20/03/19
株式投資でどの銘柄を選ぶべきかわからない…は2つの指標で探せ! 売上ともう一つはコレ
株式投資のメリットといえば、なんといっても値上がり益でしょう。買った銘柄が大きく値上がりして儲かったらいいなと誰もが夢見ますが、そう簡単にはいかないのも現実。株の勉強を始めた人なら、誰もが、みな「銘柄の探し方がわからない」と感じるものです。
そこで今回は、「値上がりが期待できる銘柄の探し方」の基本として、売上と利益の見方をご紹介。株初心者の疑問にお答えしていきます。
「売上と利益」は毎年拡大している?
銘柄を選ぶときに、まずチェックしたいことは、「売上と利益」です。下の表を見ながら、確認していきましょう。
売上(売上高)は、商品やサービスが売れたことで得られた金額のことです。会社はここから、売上をあげるためにかかったさまざまな費用を差し引き、最終的な利益(純利益)を算出しています。
●売上と利益のイメージ
本当はもう少し細かいのですが、ここでは、重要なものに絞って紹介します。
「売上」は何より、拡大していることが重要です。世の中にその商品やサービスが受け入れられているということを示すからです。
「営業利益」は、本業の儲けを表す利益ですので、利益の中でも特に大事です。売上とともに営業利益が上がっていれば、本業が順調だということです。
「経常利益」には、本業以外の利益や費用を差し引いた利益が記載されます。会社の総合的な稼ぐ力を示します。
そして、「純利益」は一時的な利益や損失(特別利益・特別損失)、税金などを差し引いた最終的な利益です。会社により多少前後しますが、経常利益の70%程度が正常な数値です。数値が明らかに異常な場合は、本業とは関係のない利益や損失が含まれている可能性があります。
初心者の方が銘柄を選ぶときは、まず売上と営業利益がともに増加しているかをチェックしましょう。その上で、純利益の数値が経常利益の70%程度になっているかを確認しましょう。
また、過去の売上・利益がともに右肩上がりの企業が理想ですが、それよりも今期の予想・来期の予想が右肩上がりで増加するかをチェックしましょう。なぜなら、株価は半年〜1年先を先取り、期待して動くからです。
実際の銘柄でチェック!
トランザクション<7818>を例に、売上・利益の動向と株価の関係をチェックしてみましょう。トランザクションは、主にエコバッグやタンブラーなどのエコ製品の企画、販売を行っている会社です。
売上や利益の情報は、年に4回(四半期)会社が公表する「決算短信」という資料の最初のページにまとめられています。決算短信は、各社のウェブサイトや、証券会社やファイナンスサイトなどでも見られます。
●トランザクションの決算短信
上の決算短信は、トランザクションが2019年1月10日に発表した2019年8月期の第一四半期決算短信から抜粋したものです。赤い枠で囲ったところを見てみましょう。
まずは上側、第1四半期の業績です。
売上は前年同期比+6.0%、営業利益が+19.8%と業績が好調でした。純利益もおおよそ経常利益の70%程度になっています。
さらに、下側の業績の予想をみると、通期(1年間)の売上は+7.0%、各段階の利益もおおよそ12〜13%の増加を見込んでいます。先ほど紹介した銘柄選びの条件を満たしていると考えていいでしょう。
上方修正の期待で株価が上昇!
売上、利益が伸びていると、業績の上方修正も期待できます。上方修正とは、業績の予想を引き上げることです。売上や利益が予想より一定以上増えそうな場合、企業は上方修正をするルールになっています(なお、逆に売上や利益が一定以上減りそうな場合は、下方修正を行います)。
上方修正は、会社が予想以上に儲かりそうということですから、株価の上昇要因になります。
上方修正をしそうな銘柄を探すために「進捗率」をチェックしましょう。進捗率は、1年間の業績予想をどれくらい達成したかを示す割合です。四半期ごとの売上・利益を通期の売上・利益予想で割って算出します。
たとえば、トランザクションの第1四半期の経常利益を通期経常利益予想で割ると、
6.10億÷19.28億×100=31.6%
進捗率は31.6%となります。
決算短信は3か月ごとの業績をまとめていますから、進捗率は通常1回あたり25%となるはずです。トランザクションはそれを6.6%も上回るハイペースで利益が出ているのですから、上方修正の期待ができるというわけです。
●トランザクションの株価チャート
(ヤフーファイナンスより)
実際、トランザクションの株価は、2019年1月10日の決算をきっかけに上昇しました(矢印部分)。その後、3月28日に第2四半期の業績上方修正を発表したこともあり株価は堅調に推移。高値をつけた8月時点で、年初からの株価は、2倍に上がりました。
なお、進捗率をチェックするときは、過去数年の平均値とも比較しましょう。例えばアイスを扱う企業は夏が稼ぎやすいなど、季節の影響があるかもしれないからです。過去数年の平均よりも好調ならば、上方修正があるかもしれません。
まとめ
売上・利益が順調だと、株価が好調という例を紹介してきました。もちろん、売上や利益が好調だから確実に株価が上がる、というものではありません。しかし、何気なく銘柄を選ぶよりも、自分なりに判断基準を持って銘柄を分析したほうが、たとえ失敗したとしても納得できますし、なにより値上がりしたときにうれしいものです。ぜひ、そうした銘柄を見つけるための第一歩として、売上と利益を見るようにしてみてください。
*本記事で紹介する個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。購入する場合は自己責任でお願い致します。
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かたやま りえ 2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP
FP取得と第3子出産をきっかけに始めた株式投資で、お金の教養の必要性を感じ、会社員からフリーに。株式投資、お金の教養、子育て中の働き方などのブログを複数運営しています。
「お金の教養があればより豊かに楽しく暮らせる」という思いを込めて執筆を中心に活動しています。
twitter→@rieyumekanaco
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