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16/03/02

資産運用・経済

超初心者でもわかるネット証券口座の開設

インターネット証券(以後、ネット証券)が誕生して以来、投資が身近な存在となり、サラリーマン、OL、専業主婦、学生と、幅広い層が個人投資家として存在しています。IT化が進みますます便利な世の中。

でも、超がつくほど投資初心者の女性にとっては、「ネット証券口座開設」を無事に乗り越えられるかどうかが、高い壁となっていることが多いのが実情。

今回は、ネット証券口座開設の流れと、口座開設時につまずくポイントがあるのでその点を解説します。

ネット証券口座開設の流れを知ろう

ネット証券口座を開設したい場合、ネット証券のホームページを開き、そのホームページから「口座開設はこちら」などの表記のボタンを押し、口座開設資料を取り寄せる必要があります。画面上では、住所、氏名、年収、職業、入金先金融機関、投資経験、マイナンバーなどを入力します。面倒に感じるかもしれませんが、これらの入力は申込書が届いた時に全て印字されていますので、面倒な手書き不要でかなり便利です。

次に、ネット証券口座開設資料が届いたら、記載内容に誤りがないか確認の上、署名・捺印を行い必要事項に空欄があれば追加で記入します。書類を返送する際、マイナンバーが確認できる書類のコピー、個人番号提供書(証券会社から届く書類で、意志表明として法令上必要になる書類)、本人確認書類(運転免許証のコピー、保険証のコピー、住民票の写しなど)を忘れずに同封します。

なお、本人確認書類については、ネット証券のホームページ上において、PDF化したもののアップロードや、携帯電話などで撮影した身分証明書の写真をアップロードで可能となっている会社が多いです。

申込書を返送すると、通常1〜3週間程度で「口座開設通知書」が送られてきます。通知書にはユーザーIDとパスワードが記載されており、これを使えばすぐに取引画面を開くことが可能です。また、通知書には、購入資金の入金先となる銀行口座または郵便局口座が記載されています。

最後に、開設した口座に投資資金を入金すれば、取引の準備は完了します。

ちなみに、証券会社の口座は複数開くことができ、費用もかかりません。途中で証券会社を変更したり、開設したりするのは億劫なので、最初に3社くらい口座開設をして、使いやすさを比べてはいかがでしょう。

超初心者は「源泉徴収あり配当受入ありの特定口座」がオススメ

ネット証券口座開設申込書を入力する際に、多くの人がつまずくのが、納税方法の選択。

各証券会社の口座開設申込書を確認してみると、「源泉徴収あり配当受入ありの特定口座」「源泉徴収あり配当受入なしの特定口座」「源泉徴収なしの特定口座」「一般口座」の4つから1つを選ぶようになっています。いきなりの専門用語の応酬でつまずくのは無理もないでしょう。

口座変更は、後日することもできますが、いったん取引が成立すると、その年度は変更が不可能なので、しっかりと違いを覚えましょう。

「源泉徴収ありの特定口座」ってなに?

投資で利益を得た際は必ず確定申告を行う必要がありますが、「源泉徴収ありの特定口座」を選んだ場合、上場株式や投資信託などの譲渡益や売却益に課される所得税・住民税を、証券会社が個人投資家に代わって1年間の売買損益計算でまとめてくれます。なので、自分で確定申告が不要となります。

超初心者の方は迷わず「源泉徴収ありの特定口座」を選択すべきです。ただ、簡単で便利な口座であることは確かなのですが、他社の証券口座の損益、特定口座以外の損益、FX・先物などの損益と損益通算をする場合は、各自で確定申告する必要がある点に留意しましょう。

「配当受入ありなし」ってなに?

配当受入を「あり」にすると、年間の譲渡損失と特定口座に受入れた配当所得の損益を通算してくれます。確定申告をして、配当控除の適用を受けたい方は「なし」にすると良いでしょう。

●「総合課税」で申告するとオトクな人
・配当を含めた課税所得が330万円以下の人
・配偶者控除などの適用を受けている人で、配当以外に所得がなく(専業主婦など)、株の利益や配当所得などの合計が38万円以下の人

●「申告分離課税」で申告するとオトクな人
・上場株式、ETF、株式投資信託、FXによる売却損がある人

「源泉徴収なしの特定口座」を選んだ場合はどうなる?

「源泉徴収なし」を選んだ場合は、証券会社は全取引記録(特定口座年間取引報告書)を交付し、確定申告に関わる要件を全部、もしくは一部を代行してくれます。この書類があれば年間損益を自分で計算する必要がなく、確定申告の手続きがラクに済みます。

「一般口座」を選んでもメリットはない

「一般口座」はいわゆる昔ながらの証券口座。「一般口座」を選んだ場合は確定申告に関するすべての作業を投資家自身で行わなければならず、初心者には向きません。取引の都度送られてくる取引報告書をもとに自分で損益を計算し、確定申告を行う必要があります。

頼藤 太希 マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki

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