20/06/17
ETFとは? 6つの特徴・メリットをチェック! 株・投資信託と何が違う?
ETFは、株と投資信託の特徴をあわせもつ金融商品。株と同じようにリアルタイムで売買できる投資信託です。ETFには、株と投資信託のデメリット部分をカバーできる特徴・メリットがあります。投資初心者にもぜひ押さえておいていただきたい商品です。
今回は、そんなETFの特徴・メリットを投資信託や株と比較しながらご紹介します。
ETFとは
ETFはExchange Traded Fundの略で、日本語では「上場投資信託」といいます。
名前の通り、株式市場に上場している投資信託です。株式市場では、たくさんの株が取引されています。ETFは、株と同じように、株式市場で取引ができるのです。
ETFの運用スタイルは、「インデックス型」と呼ばれる投資信託と同じです。あらかじめ決められた指数の値動きと同じ値動きをするように運用されています。たとえば、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、NYダウなどの指数に連動した成果を目指します。
例えば、毎日のニュースで見る日経平均株価に連動しているETFを1本買うと、日経平均に採用されている株225銘柄に投資をしているのと同じ投資効果を得ることができます。またNYダウに連動しているETFを買えば、アップルやマイクロソフトといった米国の優良企業にも投資ができます。
そんなETFの特徴・メリットは、次の6点にまとめられます。
ETFの特徴・メリット1:株と同じようにリアルタイムで売買できる
ETFは上場しているため、株と同じように、取引所の取引時間中であればいつでもリアルタイムでの価格で売買が可能となっています。「今の値段で売ります」または「今の値段で買います」といった売買ができるということです。売買のタイミングを自分で決められるということは、場合によってはメリットになるでしょう。
一方投資信託はリアルタイムでの取引はできません。その日の終値で投資信託の基準価額が決定され、その基準価額でしか売買ができない仕組みとなっています。つまり、実は投資信託はいくらで買えるのか、売れるのか分からない状態で申し込みをしているのです。これだと、思わぬ価格で購入するリスクもあるのですが、ETFならばそれがない、というわけです。
ETFの特徴・メリット2:少額で購入できる
銘柄によって多少前後はありますが、株を購入する際には数万円から数百万円のお金がかかります。しかし、ETFは多くが1万円程度から購入することが可能です。これなら、スタートしやすいですね。
ETFの特徴・メリット3:分散投資ができる
ETFは日経平均株価やTOPIX、NYダウなどの指数に連動する運用をしているので、基本的には指数に組み込まれている銘柄を、その指数と同じ割合で保有しています。
例えばTOPIXは、東京証券取引所第一部に上場する全株式が組み入れられている指数です。つまり、TOPIXに連動を目指すETFは、TOPIXに組み入れられている企業の株をTOPIXと同じ割合で保有しているということです。
現在東証一部には2000以上の会社が上場していますので、もしTOPIXに入る銘柄を全て自分で買おうとすると億単位でのお金が必要になっていきます。しかし、ETFを買えば、投資初心者でも2000社以上の会社に簡単に分散投資ができるということです。
株の場合、買った銘柄が値下がりして、大きく損をする可能性もあります。しかし、ETFの分散投資なら、その中のどれかが値下がりしても、他のどれかの値上がりでカバーすることもできるでしょう。価格変動のリスクを抑えることができるのです。
ETFの特徴・メリット4:分配金がもらえる
ETFは株の配当金や投資信託の分配金と同じように分配金を受け取ることができます。ETFで分配金を1年間で受け取ることができる回数は、それぞれのETFの1年間の決算回数により、例えば年1回決算のETFであれば分配金は1年間に1回、2回決算であれば2回となります。
なお、ETFで支払われる分配金は、投資信託とは異なり、自動で再投資することはできません。分配金を再投資したい場合は、自分で追加買付の手続きをする必要があります。
ETFの特徴・メリット5:保有中のコストが投資信託より低く抑えられている
ETFでは、投資信託と同じく、保有している間に信託報酬という費用がかかります。最近は投資信託の中にも信託報酬の低い商品がでていますが、それでも全体的に見れば、ETFの信託報酬は投資信託より低い傾向にあります。
ETFの信託報酬が低いのは、販売会社への手数料や運用報告書印刷等にかかる事務費用が低く抑えることができるからです。
信託報酬は、長期になるほどその負担感は増してきて、運用効率にも影響がでてきます。保有コストが低いということは、長期投資に向いているともいえます。
ETFの特徴・メリット6:どの証券会社でもすべてのETFが購入できる
投資信託は現在約6000本ありますが、金融機関ごとに取り扱いのある商品は異なります。
もし、自分が利用している金融機関に欲しい投資信託がない場合、別の金融機関に口座を開設しないと買えない、ということになります。
その点ETFは、どの証券会社でも現在上場している約220本すべてのETFを購入できます。「この商品買えるかな?」と悩む手間がないということですね。
なお、ETFは証券会社でしか購入できません。銀行では購入できませんのでご注意ください。
ETFの売買時にかかる手数料は証券会社によって異なりますので、購入前に確認しておきましょう。信託報酬は投資信託と同じく商品ごとに決められているので、証券会社による違いはありません。
まとめ
インデックス型で値動きが分かりやすく、少額から分散投資ができ、低コストのETFは投資初心者向きの金融商品です。「低コストのため金融機関にとってはもうからない」ということが、なかなか個人投資家に浸透しない原因ともいわれるほどです。確かに、株や投資信託よりはマイナーかもしれませんが、ETFは投資信託と株の良いとこどりをした金融商品ですので、是非、この機会に身近な存在にしていただければと思います。
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小林 裕子 ひろファイナンシャルプランニング代表 CFP ・1級FP技能士
2008年FP相談業務開始。2014年事務所運営スタイルを金融機関等からの紹介手数料を一切得ず、報酬は顧客からの相談料のみとするフィーオンリーへ移行。「ファイナンシャルプランニングは100人100様」をモットーにライフプランの実行支援を行っている。
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