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24/02/28

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学校では教えてくれない「お金の仕組み」~『きみのお金は誰のため』

学校では教えてくれない「お金の仕組み」~『きみのお金は誰のため』

ごく普通の中2の少年が、投資銀行勤務のバリキャリ女性と一緒に、大富豪の老人からお金と社会のしくみについての講義を受ける……。今回ご紹介するのは、小説仕立てでお金の本質や社会の仕組みについて教えてくれる一冊。私たちも彼らと一緒に「お金自体には価値がない」「お金で解決できる問題はない」「みんなでお金を貯めても意味がない」というお金の正体について、驚いたり疑ったりしながら読み進んでいけるようになっています。
著者の田内学氏は元ゴールドマン・サックス証券の金利トレーダー。同書は「Amazonベストセラー」総合1位、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2024」総合グランプリ第1位に選ばれています。

お金自体に価値はない?

あなたは「お金自体に価値はない」と思いますか?「いやいや、そんなはずはない。お金は人が生きていくために大切な価値あるものだ」という人は多いでしょう。

それでは無人島にお金を持っていったらどうでしょうか。いくら万札を積んでも食べ物に交換してくれる人がいないと使いようがなく、何の役にも立たないただの紙切れになってしまいます。本当に価値があるのはお金ではなく、お金を通してモノやサービスを届けてくれる生産者たち。お金は人に働いてもらうためのチケットにすぎません。

現在では、お金がなによりも大事だという風潮が強くなっていますが、それは間違った認識です。大切なのはその向こうにいる人の働きです。お金至上主義に陥らないように気をつけましょう。

お金で解決できる問題はない?

よく「割り切ってお金で解決している」「最終的にお金で解決した」などと聞きますが、本書では、どんな問題もお金で解決することはできないといいます。

それは、問題を解決するのはお金ではなく、働いてくれる人だから。例えばカフェでお金を払ってコーヒーを注文するとき、渡したお金がその場でコーヒーに形を変わるわけではありません。カフェの人がお金を受け取ってコーヒーを作ってくれるのです。カフェの人は、コーヒーを入れるために生産者や運送会社にお金を払って豆を仕入れています。

自分の力では、私たちはゼロから美味しいコーヒーを入れることはできず、カフェの人もコーヒー豆を作ることはできません。お金を受け取って代わりに働いてくれる人がいるから、自分たちではどうにもできない問題を解決することができるのです。

みんなでお金を貯めても意味がない?

リタイヤ後の生活に備えて貯金している方は多いでしょう。ですが本書では、みんなでお金を貯めても将来の備えにはならないといいます。

少子化が進むことで働く人が減り、生産力が下がる未来では、モノの値段が高騰してみんなの生活が苦しくなることが予想されます。もちろん貯金することに意味はありますが、お金を増やすこと自体を目的にすると、モノ不足の中での個人個人のモノの奪い合いになってしまいかねません。それよりも生産ルートを増やしたり、一人あたりの生産性を上げるようにしたりすることで、みんなが欲しいモノを手に入れることができ、社会の問題解決に繋がります。

一人の力は小さくても、人はお互いに支えあって生きているという社会全体の視点をみんなが持つことで、より良い社会を作ることができるのです。

お金を稼ぐために働くのではない

「何のために働くのか?」と聞かれたら「生きるためのお金を稼ぐため」と答え、「誰のために働くのか?」の問いには「自分や家族のため」と答える人は多いでしょう。

ただ、本来の働く意味は「誰かの役に立つために働く」ことです。働いて人のためになり、みんなで豊かになることで私たちの社会は成り立っていますが、今や人はその仕組みを忘れて、誰もが自分の貯金額ばかりを気にするようになっています。

自分が働くことが人の役に立ち、その対価としてお金をもらえます。GAFAMのトップが大金持ちなのは、世界中の人の生活を便利にしたからです。そうした本当の働く意味を知らないまま、お金を稼ぐためだけに働いていると、お金の奴隷になってしまいます。「働く=稼ぐ」ではなく「働く=人の役に立つ」と捉えましょう。

お金がどういったものなのか。お金は何のためにあるのか、誰のためになるのかというお金の本質を学べて、人生の過ごし方や社会との関わり方について考えさせられる内容の本です。国の借金、老後の年金や貯蓄問題、経済格差、輸出入の話などの未解決問題にも言及しています。

物語形式なので読みやすく、哲学的でもあります。登場人物が最終的に思い至る「お金の目的は幸せを買うことではなく、幸せを創ること」「お金は人々の幸せをつなぐもの」だという考えは、とても印象的。お金の価値を広い視野で捉えることができ、学生の頃に読んでおきたかったなあと思いますが、大人の方でも十分読み甲斐があります。気づきとともに温かくやさしい気持ちになれ、読み終えたあとで、前向きな気持ちで仕事を頑張ろうと思える一冊です。


きみのお金は誰のため

きみのお金は誰のため(東洋経済新報社)

小野寺 理香 おのでら りか

読書ブロガー。好きなジャンルは文学、歴史、アート。ふとしたきっかけで出会い、好きになったら長くつきあう……本との巡り合いは人と同じ。時に味わう〝がっかり〟も、読書のおもしろさのひとつです。ここでは、よりすぐりのすてきな本をお届けします。
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