20/03/09
つみたてNISA、制度改正で2020年から始めれば累計920万円非課税投資ができる!
2014年から始まったNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)は、投資で得た利益に一切税金がかからない制度。このNISAの見直しが金融庁より公表されました。NISAには現在「一般NISA」、「つみたてNISA」、「ジュニアNISA」の3種類があるのですが、2024年から一般NISAとつみたてNISAの内容はリニューアル。ジュニアNISAは廃止されることになります。
このうち、つみたてNISAは投資期間が5年間延長されるのですが、それによって非課税で投資できる金額が増えることについてはあまり触れられていないように思います。
そこで今回は、つみたてNISAの制度から投資期間の延長の影響まで、まとめてご紹介します。
投資初心者でも始めやすい「つみたてNISA」とは
つみたてNISAは、年40万円までの投資で得た利益にかかる税金をゼロにできる制度です。
通常、投資の利益には20.315%の税金が課税されますが、それがゼロになるのですから、お金をより効率よく増やせるというわけです。
つみたてNISAで購入できるのは、金融庁の基準をクリアした、低コストで長期分散投資に適した投資信託のみ。文字どおり、それを積立で少しずつ購入していきます。
現状、投資できる期間は2018年〜2037年までの20年間。最大で800万円まで運用ができるようになっています。しかしこれでは、2019年スタートの場合には19年間、2020年の場合には18年間…という具合に、スタートする時期によって投資できる期間が短くなってしまいます。それにともない、毎年の投資金額の合計も800万円、760万円、720万円…と少なくなってしまうことが問題視されていたのです。
2018年スタートの人は1000万円、2020年スタートなら920万円まで投資可能に
今回の改正では、少しでも多くの人が20年以上投資できるようにと、つみたてNISAで投資できる期間が2037年から2042年へ5年間延長されることになりました。
これによって、2020年からスタートした場合は2042年までの23年間積立投資が可能に。非課税で投資できる金額の上限は720万円から920万円(年間40万円×23年間)に増えることになります。
なお、2018年からスタートしている方の積立投資可能期間は20年間から25年間になるので最大非課税投資枠は800万円から1000万円(年間40万円×25年間)になります。
5年の差で運用収益は100万円以上変わることも!
仮につみたてNISAで年間40万円(毎月3.3万円)を積立投資して年率3%の運用成果を出せた場合の最終受取額を積立運用期間別にシミュレーションしてみました。
●毎月3.3万円ずつ積立投資した場合の元本・運用収益・合計
金融庁「資産運用シミュレーション」をもとに作成
もし制度改正がなく、2020年につみたてNISAを始めたとしたら、運用期間は2037年までの18年間。18年後は元本712.8万円、運用益230.8万円、合計943.6万円となる計算です。
制度改正によって2042年までの23年間投資できるようになれば、元本910.8万円、運用益398.6万円、合計1309.4万円となります。運用益は5年間で170万円近くも変わる計算になります。
また、2018年からつみたてNISAをしていた方は、25年間投資ができます。ぜひ20年間の場合と25年間の場合を見比べてみてください。運用益は約190万円変わっています。
しかも、つみたてNISAでは運用益にかかる約20%の税金が非課税になりますから、数十万円単位の税金が節約できていることになります。
もちろん、運用の良し悪しによって金額は変わってくることになりますが、せっかく延びた投資期間です。つみたてNISAを早めに活用して資産形成に役立てるべきでしょう。
まとめ
つみたてNISAを長く続けることで、お金がさらに増やせる可能性があることを紹介しました。非課税で投資できる金額や期間が増えることは、長期投資に有利だと考えられます。
投資は、まとまったお金がないとできないイメージを持たれている方が多くいます。しかし、つみたてNISAは毎月100円や1000円といった少額から始めることができます。
まずは、投資期間が延びるこの機会に、将来に向けた余裕資金作りを始めることから始めてみてはいかがでしょうか?
誰でも納得! つみたてNISA(積立NISA) おすすめ金融機関はここだ!
つみたてNISA(積立NISA)スタートにぴったりの金融機関をご紹介します。
● SBI証券
・ほとんどの投資信託を網羅。有力商品を選びやすい
・毎日・毎週・毎月・複数日・隔月の5つの購入タイミングを選べる
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● マネックス証券
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小林 裕子 ひろファイナンシャルプランニング代表 CFP ・1級FP技能士
2008年FP相談業務開始。2014年事務所運営スタイルを金融機関等からの紹介手数料を一切得ず、報酬は顧客からの相談料のみとするフィーオンリーへ移行。「ファイナンシャルプランニングは100人100様」をモットーにライフプランの実行支援を行っている。
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