20/06/03
コロナ収束後に株価が上昇する2つの条件とは? 株価が上昇する銘柄10選
新型コロナウイルスの拡大によって、日経平均株価は大きく調整し、2020年1月につけた高値から、3月19日に安値をつけるまで、約32%も下落しました。世界景気が悪化し投資環境が悪い中、株式投資で成果をあげるには、個別銘柄で良い業績の企業を探していくことが大切です。
今回は、収束後に株価が上昇する銘柄の条件となると考えられるポイントを解説します。また、合わせてそのポイントを満たすと考えられる10銘柄を紹介していきます。
コロナ収束後に株価が上昇する条件とは?
コロナ収束後に大きく株価が上昇する銘柄の条件は、大きく2つあると考えられます。
1つは、コロナ以前から業績がよい銘柄です。これは、業種を問わず共通する条件です。
今回のコロナでは、ほとんどの銘柄が会社の実力など関係なしに大きく売られました。優良銘柄でも、コロナだからという理由で売られたのです。しかし、これは言い換えれば、優良銘柄ならばコロナ収束後に本来の実力がきちんと評価される可能性があるということでもあります。今後一時的に業績が落ちることはあるでしょうが、コロナの収束後は業績が復活すると考えられます。株価が元に戻ったり、コロナ前よりも上昇したりすることも考えられるでしょう。
最低でも前期、できれば過去3期以上増収増益を果たしている銘柄が狙い目となります。
もう1つは、コロナによって起こると思われる「ライフスタイルや価値観や需要の変化」に柔軟に対応でき、新しい価値を提供できる銘柄です。
例えば、リモートワークを駆使して今まで直接対面のみで行っていたサービスをオンラインでも開始したり、ステイホームを見越してデリバリーの比率を増やしたりできる企業です。顧客のニーズを満たすのが早い企業の銘柄ともいえるでしょう。
感染者が減少し、業態ごとに順番に経済活動が再開されると、株価もそれと同じ順番で回復するでしょう。
「アフターコロナ」期待の10銘柄
以上の条件に当てはまると考えられる銘柄を10銘柄選びました。
●1.パシフィックネット(3021)
年初株価:1811円 現在株価:1635円
※年初株価は2020年1月6日、現在株価は2020年6月2日の終値。以下同
IT機器の調達・導入、設定、運用・保守、回収・データ消去から適正処理までワンストップで請負うサービスを提供しています。コロナ禍でも注目されていましたが、ストック収入で安定した収益が得られること、さらに、今後も続くと思われるテレワーク需要で中古PCの販売も伸びるのではと推測されます。
●2.ブリッジインターナショナル(7039)
年初株価:1892円 現在株価:2676円
「インサイドセールス」で営業を支援するサービスを展開しています。見込みの低いお客に対しては、電話やEメールなどでコミュニケーションを取って同社がフォローし、成約につながりそうになると営業担当者にバトンタッチします。需要が続くと思われる業務効率化の新しいサービスとして需要が見込まれることに期待です。
●3.ビーグリー(3981)
年初株価:1234円 現在株価:1563円
スマホ向け電子コミック配信サービス『まんが王国』運営しています。いわゆる「巣ごもり銘柄」ですが、元々電子書籍市場は好調だったこと、ストック型ビジネスでもある点から継続して注目したいです。
●4.Hamee(3134)
年初株価:1497円 現在株価:1473円
スマホ向けアクセサリーのデザイン・販売とクラウド型EC事業支援を行なっている企業です。EC支援は、コロナによって新たにネット販売を開始したい企業のニーズに合っていると考えられます。
●5.松風(7979)
年初株価:1777円 現在株価:1622円
歯ブラシやフロスなど歯のケア用品から人工歯、歯科器具などを取り扱う企業です。業績・株価とも好調でしたが、3月の暴落後からはまだ調整しています。これは、歯医者で治療することは感染リスクが高いかつ、急を要さない治療が多いことから一時的に需要が減少していることが原因と考えられます。世界シェアの拡大も狙っていること、予防歯科、ホワイトニングと言った歯科需要は高まっていることからも出遅れて回復するのではと考えられます。
●6.IBJ(6071)
年初株価:1260円 現在株価:836円
婚活サービスを提供しています。結婚相談所への入会数やパーティー参加者数においては影響が出ていますが、 2020年4月から「オンラインお見合い」を開始、既存会員のお見合い活動は増えています。成婚数は増えていて、コロナ禍の状況で結婚の意識が高まっていて、収束後は対面での婚活も活発に行われることに期待したいです。
●7.応用地質(9755)
年初株価:1478円 現在株価:1376円
地質調査で首位の建設コンサル企業です。コロナによる好材料も悪材料もない企業のため、株価の動きはあまりありませんが、防災・減災、環境事業、資源エネルギー事業が好調であり、今後も需要が見込まれる事業であることから遅れて回復するのではないでしょうか。
●8.スシローグローバルホールディングス(3563)
年初株価:2307円 現在株価:2361円
回転ずし業界1位「スシロー」を中心に展開しています。休業や時短営業に追い込まれ、業績に打撃を受けていますが、通常通りに営業が再開できれば、徐々に業績、株価の回復が期待されます。
●9.サニーサイドアップグループ(2180)
年初株価:1080円 現在株価:832円
企業PRや販促支援を手がけるほか、朝食レストランで有名な「bills」も展開しています。業績・株価は好調でしたが、イベントも相次ぎ中止、「bills」も休業していますので業績のダメージは大きいと考えられます。
しかし、同社は2020年5月1日に、Gunosy(6047)との合弁会社を設立し、ニュース発信サービスを開始しました。コロナ禍でも新サービスを提供する同社の行動は、業績の回復と合わせて株価に反映されるのではないでしょうか。
●10.寿スピリッツ(2222)
年初株価:7980円 現在株価:5390円
地域限定のお菓子を製造・販売している企業で、北海道拠点の「ルタオ」など圧倒的な有名店を多く扱っています。通常営業ができるようになること、駅や空港拠点にも多く店舗があるため、人の移動の制限が無くなり、旅行の需要が回復することで、業績・株価が戻ってくると考えられます。
無理に先回りする必要はない
3月末決算企業の決算短信では、コロナの影響を受けて、業績予想を未定とした企業が約7割にのぼりました。しかし「収束したら業績が回復して株価が上昇する」と無理に先回りして株を購入する必要はありません。業績見通しのメドが立ってから投資しても遅くはないでしょう。
実態を伴わない期待だけの上昇に乗るより、気になる企業の情報を収集しつつ、焦らず投資できるタイミングを探すことが成功のポイントです。
*本記事で紹介する個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として申し述べたものであり、売買を推奨するものではありません。購入する場合は自己責任でお願い致します。
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かたやま りえ 2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP
FP取得と第3子出産をきっかけに始めた株式投資で、お金の教養の必要性を感じ、会社員からフリーに。株式投資、お金の教養、子育て中の働き方などのブログを複数運営しています。
「お金の教養があればより豊かに楽しく暮らせる」という思いを込めて執筆を中心に活動しています。
twitter→@rieyumekanaco
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