24/09/17
【2026年10月】子供1歳まで「国民年金保険料免除」対象者は?いくらお得になる?
政府は少子化対策の一環として、2026年10月より、子供が1歳になるまでの間、父母の国民年金保険料を免除する方針を決めました。
子どもを持ちたいと考えている方にとっては喜ばしいニュースですが、自分はこの制度の対象になるのか、これまでと比べてどれくらいお得になるのか気になる方も多いでしょう。今回は、国民年金保険料免除措置の対象者や期間、お得になる金額などについてまとめました。
国民年金保険料の免除が始まるのはいつから?対象者は?
子育て中の国民年金保険料が免除される措置は、2026年10月1日からスタートする予定です。子ども・子育て支援の一環として、国民年金法を一部改正する形で創設されます。
国民年金保険料が免除になる対象は、自営業やフリーランス、無職などの国民年金第1号被保険者です。子の父母どちらも免除の対象となります(養父母も含みます)。
自営業やフリーランスは、会社員のように明確にいつからいつまで休業なのか決まっていないことも多く、働き方や収入もさまざまです。そのため、実際に仕事を休んでいたかどうかに関わらず、すべての対象者の保険料が免除となります。また、所得制限もありません。
国民年金保険料が免除される期間は、子が生まれた日から1歳になるまでの間です。養子の場合は、養子となった日から1歳までの期間です。
<免除期間の考え方>
厚生労働省「国民年金における育児期間の保険料免除」より
なお、今回の国民年金保険料の免除措置で国民年金保険料を免除された期間は、保険料を満額納付した場合と同じ扱いになるため、将来もらえる年金額が減ることはありません。
国民年金保険料免除措置が創設された背景とは?
会社員が加入する厚生年金は、出産予定日の前月から4ヶ月間の産前産後期間に加えて、育休取得中にも保険料が免除される仕組みがあります。いっぽう、自営業やフリーランスが加入する国民年金は、産前産後期間しか保険料が免除されません。
この差を軽減し、また男性も対象とすることで、どんな働き方をする人も子どもを育てやすい社会にするために、今回の措置が施行されることとなりました。
国民年金保険料免除措置は、2026年に新設される「子ども・子育て支援金」を財源とする予定です。この子ども・子育て支援金は、公的医療保険に上乗せして徴収されます。つまり、国民健康保険や被用者保険、後期高齢者医療制度など、公的医療保険に加入しているすべての人が財源を負担することになります。
国民年金保険料免除措置が始まると、どれくらいお得になる?
今回の措置が施行されると、これまで母親の産前産後合わせて4ヶ月間のみだった保険料の免除期間が、子が1歳になるまでの13ヶ月間に延長されます。さらに、父親も子が1歳になるまでの12ヶ月間は保険料が免除されます。
国民年金保険料の金額は、1ヵ月1万6980円です(2024年度)。子の両親がともに自営業の家庭だと、母親の13ヶ月と父親の12ヶ月で25ヶ月分、つまり1万6980円×25ヶ月=42万4500円分の保険料が免除されることになります。
これまでの制度だと、母親の4ヶ月分、つまり1万6980円×4か月=6万7920円分しか保険料が免除されていませんでした。よって、国民年金保険料免除措置が始まると、35万6580円もお得になります。
さまざまな働き方の人が子どもを持ちやすくなる措置
2026年10月から始まる国民年金保険料の免除措置について説明しました。自営業やフリーランスで働く人向けの制度で、子が生まれた日から1歳になるまでの間、父母ともに国民年金保険料が免除されます。
会社で働く人に限らず、さまざまな形態で働く人が子どもを持ちやすくするための措置といえます。対象となる可能性がある方は、本記事の内容をしっかり押さえておきましょう。
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木下七夏 Webライター
大学卒業後金融機関に勤め、個人のお客さま向けの営業を担当。退職後にFP2級を取得し、フリーライターに。FPで学んだ知識や金融機関勤めの経験を生かして、生活にまつわるお金の疑問を分かりやすく噛み砕いて解説する記事を作成している。
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