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25/11/24

相続・税金・年金

【意外と知らない】年金の未納期間「任意加入」せずに補うテクニック

【意外と知らない】年金の未納期間「任意加入」せずに補うテクニック

みずからの年金に関心が向き始める50代、60代。老後に年金はいくらもらえるのだろうと確認したところ、基礎年金が満額もらえないことに気づく人も多いようです。しかしながら、ここで諦める必要はありません。そこで今回は、過去に国民年金の未加入・未納等の期間がある人が知っておきたい、60代から年金を最大化させるテクニックを紹介します。

国民年金の「任意加入」制度とは?

日本国内に住む20歳以上60歳未満の人は、国民年金に加入することが義務付けられています。そして、自営業者やフリーランスなどの第1号被保険者は、納付対象月の翌月末日までに国民年金保険料を納めなければなりません。納付期限から2年を経過すると、時効で支払いができなくなります。

●免除や納付猶予による追納期間は「10年」

もしも生活に困窮していて国民年金保険料を納付することが難しい場合には、免除制度(全額免除・一部納付)や納付猶予制度、学生納付特例制度を活用することによって、「未納」の状態をまずは避けることが大切です。

免除制度や納付猶予制度の承認を受けている期間は、基礎年金の各種給付を受けるために必要な資格期間に算入されますが、老齢基礎年金の支給額が満額になるわけではありません。支給額を本来の金額にするには、免除・納付猶予の承認を受けてから、「10年」以内に追納する必要があります。

●満額に向けた任意加入は「60歳以上65歳未満」の期間のみ

2025年度の老齢基礎年金の満額(1956年4月2日以後生まれ)は、83万1700円(年額)です。年金額に反映される期間が444月のケースでは、満額受け取れる480月のケースと比べて、1年で6万2377円、20年で120万円以上も少なくなってしまいます。

では、納付期限(および2年の時効)や10年の追納期間を過ぎてしまった場合には、もうどうすることもできないのかというと、そうではありません。老齢基礎年金の受給資格を満たしていない、あるいは満額を受給できない場合には、60歳以降の任意加入でカバーできるので安心してください。
任意加入では、国民根金保険料を納めていない期間のある人が自分で国民年金保険料を納めることで、65歳から受け取る老齢基礎年金を増やすことができます。なお、満額もらうための任意加入ができるのは、「60歳以上65歳未満」の期間だけです。

基礎年金額に反映されない60歳以降の厚生年金期間

しかしながら、会社員や公務員、あるいはパートタイムやアルバイト等で働きながら、60代以降も厚生年金に加入している人は、国民年金に任意加入することはできません。

さらに、厚生年金の加入期間中は「厚生年金保険料」を納めることになりますが、このうち基礎年金額に反映されるのは、20歳以上60歳未満の期間だけです。学生時代の36月間に国民年金保険料の未納期間があるケースで考えてみましょう。その後就職して63歳まで480月厚生年金に加入しても、基礎年金の額に反映されるのは60歳を迎えるまでの444月分にとどまります。言い換えると、60歳以降の36月は基礎年金の額には反映されません。

1年で2万円アップ!厚生年金の「経過的加算」

そこで登場するのが、厚生年金の「経過的加算」です。経過的加算では、60歳以降に厚生年金保険に加入していた場合に、老齢厚生年金の上乗せとなる金額が受け取れます。
経過的加算の金額は、具体的には次のように計算します。

●経過的加算の計算式

経過的加算=①-②

(内訳)
①特別支給の老齢厚生年金の定額部分の額
1,734円×厚生年金の加入月数(上限480ヶ月)
②老齢基礎年金の額
83万1700円×20歳以上60歳未満の厚生年金の加入月数/480ヶ月
※1956年4月2日以後生まれの場合。
※金額は2025年度。

「①83万2320円(1,734円×480月)」および「②76万9323円(83万1700円×444月/480月)」となる今回のケースでは、①の金額から②の金額を差し引いた6万2997円が、経過的加算として厚生年金から支給されます。基礎年金の満額に届かない36月分(6万2377円)は、その期間だけ厚生年金に加入して働くことによって実質的にカバーできるのです。

●経過的加算は年金カットの対象外

年金について少し詳しい人は、「在職老齢年金」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。在職老齢年金とは、加給年金を除く老齢厚生年金(報酬比例部分)と月額給与(1ヶ月あたりの賞与額を含む)の合計額が、51万円(2025年度)の基準額を超えていると、老齢厚生年金の一部または全額の支給を停止とするルールです。

経過的加算は厚生年金から支給されるものの、報酬比例部分ではないため、働きながらでも全額を受け取ることができます。

厚生年金と国民年金の任意加入、どっちがお得?

国民年金に任意加入する場合は、月額1万7510円(2025年)の保険料をみずから納めなければなりません。それに対して、労使折半の厚生年金保険料(月額)は、年間給与が120万円で9000円、150万円で1万1600円、200万円で1万5600円、250万円で1万8300円、300万円で2万3800円が、自己負担の目安となります。

つまり、収入が少ない人ほど、厚生年金の経過的加算の方が、お得に未納期間をカバーすることができるのです。

さらに、上限となる「480」の月数は、厚生年金の加入期間を指します。賃金と加入期間に応じて支給される2階部分(報酬比例部分)もこの間上積みされていることを踏まえると、厚生年金の加入期間が短い人にとってもメリットが大きいと言えるでしょう。

60代は年金額を増やすラストスパート

今回は、国民年金の未加入・未納等の期間を理由に、基礎年金が満額もらえない人が知っておきたいテクニックを紹介しました。60代を迎えても厚生年金に加入して働く人が増えるなか、「1年で約2万円」の経過的加算は、基礎年金の不足分をカバーするばかりか、年金額を最大化するチャンスを秘めています。このチャンスを無駄にしないためにも、「ねんきんネット」や「公的年金シミュレーター」といった年金の試算ツールも活用しながら、60歳以降の働き方について一度考えてみませんか。

神中 智博 ファイナンシャルプランナー(CFP®)

1992年宮崎県生まれ。関西学院大学会計大学院を修了後、NTTビジネスアソシエ西日本で、NTT西日本グループの財務や内部統制等の業務に従事。2022年10月に兵庫県神戸市で独立系FP事務所ライフホーカーを開業し、現在に至る。家計相談に加えて、公的年金や確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)を活用した資産形成に関するテーマを中心に、執筆・講演活動も展開。「老後不安バスター」として、だれもが老後に向けて自信を持てる社会を目指して奮闘している。CFP®(日本FP協会認定)の他、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、1級DCプランナー、企業年金管理士(確定拠出年金)、一種外務員資格等を保有。
X(旧Twitter)→https://twitter.com/lifehawker

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