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18/11/04

資産運用・経済

日本経済が「黄金期」に入った理由

労働力不足は労働者と日本経済に恩恵

労働力不足という言葉は、困った事のように聞こえます。たしかに、企業の経営者にとっては困った事なのでしょうが、労働者にとっては素晴らしい事です。「仕事潤沢」といった明るいイメージの言葉を使いたいですね。

まず、何と言っても失業のリスクから解放されます。仮に仕事を失っても、新しい仕事が容易に見つかるでしょう。若年男性だけではありません。高齢者や子育て中の主婦でも探せば仕事が見つかるでしょう。働きたい人が仕事にありつける、というのは素晴らしいことです。

アルバイトや派遣社員といった非正規労働者の時給が上がります。労働力不足ですから、各社が労働力を奪い合うことで、時給が上がっていくのです。正社員の給料はあまり上がらないかも知れませんが、むしろ非正規労働者の時給が上がっていくことで同一労働同一賃金に近づく、といったメリットも見込まれます。

ブラック企業がホワイト企業になっていきます。今までは、ブラック企業の社員が失業を恐れて退職を思いとどまっていましたが、今後は退職しても失業のリスクがなければ、ブラック企業の社員は皆が退職してしまうので、企業自体がホワイト化せざるを得ないのです。

労働者のみならず、日本経済にとっても労働力不足は良い影響をもたらします。まず、企業が省力化投資に取り組むようになり、日本経済が効率化していきます。アルバイトに皿を洗わせていた飲食店が自動食器洗い機を導入すれば、日本の飲食業の労働生産性が上がる、というわけです。

財政にも好影響です。失業対策の公共投資が不要になるばかりではありません。これまで「増税をすると景気が悪化して失業が増えてしまう」と考えていた政府が、「増税して景気が悪化しても失業が増えないなら、気楽に増税しよう」と考えるようになるからです。

このように、日本経済がバブル崩壊後の長期低迷期に悩んでいた諸問題が労働力不足によって一気に改善するのです。単に景気が良いからではなく、少子高齢化によって素晴らしい時代が来るのです。

これは、バブルのようなキラキラした時代ではありませんが、「黄金期」と呼んで構わないと思います。

結論、財政は破綻しない!

日本人投資家が日本国債を買い続ける限り、日本政府は破産しません。日本人投資家は、「遠い将来の事はわからないが、日本政府が明日までに破産するとは思われないから、日本国債を買おう」と考えています。

日本人投資家が日本政府の破綻を心配するとすれば、現金を保有しても仕方ないので、外貨を保有することになります。それにより、明日までに為替差損を被るリスクは決して小さくありません。それならば、「今日は日本国債を買って明日売る。明日以降の事は明日また考える」という選択が合理的だからです。

日本人投資家は、明日以降も同じ事を考えるので、結局日本国債は安泰なのです。
上記のように、少子高齢化による労働力不足が深刻化してくると、増税が容易に出来るようになりますから、財政赤字は減っていくでしょう。

10年経てば増税が容易になるのだとすれば、今焦って増税をする必要は毛頭ありません。「景気は税収という金の卵を産む鶏」ですから、景気を殺してしまわないように、慎重に経済状況を見守りましょう。

それでも財政赤字が残った場合、どうなるのでしょうか。日本人は少子化により減少していき、数千年後には最後の一人になります。その子は家計金融資産の1800兆円をすべて相続し、その子の他界とともにそれが国庫に入りますから、日本政府の借金1000兆円は自動的に消えることになります。

こうした極端な例を考えることによって、問題の本質が見えてきます。つまり、財政赤字は子孫への負担の先送りですが、遺産の事も考えると、世代間の不公平は存在しないのです。問題があるのは遺産が相続できる子と出来ない子の世代内不公平だけなのです。

数千年が経過する前に、投資家たちが「明日までに日本政府が破産する」と確信する日が来るかも知れません。それでも心配いりません。投資家たちが日本政府の破産を確信したら、国債相場が暴落するのみならず、ドルが高騰するはずです。

そうなれば、日本政府が保有している巨額の外貨準備のドルを高値で売却し、暴落した発行済国債を買い戻せば良いのです。もしかすると、発行済みの国債が全部買い戻せて、日本政府は無借金になるかも知れませんよ。

世の中の情報が悲観論に染まっている事に要注意

上記は、非常識かも知れませんが、常識が正しいとは限りません。特に、悲観的な常識は、マスコミ等によって作り上げられている可能性があります。

評論家は悲観論が好きです。悲観論の方が賢そうに見えますし、様々な筋書きが考えられるので聞き手に興味を持ってもらえる話が色々と出来るからです。

マスコミも、悲観論や悲観的な情報が好きです。たとえば、政府が年金の運用で損をすると大きく報じ、儲けると小さく報じます。そこで、政府は過去の年金の運用で損をしていると信じている人も多いでしょうが、実は儲けている期間の方が多いので、トータルでは儲かっているのです。

つまり、人々が日常的に得ている情報には、悲観バイアスがかかっているのです。それを拙稿を読んで少しでも修正していただければ幸いです。

そこまでは無理でも、拙稿を読んで「非常識だから、どこか間違えているに違いない。どこがどのように間違えているのだろう?」といった頭の体操をしていただければ、それだけでも筆者として望外の喜びです。

『日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由』
塚崎公義 著

『日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由』(河出書房新社)

「非常識だが誤りではない」が本書執筆の理念。
労働力不足が好景気をもたらす!!
財政危機、国債暴落、格差社会、ブラック企業…
悲観論を一蹴する、日本経済の真実!がわかる至極の1冊!

塚崎 公義 経済評論家

1981年東京大学法学部卒後、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関係の仕事に従事した後、2005年に銀行を退職して久留米大学へ。現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先とは関係なく個人として行っているため、肩書きは経済評論家と記す。
「退職金貧乏 定年後の『お金』の話」「老後破産しないためのお金の教科書」「増補改訂よくわかる日本経済入門」「世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書」「日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由」など著書多数。

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