24/11/03
新NISA始めるなら、楽天証券とSBI証券どっち?NISA本で日本一の著者に聞いてみた
※本記事ではアフィリエイト広告を利用しています。
NISAは投資の利益にかかる税金をゼロにできるお得な制度。2024年からの制度改正によって、ますます使いやすく便利な制度になりました。そんな新NISAを始める金融機関の最有力候補が、楽天証券とSBI証券です。では、少しでも有利に新NISAを活用したいなら、どちらを選んだ方がいいのでしょうか。
累計41万部超とNISA・iDeCo本の中で日本一売れている「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)の著者であるマネーコンサルタントの頼藤太希さんとファイナンシャルプランナーの高山一恵さんに、楽天証券とSBI証券のどちらがいいのか、おすすめの人はどんな人か、証券会社選びのポイントを聞いてきました。
●教えてくれたのは…
頼藤太希さん
マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』(宝島社)など書籍100冊、著書累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧twitter)→@yorifujitaiki
高山一恵さん
(株)Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー
一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。月400万PV超の女性向けWebメディア『Mocha(モカ)』やチャンネル登録者1万人超のYouTube「Money&YouTV」を運営。著書は『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)、『マンガと図解 定年前後のお金の教科書』(宝島社)など著書累計170万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。
楽天証券もSBI証券も国内ネット証券の最大手
楽天証券もSBI証券も、これから資産運用を始める方におすすめの証券会社です。
どちらもネット証券の国内最大手で、新NISAが利用できることはもちろん、株式投資、投資信託、債券、FX、金(ゴールド)などへの投資がお手持ちのスマホやパソコンからできます。節税しながら老後資金を貯められる「iDeCo」も利用可能。手数料も安く抑えられています。
なにより、多くの人が利用しています。口座数は楽天証券が単体で1100万口座(2024年4月)、SBI証券がグループで1300万口座(2024年7月、SBI証券・SBIネオトレード証券・FOLIO口座数の合計)となっていて、サービスを競って向上させています。国内株式の取引手数料の無料化も、SBI証券が2023年9月30日、楽天証券が10月1日から実施しています。
したがって、楽天証券とSBI証券のどちらを利用したとしても自分のしたい資産運用が実現できるでしょう。実際、楽天証券とSBI証券のサービスを比較してみても、どちらも遜色ありません。
<SBI証券と楽天証券「つみたて投資枠」の比較>
SBI証券 | 楽天証券 | |
---|---|---|
投資信託の本数 | 250本 | 240本 |
積立の頻度 | 毎月・毎週・毎日 | 毎月・毎日 |
クレカ積立 | 三井住友カード | 楽天カード |
クレカ積立の上限(月額) | 10万円 | 10万円 |
ポイント還元率 | 0%〜3% | 0.5%〜2% |
<SBI証券と楽天証券「成長投資枠」の比較>
SBI証券 | 楽天証券 | |
---|---|---|
米国株・ETF・ADR取扱数 | 5111銘柄 | 4695銘柄 |
単元未満株 サービス名 |
S株 | かぶミニ®︎ |
単元未満株 売買手数料 |
無料 | 売買手数料無料 リアルタイム取引はスプレッド0.22% |
1株積立投資 | あり(日株(にちかぶ)積立・米株積立 | あり(かぶツミ®︎) |
<SBI証券と楽天証券「その他」の比較>
SBI証券 | 楽天証券 | |
---|---|---|
投資信託保有ポイント | 投信マイレージサービス (最大で残高の0.25%) |
・残高達成ポイント ・投信残高ポイントプログラム (最大で残高の0.053%) |
スイープサービス | あり(住信SBIネット銀行) | あり(楽天銀行) |
主な無料情報 | 会社四季報 | 会社四季報・日経テレコン(楽天証券版)・マネー本 |
コールセンター | 平日8時〜17時 土日9時〜17時 (投信・NISAの質問のみ) |
