16/03/18
超初心者でもわかるお金の授業 「FX」ってなに?
日銀がマイナス金利を導入しましたが、この影響は金融機関だけでなく、私たち個人が銀行へお金を預けるときに適用される金利にも及んでいます。預金金利は0.02%であったものが、0.001%となり、限りなくゼロに近い水準に。これによって、外貨預金やFX、外国株や外国債券に投資する投資信託などを活用したいという問い合わせや実際に投資する人が僕の周りで最近増えています。
今回はFXについて一緒に勉強していきましょう。
FXとは通貨を交換することにより利益を目指す金融取引
FXとは、外国為替を意味する「Foreign Exchange」の略です。外国為替は、世界に流通する通貨を交換することです。例えば、ハワイへ海外旅行をするとき、日本円をアメリカの通貨である米ドルに交換します。FXも基本的には同じで、通貨を交換するときに表示される「1ドル=120円」は、為替レートと呼ばれ、この為替レートの変動を利益に変える仕組みがFXなのです。
外貨預金とは何が違うの?
FXと似た投資に、外貨預金があります。取り扱いは主に銀行で、文字どおり、外国の通貨で預金するため、その国の銀行金利が適用されます。FXは、通貨の売買を専門的に行うFX会社や証券会社が行うものです。彼らは、預かったお金で売買を代行します。
両者には「預金」と「売買」という違いがあり、外貨預金の場合、資金が100万円であれば100万円分の外貨に両替して「預金」します。FXの場合、資金を「証拠金」として預け、それを担保に外貨を「売買」します。FXでは、証拠金の25倍分まで取引することができますが、この仕組みを「レバレッジ」と言います。
また、手数料が違う点も大きいでしょう。外貨預金は、大手銀行では米ドルの預金で1ドルにつき1円、ネット銀行では約0.1円です。FXは、外貨を買う価格(為替レート)と売る価格(為替レート)に差があり、これが実質の手数料になりますが、1ドルにつき0.01円程度なので、取引に係るコストは非常に小さいのです。
「買い」と「売り」が選択できるのもFXの大きな特徴でしょう。例えば、「米ドルが下がる(円高)」と予測する場面では、米ドルを売ることができるのです。
これは、外貨預金ではできません。
株式投資とは何が違うの?
株式市場、平日の9時から15時まで開いており、取引する時間もこの時間になります。FXは、平日は24時間営業なので、日中は忙しいサラリーマン、OL、専業主婦、学生も参加できます。自分のライフスタイルに合わせて取引できるのは大きいですね。
投資先や値動きも異なります。株式投資は、企業が対象です。値動きは企業ごとに異なりますが、ベンチャー企業などの小さな企業が急成長し、株価が数倍、数十倍になることもあります。一方、FXは国(通貨)が対象となり、値動きについては、昨今の為替変動を見ると、株価よりも激しいです。
また、取引できる最低金額も異なります。株式投資では、数万円程度の少額で購入出来る銘柄もありますが、大企業や人気企業の株となると数十万円以上必要です。FXでは、1万円程度の少額からでも始めることができます。なので、投資を始めたいけど、投資資金が少なくて諦めていた方も参加できるということです。
FXは投資初心者がはじめるにはリスクが高いので手を出してはいけないと著名な方を含め主張する人が多いです。外貨預金や株式投資と比べて価格変動が大きいので、元本割れのリスクは大きいのは確か。でもFX投資に係るリスクは自分でコントロールできるもの。リスクを正しく理解し、事前に対策しておけば良いのです。世の中の情報に惑わされず、知識は習得し、あとは実践あるのみです。
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頼藤 太希 マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
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