰越控除」を使うことで、税金を減らすことが可能です。

損益通算とは、同じ年に出た利益と損失を相殺し、課税所得を減らす仕組みです。たとえば、A銘柄で100万円の利益、B銘柄で30万円の損失があれば、差し引き70万円が課税対象となります。
繰越控除は、損益通算しても控除しきれなかった損失を翌年以降最長3年間繰り越し、将来の利益と相殺できる制度です。たとえば、2024年に損益通算したけれど50万円の損失が残った場合、2025年に100万円の利益が出たときに、課税対象を50万円に減らせます。

損益通算や繰越控除を利用するには、確定申告が必要です。証券口座には「源泉徴収ありの特定口座」「源泉徴収なしの特定口座」「一般口座」「NISA口座」がありますが、通常は「源泉徴収ありの特定口座」であれば確定申告は不要です。ただし、損益通算や繰越控除を使いたい場合は、「源泉徴収ありの特定口座」でも申告が必要になります。

なお、「NISA口座」については他の口座と損益通算や繰越控除はできず、確定申告も不要です。

株式投資をしている年金生活者の場合にはどうなる?

年金生活者でも、株式投資をしている方は少なくありません。その場合、以下のような条件を満たせば確定申告は不要です。

(1) 「源泉徴収ありの特定口座」を利用している場合
税金が自動的に差し引かれているため、申告の必要はありません。

(2) 年間を通して損失のみの場合
利益が出ていないため、申告義務はありません(ただし損益通算や繰越控除を使うなら申告が必要)。

(3) 年金収入が400万円以下で、年金以外の所得が20万円以下の場合
この条件に当てはまる年金受給者には、確定申告不要制度が認められています。「一般口座」や「源泉徴収なしの特定口座」で取引していても、利益が20万円以下なら確定申告不要です。

年金生活者が損益通算・繰越控除すると介護保険料が増える

損益通算や繰越控除を利用することで、税金は軽減できます。しかし、ここで注意したいのが社会保険料への影響です。

現役の会社員の場合、健康保険や介護保険の保険料は給与所得をもとに計算されるため、株式の譲渡益や配当所得を申告しても保険料には影響しません。
一方で、年金生活者(国民健康保険・後期高齢者医療制度に加入している人)の場合、確定申告により申告した譲渡益や配当所得が所得としてカウントされ、介護保険料や健康保険料の算定基準に加わってしまいます。その結果、所得税は下がっても、介護保険料などが上がり、結果的に負担増になる可能性があります。

多くの市区町村のウェブサイトには、たとえば次のような注意書きが記載されています。

繰越損失や損益通算、各種控除等の適用を受けるため等の理由で、特定配当等・特定株式等譲渡所得について確定申告をする場合は、住民税でも所得に含まれるため、給与や公的年金などの他の所得とともに、介護保険料の算定対象となる合計所得金額に含まれることになります。
東京都練馬区のウェブサイトより

以前は所得税について確定申告をしても住民税については申告不要制度が利用できたため、保険料の上昇を回避できました。しかし、税制改正により2023年分(令和5年分)からは所得税と住民税で異なる課税方式を選択できなくなっています。
特に後期高齢者医療制度では、所得に応じて窓口での医療費の自己負担割合も変わってくるため、確定申告が思わぬ影響を及ぼすこともあります。

確定申告で得するつもりが損になることも

年金生活者にとって、損益通算や繰越控除は節税の手段として有効ですが、それに伴う社会保険料の増加リスクにも目を向ける必要があります。

所得税が下がっても、保険料が上がってしまっては、負担増となってしまいます。確定申告を検討する際は、保険料への影響も考えておきましょう。

森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー

Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。

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