平日8時30分〜17時 土日9時〜17時 (投信・NISAの質問のみ) |
(株)Money&You作成[2024年11月1日時点]
とはいえ、楽天証券とSBI証券のサービスには、細かな点で違いがあります。
ここからは「5番勝負」ということで、楽天証券とSBI証券のサービスを5つの点で比較していきます。
楽天証券とSBI証券の比較1:クレカ積立の充実度
楽天証券とSBI証券では、クレジットカードで新NISAのつみたて投資枠の商品を積立投資できる「クレカ積立」ができます。これまで、クレカ積立の投資額は原則月5万円まででしたが、2024年3月の内閣府令の改正に合わせて月10万円までできるようになりました。これを受けてクレカ積立サービスを行う証券会社各社は、クレカ積立の上限額を引き上げています。
楽天証券とSBI証券のクレカ積立のサービスは、次のとおりです。
●楽天証券のクレカ積立
楽天証券では、楽天カードを利用した「楽天カードクレジット決済」で毎月10万円まで投資信託の積み立てが可能。また、楽天カードから電子マネーでチャージする「楽天キャッシュ」を使って毎月5万円まで投資信託を購入することもできます。
楽天カードクレジット決済と楽天キャッシュを併用することで、合計月15万円まで投資ができます。クレカ積立をすることで、楽天ポイントがもらえます。
●SBI証券のクレカ積立
SBI証券では三井住友カードを利用した「クレカ積立」で毎月10万円まで投資ができます。クレカ積立を利用することで、Vポイントが貯められます。
新NISAのつみたて投資枠は年120万円ですから、楽天証券もSBI証券も、クレカ積立の投資額が引き上げられたことによって、その全額をクレカ積立で投資できるようになっています。
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10万円以上投資したい場合には、楽天キャッシュにチャージすることでポイントがもらえる楽天証券のほうがお得ですね。
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楽天証券とSBI証券の比較2:単元未満株投資
楽天証券もSBI証券も、単元未満株への投資ができます。通常、株は100株単位で売買されますが、単元未満株ならば、1株単位で取引できるので、より少額から投資ができるようになります。
●楽天証券の単元未満株投資
楽天証券では「かぶミニ®︎」というサービスで1株から株式投資ができます。対象の銘柄は約2000銘柄。うち約700銘柄は東証(東京証券取引所)の取引時間内に注文してすぐに売買が成立する「リアルタイム取引」ができます(2024年11月1日時点)。
また、楽天証券の「かぶツミ®︎」では1000円以上・1株から単元未満株・単元株の積み立て投資ができます。日本株はもちろん、米国株の積み立てにも対応しています。
かぶミニ®︎・かぶツミ®︎の売買手数料は無料ですが、リアルタイム取引の場合売買価格に0.22%のスプレッドと呼ばれる手数料が上乗せされています。
●SBI証券の単元未満株投資
SBI証券では「S株」というサービスで1株から株式投資ができます。対象の銘柄は東証の全銘柄で、売買手数料・スプレッドともに無料です。
また、SBI証券の「日株(にちかぶ)積立」「米株積立」では1000円以上・1株から単元未満株・単元株の積み立て投資ができます。S株・日株積立・米株積立の売買手数料は無料(「ゼロ革命」の条件を満たした場合)になっています。
楽天証券に加えて、2024年8月末よりSBI証券でも株の積立投資ができるようになりました。株も長期にわたって積立投資することで、平均価格を押し下げるドルコスト平均法の効果が得られるため、少しの値上がりでも利益を出しやすくなります。
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SBI証券は単元未満株でも手数料が完全にゼロですので、より効率のよい投資ができますね。
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楽天証券とSBI証券の比較3:ポイント還元率
楽天証券とSBI証券のクレカ積立のポイント還元率は、使用するクレジットカードの種類などによって異なります。
●楽天証券のポイント還元率
「楽天カードクレジット決済」の楽天ポイントの還元率はクレジットカードの種類により異なり、楽天カードは0.5%、楽天ゴールドカードは0.75%、楽天プレミアムカードは1%、楽天ブラックカードは2%となっています。なお、楽天カード・楽天ゴールドカードでは、楽天証券が受け取る代行手数料が年率0.4%(税込み)以上の投資信託における還元率は一律1%になります。クレカ積立5万円を超える部分についても同様の還元率です。
