24/01/08
お金持ちと貧乏「車の使い方」の違い5選
お金持ちといえば、「高級車を乗り回している」「外車を何台も持っている」といったイメージがあるかもしれません。しかしお金持ちの多くは、必ずしも車にこだわってはいないようです。そこには、いくつかの理由があるようです。今回は、お金持ちと貧乏な人の車の使い方を通じて、お金持ちの車への考え方を紐解きます。
お金持ちと貧乏の車の使い方の違い1:お金持ちはそもそも車を持たない
お金持ちには倹約家が多く、そもそも車を持っていない人も珍しくありません。なぜなら、車を維持するには何かとお金がかかるからです。
車の維持費には、
・税金(自動車税・自動車重量税など)
・保険料(自賠責保険料・任意保険料など)
・メンテナンス費用(車検費用・修理代など)
・走るための費用(ガソリン代・駐車場代・高速料金など)
などがかかります。車をローンで購入し、さらに車検や自動車税の支払いが重なると、月に20万円以上の出費になるケースもあります。
お金持ちは、このような車の維持費用をムダだと考えるため、あえて購入しません。必要なときはカーシェアリングやカーリースを利用し、車にかかる費用を節約します。
もちろん、住んでいる地域によっては車が必要なケースもあるでしょう。お金持ちも、車が必要な地域ではマイカーを購入しますが、高級車を選ばないお金持ちも少なくありません。
世界の大富豪にも、同じ傾向がみられます。たとえば資産7兆円の投資家、ウォーレン・バフェット氏の愛車はスバル社の「アウトバック」(約300万円)だと報じられたことがありました。これは誤報で、正しくは2014年のGM製「キャデラックXTS」(およそ500万円〜)のようですが、いずれにしても「バフェットほどの大富豪が乗るには安価な車」という点で話題になりました。
一方、貧乏な人は「車を持つことがステイタス」と考え、ローンで購入する人もいます。しかし金融機関のマイカーローンは1〜4%、ディーラーローンは3〜9%程度の金利がかかるため大きな負担となります。また、ローンで車を買っても、維持費や税金がかかるため、貯蓄できない状態が続くでしょう。
お金持ちと貧乏の車の使い方の違い2:お金持ちは中古車を買う
お金持ちの車といえば、新車のイメージがあります。しかし実際には、中古車を購入するお金持ちが少なくありません。車は移動手段でしかないと考えるお金持ちも多く、中古車で十分だと考えています。彼らにとって、新車や高級車の購入で多額の出費をすることは浪費になります。中古車を購入して浮いた分の費用は投資に回し、複利でさらにお金を生み出そうというのがお金持ちの考え方です。
一方、所得が少ないにもかかわらず見栄を張り、新車や高級車を欲しがる人もいます。もちろん、純粋に車好きな人もいますが、ほかの人よりも良い車に乗り優越感を感じたいからと無理して車を買う人もいるようです。しかし、そうした見栄が家計を圧迫するため、お金はいつまでも貯まりません。
お金持ちほど他人からの評判を気にせず、自分の資産をいかに増やすかを第一に考えます。そのため車を購入するときも、新車や高級車にはこだわらないのです。
お金持ちと貧乏の車の使い方の違い3:お金持ちは車のリセールバリューを考える
お金持ちが車を購入する際に気にするのは、車を再販売するときの価格である「リセールバリュー」の高さです。車の価値は購入したときがもっとも高く、その後は下がっていくのが一般的です。しかし、価値が下がりにくい車や、逆に価値が上がる車もあります。
お金持ちが車を購入するときは、リセールバリューの高い、資産価値が高くなる車種を見極めます。たとえば、人気のボディタイプの車、人気の色の車、納車待ちがあるほどの車種などが該当します。また、高級車を買うにしても売却価格が高い車種を選ぶため、長期的に見れば損をしていません。
一方、所得が低い人の場合は、資産価値が上がるような高級車は買えません。年数が経過するごとに価値が下がる大衆車を選ぶため、売却時も高くは売れないでしょう。
お金持ちと貧乏の車の使い方の違い4:お金持ちはタクシーを使う
富裕層の人はお金をケチらずに、ここぞという場面でタクシーを使います。自分の時間価値(時給)をわかっており、時間をムダにしたくないためです。お金持ちは、タクシー代を節約して電車や徒歩を選び、時間をロスするほうがもったいないと考えます。生産性が高い時間の使い方を追求し、自分で運転せずにタクシーを使うケースもあります。
一方、お金がない人にとってタクシー代は高額であるため、ほとんど使うことはありません。タクシー代を払うことで得られる時間の価値を考えず、節約を優先します。時間をお金に換算するのは、お金持ちならではの考え方でしょう。
お金持ちと貧乏の車の使い方の違い5:お金持ちは健康を意識して歩く
「お金持ちは常に車で移動するため、歩く機会が少なそう」と思うかもしれませんが、そうではないようです。少し古いデータですが、厚生労働省が2018年に調査した「国民健康・栄養調査」によると、男女ともに世帯収入が200万円未満と600万円以上の場合では、毎日の歩数に差があることがわかりました。
<世帯の収入と男女別歩数の平均値>
厚生労働省「国民健康・栄養調査」より筆者作成
200万円未満と600万円以上では、歩数に約1700歩(男性)・約700歩(女性)の差があります。お金持ちのほうが歩いていることがわかります。
また、同報告書によると、「運動習慣のない者の割合」も200万円未満(男性66.4%・女性70.9%)、600万円以上(男性61.7%・女性63.1%)と、わずかながら600万円以上のほうが運動をしている人の割合が多くなっています。さらに、「健診の未受診者の割合」になると、200万円未満(男性40.7%・女性41.1%)、600万円以上(男性16.7%・女性26.1%)と、明らかに600万円以上のほうが多くなります。
お金持ちだからといって、いつも車を使うわけではありません。お金持ちは健康を維持するために歩いたり運動したりしている、というわけです。
お金持ちは車にこだわらない
お金持ちと貧乏な人の車に対する考え方を比較して解説しました。お金持ちほど車にこだわらず、時間や健康を考慮した車の使い方をしていることがわかります。
上でも紹介しましたが、車は何かと費用がかかります。必要なときのみカーシェアリングを利用する、購入する際には中古車を選ぶ、近場ならば車を使わないなど、お金持ちの車の使い方をぜひ参考にしてみてくださいね。
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原田 文香 ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
公務員や会社員を経て、2021年よりライターとして活動。金融関連の記事執筆を担当した際に、豊かに生きるためには『正しいお金の知識が必要である』と強く実感する。正しいお金の知識を、世のなかに広く伝えたいと思い、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。多くの方が安心して豊かに生きられるように、生活に密着したお金の知識をわかりやすく伝えます。
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