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19/09/13

資産運用・経済

LINEで気軽に投資「LINE証券」スタート! 3つのメリットと3つの注意点

もはやインフラのひとつとなったともいえるLINE。日頃、利用している方も多いと思います。そんなLINEのアプリを使って、スマホで投資ができる「LINE証券」が8月に誕生しました。「簡単・便利で分かりやすくシンプルなサービスの提供をめざす」というLINE証券には、どんなメリット・注意点があるのでしょうか。筆者の考えと合わせて紹介します。

※編注:LINE証券は2024年中に撤退を発表しました。新規口座開設の受付を終了しています。

投資初心者向き! LINE証券の3つのメリット

LINE証券は、LINEの子会社、LINE Financialと、野村證券で知られる野村ホールディングスが立ち上げたスマホ投資サービスです。

LINEの投資サービスにはもうひとつ、「LINEスマート投資」があります。
LINE証券との違いは、銘柄の選定や売買を誰が行うかという点です。

LINEスマート投資では、テーマを選ぶだけで、その後はロボアドバイザーが自動的に銘柄の選定や運用をしてくれます。
それに対し、LINE証券では自分で銘柄(株の種類)を選び、売買のタイミングを判断することになります。
そのため、LINE証券はLINEスマート投資よりもう少し本格的なサービスだといえるでしょう。

とはいえ、LINE証券では他の証券会社よりもずっと簡単に投資がスタートできるようになっています。その理由を、3つのメリットにまとめて紹介します。

●メリット1:日本の有名企業に数百円から投資可能!

「どの銘柄や商品を選んだらよいかわからない」「初めからたくさんお金を投資するのは怖い」といった具合に、興味はあるけどなかなか投資を始められない人は多いでしょう。
そうした人たちでも悩むことなく気軽に投資できるように、LINE証券では、取引できる銘柄を日本の有名企業100社に絞っています。筆者が愛用している「メルカリ」「楽天」「良品計画(無印良品)」などもありました。その他も、みなさんが知っている会社がほとんどでしょう。

また、株の売買は通常100株単位なので、投資資金は最低でも数万円は必要になります。しかし、LINE証券では1株単位で取引できますから、安ければ数百円、大部分は3000円以下で購入できるのです。そのため、まとまった資金のない人でも、ちょっと投資を体験したい人でも気軽にできるでしょう。お気に入りの銘柄をいくつか選んで取引してみてもいいなと思っています。

なお、TOPIX(東証株価指数)やNYダウといった指数と同じような値動きを目指す国内ETF(上場投資信託)も9種類あり、こちらも1口単位で購入できます。どの株を買うか決められなかったら、こうしたものを選ぶのもいいでしょう。

●メリット2:日中忙しい人には「夜間取引」がおすすめ!

普通、株の売買がリアルタイムでできるのは平日の9時〜11時半と12時半〜15時の間だけです。しかしLINE証券では、平日夜21時までリアルタイムでの売買が可能。日中忙しい「働く世代」や「子育て世代」でも都合のいいタイミングで取引できる自由度の高さはうれしいところでしょう。
具体的には、以下の時間に取引できます。

・日中取引
9:00~11:20、11:30~12:20、12:30~14:50
・夜間取引
17:00~21:00
※ 国内ETFは夜間取引不可
※ 土日・祝日・12/31〜1/3は取引不可

筆者も、取引ができる時間帯が限られている株式投資はやりにくいと思っていました。しかし、21時まで取引できるなら、仕事が終わったあとにじっくり銘柄を選ぶこともできます。投資のハードルがぐっと下がったように感じます。

●メリット3:LINE Pay残高からの入金も可能

LINE証券での取引に使うお金は、銀行口座で入金するだけでなく、LINE のスマホ決済サービス「LINE Pay」の残高から入金することもできます。
買い物やサービスの利用で貯まったLINEポイントをLINE Payにチャージして、LINE PayからLINE証券にチャージすることで、株を買うこともできます。つまり、ポイントで株を買うのとほぼ同じようなことができるのです。こうすれば、株式投資に必要な金額がさらに少なくなります。

筆者は普段から、貯まったLINEポイントをLINE Payにチャージしてコンビニやドラッグストアなどで使っています。これをLINE証券に回せば投資できるのですからお得ですし、何より便利です。

ここに気を付けよう! LINE証券の注意点

初心者にうれしいメリットの多いLINE証券ですが、注意点もあります。

●注意点1:取引できる商品や手法が限られている

LINE証券で購入できる銘柄は国内有名企業100社と国内ETF9種類のみで迷いにくいのはメリットなのですが、裏を返せば注意点でもあります。他の銘柄や商品には投資できません。また、株や資金を借りて取引を行う信用取引にも対応していません。
LINE証券は投資初心者向けのサービスですから、投資経験者にとっては少し物足りなく感じるかもしれません。

●注意点2:「手数料は無料」ではない

LINE証券の売買手数料は無料ですが、実は、売買手数料とは別に、スプレッドという手数料がかかっています。
普通、証券会社で株を買うときには、今の株の値段が表示されており、それをもとに買ったり売ったりします。しかし、LINE証券では、株を買うときの値段と売るときの値段の2つが別々に表示されています。この2つの値段には、スプレッドという手数料があらかじめ上乗せされているのです。
手数料を意識することなく売買できますが、手数料がないわけではないので、覚えておきましょう。

●注意点3:NISAやiDeCoなどの非課税サービスには未対応

投資で得られた利益にかかる税金が非課税になるNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)。利益にかかる税金は約20%ですから、これがなくせるとなれば大きいのですが、現状LINE証券ではこれらの非課税サービスを利用できません。

まとめ

LINE証券では、LINEを利用している人であれば新たにアプリをインストールする必要がなく、LINEアプリ内で口座開設や取引が完結します。特にこれまで投資をしたことなく、少額から手軽に始めたい人にとってはおすすめです。とはいえ、経験者には少々物足りない面もあるかもしれません。
LINE証券によると、今回開始したサービスは第1弾とのことなので、今後のさらなるサービスの拡大にも注目したいところです。

※編注:LINE証券は2024年中に撤退を発表しました。新規口座開設の受付を終了しています。

鈴木靖子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

銀行の財務企画や金融機関向けコンサルティングサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わるなか、その経験を個人の生活にも活かしたいという思いからFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。
HP:https://yacco-labo.com

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