また、「楽天キャッシュ」を使って投資信託を購入する場合、楽天カードから楽天キャッシュをチャージすると、チャージ額の0.5%の楽天ポイントがもらえます。
●SBI証券のポイント還元率
「クレカ積立」のVポイントの還元率は0〜3%。2024年11月買付分から年間の三井住友カードの利用額に応じてポイント付与率が変わるようになりました。具体的には、次のとおりです。
・三井住友カード(NL):
【年間カード利用額】
10万円未満:0%
10万円以上:0.5%
・三井住友カード ゴールド(NL):
【年間カード利用額】
10万円未満:0%
10万円以上:0.75%
100万円以上:1%
・三井住友カード プラチナプリファード:
【年間カード利用額】
300万円未満 1.0%
300万円以上 2.0%
500万円以上 3.0%
※年間カード利用額に積立投資の金額は含まれない
クレジットカードのポイント還元率が高いのはSBI証券です。ただし、上位のクレジットカードは年会費も高く、「三井住友カード プラチナプリファード」は年3万3000円。また、2024年11月買付分からは還元率が下がってしまう点にも注意が必要です。
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楽天証券の楽天ポイントは、再び投資に回すこともできますし、楽天市場などの楽天関連サービスでも使えます。普段から「楽天経済圏」を利用していて、楽天ポイントを活用している方ならば、楽天証券のほうが向いているでしょう。楽天証券の場合、クレジットカードの利用額に関係なく一定の還元が得られるのも嬉しいですね。
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楽天証券とSBI証券の比較4:投資信託保有のポイント還元
楽天証券とSBI証券では、投資信託の保有残高によってポイントがもらえます。
●楽天証券の投資信託保有のポイント還元
楽天証券では2023年10月に「投信残高ポイントプログラム」が復活。対象の商品の保有残高に合わせてポイントがもらえます。本稿執筆時点(2024年11月1日時点)で対象商品は6本です。
投信残高ポイントプログラムの対象商品とポイントの付与率は次のとおりです。
<楽天証券「投信残高ポイントプログラム」の対象商品とポイントの付与率>
対象ファンド | 信託報酬(年率) | 還元率(年率) | 実質の負担率 (信託報酬ー還元率) |
---|---|---|---|
楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド | 0.0561% | 0.017% | 0.0391% |
楽天・S&P500インデックス・ファンド | 0.077% | 0.028% | 0.049% |
楽天・先進国株式(除く日本)インデックス・ファンド | 0.088% | 0.033% | 0.055% |
楽天・日経225インデックス・ファンド | 0.132% | 0.053% | 0.079% |
楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンド | 0.198% | 0.05% | 0.148% |
楽天・SOXインデックス・ファンド | 0.176% | 0.05% | 0.126% |
また楽天証券の「資産形成ポイント(ハッピープログラム)」では、投資信託を保有して、月末残高が一定の金額に達した場合に楽天ポイントがもらえます。2000万円に到達すると最終的には2090ポイントもらえます。貯まったポイントは国内株式・米国株式・投資信託(積み立て含む)の購入代金に使えます。
なお、楽天ポイントを使った投資信託・米国株式の購入はSPU(条件を満たすと楽天市場での買い物でポイントが多くもらえるようになるサービス)の対象。楽天ポイントコースとマネーブリッジを設定の上、
・月間合計3万円以上のポイント投資(投資信託):+0.5倍
・月間合計3万円以上のポイント投資(米国株式、円貨決済):+0.5倍
となります。楽天ポイントは1ポイントでも使えば対象になります。
●SBI証券の投資信託保有のポイント還元
SBI証券の「投信マイレージサービス」では、投資信託の保有額に応じて最大で年0.25%のVポイント・Pontaポイント・dポイント・PayPayポイント、または最大年0.125%のJALのマイルがもらえます。5つのポイントから1つを選択することが可能です。
ポイントのうち、Vポイント・Pontaポイントは国内株式・投資信託・投信積み立ての購入代金に使えます。
