20/04/17
決して「預金」という名に騙されてはいけない 5つの地雷預金
銀行預金は安全で、損になることはないと思い込んでいませんか。
実は、銀行預金にも決して手を出してはいけない地雷商品があります。銀行預金だからと言って油断は禁物。今回は、預けるだけで損してしまう可能性大の預金を5つ解説します。
地雷商品1:外貨預金
外貨預金とは、日本円ではなくドルやユーロなど外国通貨でする預金のこと。円の預金は低金利続きで、定期預金でも大手都市銀行では0.01%が続いていますが、外貨預金は金利が高く魅力的に感じる人も多いかもしれません。米ドルの定期預金で0.5%前後など、日本円では近年お目にかかれない金利です。
また、円安になれば為替差益でさらに利益が増える可能性もあります。
しかし、外貨預金には為替手数料がかかります。
米ドルで預金をすることにしても、入金するのは日本円です。その日本円を米ドルにする預入時と、米ドルから日本円する引出時に、それぞれ1通貨あたり〇円、と金融機関ごとに定められています。
たとえば1米ドル=100円、為替手数料が1円だとすると、1000米ドル=10万円を預けるだけで1000円の手数料、引き出す時にも1000円の手数料がかかるという仕組みです。
預けて引き出すだけで手数料がかかる外貨預金は、地雷商品と言えるでしょう。
地雷商品2:仕組み預金
続けて気を付けたいのが仕組み預金。これは、一般の預金よりも高金利が期待できますが、商品内容に応じて銀行が満期日を選択する権利を持っていたり、為替相場によって払戻時の通貨等が決まったりする預金のことです。
つまり、銀行の都合で運用させる代わりに、金利は一般の定期預金よりも高い、という商品です。
余裕資金があれば利用してもいいように思いますが、急にお金が必要になることもあるでしょう。そんな時、仕組み預金は満期日にならないうちに解約するとペナルティとして違約金がかかります。
定期預金であれば途中解約の場合の低い金利で計算されますが、仕組み預金は違約金の金額によっては元本割れをしてしまうことにもなりかねません。
自分の都合で運用できない仕組み預金もまた、地雷商品です。
地雷商品3:投資信託とセットの定期預金
さて、銀行ではあの手この手でお金を集めようとしているようですが、投資信託と定期預金をセットで申し込むと、定期預金金利が高くなるプランがあります。
たとえば、100万円のうち、50万円を投資信託、50万円を定期預金にします。すると、定期預金の金利が5%など、大変な高金利なのです。これだけあれば、元本保証ではない投資信託を組み合わせても大丈夫だと思うかもしれませんが、たいていの場合は勘違いです。
セットになっている投資信託は、購入する時にかかる購入手数料が3%、預けている間にかかる信託報酬が2%、などとなっていることが多く、定期預金の金利分はチャラどころかマイナスになってしまうことも。
投資信託で大きな利益が出ればいいのですが、先行き不透明なご時世です。投資信託を購入するなら、定期預金とセットのものではなく、購入手数料が無料(ノー・ロード)の商品を選ぶといいでしょう。
地雷商品4:退職金運用プランの預金
投資信託と定期預金がセットになっている商品は、特に退職金運用プランと名付けている金融機関もあります。
退職金でまとまったお金を持っている人をターゲットにし、運用で資金を増やしたいが元本割れも怖い、と思っている人にとってはそれぞれの「いいとこどり」をしているように見えるかもしれません。しかし、決してそうではないことは先ほど述べたとおりです。
さらに、外貨預金や外貨建て保険などを組み合わせて、退職金プランとしている商品もあります。これらは、「退職金=老後資金」だから特別に優遇した金利にしている商品ではなく、金融機関側から見た、「退職金=多額の資金」だからうちに預けてください、というものなのです。
金融商品は、自分のライフプラン、マネープランに合わせて選ぶことが大切です。資金が必要になるまでの期間と、目標とする金額によって、ベストな金融商品を選択し、組み合わせることで自分専用の資産運用ができます。
地雷商品5:手数料が高い預金
では、どのような金融商品がいいのでしょうか。預金には普通預金、定期預金などがあり、金融機関も数多く、どこから考えたらいいのかわからなくなってしまいますね。
そんな時は、まずは手数料に注目してみましょう。
ATMの入出金や振込手数料は、1回ずつは少額でも低金利であることを考えると決してなおざりにはできません。無料になる回数や条件を確認すると、要するに「よく使う金融機関なら無料になる回数が多い」ことが分かります。
しかし条件に合わないと、出金や少額の入金の際に手数料がかかってしまいます。また、口座を持っているだけでかかる、口座管理手数料が必要になることもあります。
お金は使ってこそ、その価値を活かすことができます。
使いたいとき、高い手数料がかかる預金は地雷商品です。
まとめ
大切なお金の預け先は、しっかり選びたいですね。金融機関のネームバリューや営業マンの熱心さも念頭に置きつつも、最後は自分のマネープランに合った商品を、自分の目で選びましょう。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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