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26/02/16

家計・ライフ

平均年収「478万円」稼いでいる人は案外少ない

“平均年収「478万円」稼いでいる人は案外少ない

「日本の平均年収は478万円」と聞いて、どう感じますか?「そんなにもらっていない…」「周りは、もらっているのかな?そうでもないような…」など違和感を覚える方もいるでしょう。
統計上の「平均値」は、必ずしも「普通」や「真ん中」を指しているわけではありません。一部の数値が全体の数字を押し上げてしまう特性があるため、実態を正確に把握するには、より詳細な内訳に目を向ける必要があります。
今回は、平均年収478万円程度を稼いでいる人はどのくらいいるのか。また、平均年収の実態はどうなのか詳しくみてみましょう。

平均年収の実態とは?日本の平均年収は「478万円」

国税庁が2025年9月に公表した「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者の平均は以下のとおりです。
・平均年収:478万円(前年比3.9%増)
・男性平均: 587万円
・女性平均: 333万円
この給与所得者の平均年齢は47.2歳、平均勤続年数は12.6年となっています。
ただし、この平均年収というのは、給与所得者全体の収入を合計して単純に割り算したものです。もし平均が実感と乖離しているように感じるとすれば、その大きな理由は、分布にあります。年収ごとの所得者数とその割合を詳しく見てみましょう。

●年収分布を見てみると…?

年収ごとの給与所得者数とその割合は次の通りです。

<年収ごとの給与所得者数と割合(2025年)>

国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」より筆者作成

「年収500万円以下」の層が全体に占める割合は、以下の通りです。
・男性:49.0%
・女性:82.3%
・合計:63.4%
しかし、この割合には「年収470万円〜500万円」の人も含んでいるので、それを差し引いて考えると、男性は44%程度、女性は78%程度が「平均年収478万円」に届いていないと推測できます。

「平均年収478万円」というと「みんな、意外と高い年収をもらっているな」と感じた方がいるかもしれませんが、ごく一部の高所得者が押し上げているだけ。

実際は、年収1000万円超(全体の約6%)や2500万円超(0.3%)といった高い所得を得ている人々が数値を大きく引き上げています。その結果、大多数の人が位置するボリュームゾーンは、平均値よりも低い位置にあるというのが日本の年収構造の現実といえそうです。

平均年収に差が出る要因とは?

平均年収は、職業や雇用形態、勤務先の規模、働く業種などによっても大きく異なります。

●正社員 vs 非正社員の違いをみると

雇用形態の違いで平均年収をみてみると、正社員の平均年収が「545万円(男性609万円、女性430万円)」であるのに対して、非正社員の平均年収は「206万円(男性271万円、女性174万円)」。正社員と非正社員では、平均年収に約340万円もの大きな開きがあることがわかります。

●企業規模による違いをみると

企業規模で平均年収をみてみると、従業員10人未満の会社の場合の平均年収は「392万円(男性486万円、女性282万円)」です。一方、従業員5000人以上の事業所になると平均年収が「539万円(男性694万円、女性335万円)」となっています。
平均給与は、企業規模が大きい会社に勤める方が高い傾向にあることがわかります。

●業種別での違いをみると

さらに、業種別でも平均年収をみてみましょう。

<業種別の平均年収>

国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」より

平均年収の高い業種を3つ挙げると、
・1位:電気・ガス・熱供給・水道業(832万円)
・2位:金融業、保険業(702万円)
・3位:情報通信業(660万円)
反対に、平均年収の低い業種を3つ挙げると、
・1位:宿泊業、飲食サービス業(279万円)
・2位:農林水産・鉱業(348万円)
・3位:サービス業(389万円)
となっています。

業種別においても、平均給与は最大約550万円もの差が生まれることがわかります。

近年の平均年収はどうなっている?

日本のここ10年の平均年収は、次のように推移しています。

<平均年収(2015年〜2024年)>

国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」より筆者作成

ここ10年間の平均年収の推移を振り返ると、2015年(平成27年)の423万円から2024年(令和6年)の478万円へと、約55万円増加しています。

数字だけ見ると少しずつ上がっているように見えますが、実際の生活が楽になったと感じる方は少ないかもしれません。
背景には、物価の上昇や社会保険料の増加など、家計に影響する要素が多くあります。額面が増えても、自由に使えるお金が思ったほど増えていない…というのが、今の実感ではないでしょうか。

統計の数字をどう捉えるべきか

年収500万円以下の層が全体の約6割という実態から、多くの人が「平均」という言葉から受けるイメージと、現実の所得水準には大きな隔たりがあることがわかります。
「平均年収478万円」という数字は、あくまで社会全体の総和を人数で割った一つの指標です。この基準を上回っているから安心、少ないから不安という単純なものではありません。
大切なのは、その数字と自分を単純に比較することではなく、自分の適性や目指す将来像をふまえ、「納得できる報酬を得るために何が必要か」を前向きに考えること。今の業界水準や自身の強みをあらためて棚卸しし、統計という客観的なデータを手がかりに、自分のキャリアを見つめ直す時間を持つことが、より豊かで自律的な未来を築くことにつながるでしょう。

舟本美子 ファイナンシャルプランナー

「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー

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