SBI証券ならVポイント・Pontaポイント・dポイント・JALのマイルから好きなものを選んで貯められるのがよいですね。普段貯めているポイント、使っている決済で貯まるポイントを貯めることで、より使い勝手がよくなりますね。
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楽天証券「投信残高ポイントプログラム」の投資信託は、信託報酬からポイント還元率を引いた実質のコスト負担率がとても安くなりますね。楽天証券で投資信託を購入するなら、ぜひ活用したい制度です。
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楽天証券とSBI証券の比較5:初心者向け情報の充実度・その他サービス
楽天証券とSBI証券では、初心者向け情報やその他のサービスも充実しています。
●楽天証券の初心者向け情報・サービス
楽天証券では、本来は有料の会社四季報や日経テレコン(楽天証券版)に加え、楽天Koboを利用して無料のマネー本を読むことができます。マネー本は月替わりで、NISA・iDeCoの口座開設者ならさらに読める冊数が増えます。投資メディア「トウシル」ではさまざまなお金に関する情報が日々更新されています。
●SBI証券の初心者向け情報・サービス
SBI証券でも会社四季報は無料で読むことが可能。「投資情報メディア」ではアナリストの豊富なレポートを読むことができます。
また、SBI証券では人気の高いIPO(新規公開株)の抽選に外れた場合に「IPOチャレンジポイント」がもらえます。IPOチャレンジポイントを利用することで、次回以降の当選確率がアップするため、「IPOがなかなか当たらない」という方でも当選の可能性があります。
これらのサービスは、いずれも口座開設をすれば無料で利用できます。したがって、口座開設は「どっちがいい」ではなく、楽天証券・SBI証券両方とも行うのがおすすめです。そうすることで、両方の付帯サービスを活用できます。
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結局、楽天証券とSBI証券、NISA口座はどっちで開設するのが正解?
証券口座は複数開設することができます。手数料もかかりません。しかし、NISA口座は1人1口座ですので、楽天証券とSBI証券の両方に開く、ということはできません。
ここまで紹介してきた話をもとに、「楽天証券で新NISA口座を開設したほうがいい人」「SBI証券に新NISA口座を開設したほうがいい人」を頼藤さん・高山さんに聞いてみました。
●楽天証券で新NISA口座を開設したほうがいい人
・楽天経済圏(SPU)を利用している人
・楽天ポイントを貯めたい・使いたい人
・少額の金額単位で日本株に投資したい人
・少額から日本株や米国株の積み立て投資をしたい人
普段から楽天経済圏を利用しているなら、楽天証券を利用することで楽天ポイントが効率よく活用できます。また日本株の積み立て投資のサービスは楽天証券のほうが充実しています。積み立て投資は一度設定すればあとは自動的に投資が進みますので、普段忙しくて投資の手間を減らしたい人にもおすすめです。
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●SBI証券に新NISA口座を開設したほうがいい人
・Vポイント・Pontaポイント・dポイント・PayPayポイント・JALのマイルを貯めたい人・使いたい人
・ポイント還元率を高めたい人
・投資信託保有によるポイント還元をより受けたい人
・単元未満株の投資でも手数料をゼロにしたい人
SBI証券で投資をすれば、自分が普段から貯めているポイント・マイルを選んで貯められますし、投資信託保有のポイント還元率も高めです。さらに、単元未満株への投資でも手数料がまったくかからないので、少額から株式投資を始めたい方にも向いています。
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繰り返しになりますが、楽天証券もSBI証券もおすすめできる証券会社ですから、まずは両方に口座開設をするとよいでしょう。そのうえで、NISA口座を開設するにあたっては自分がどちらに当てはまるかを考えて、より近い方にすればよいでしょう。
新NISAを楽天証券・SBI証券ではじめて、お金を増やしていきましょう。
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畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
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