23/11/04
お金持ちになる方法を親子で考える~「11歳から親子で考えるお金の教科書」
子どもが数字に興味を持つと、身近なお金のことをあれこれ知りたがります。それがきっかけでマネーリテラシーが身に付けば親として安心ですが、ずばりお給料の額を聞かれて返事に困った人もいるでしょう。答えづらい子どもからの「なぜ?」にお金のプロはどう答えるのか、知りたいですね。
今回ご紹介するのは、ファイナンシャルプランナー夫妻が小5の息子と親子の会話の中でお金の疑問に答えていく本。「食べ放題のお店はなぜ潰れないの?」「どうしてコンビニはスーパーより高いの?」といった子どもらしい質問から、投資や経済の仕組みに至るまで、トピックは多岐に渡ります。対話形式でイラストや図解も多いため、難しそうなテーマでも読みやすく、親子でお金についての理解を深められます。
「ユーチューバーは儲かるの?」と聞かれたら?
子どもたちに人気の職業は時代とともに変わり、最近ではユーチューバーが憧れの仕事になっています。子どもたちが気になるのは、彼らがいくら稼ぐのかということで、人気ユーチューバーの年収は1億円以上にもなりますが、将来自分がなりたいのなら、ユーチューバーはどうやって稼ぐのか、その仕事内容について知ることが大事です。
華やかで楽しそうな動画を次々にアップする彼らですが、裏では視聴者の目を引くためのアイデアを出したりコツコツ地道に編集したりと、創意工夫が求められる職業です。また、大勢の登録者数がいないと収益を得られず、1回の動画再生で得られる広告収入は0.1円ほどのため、動画配信で生活できる人はほんの少数しかいません。動画で見るユーチューバーはいつも楽しそうですが、実際には苦労が多い仕事だと知ることは、職業や業務について子どもが考えるきっかけになるでしょう。
「パパやママのお給料はいくら?」と聞かれたら?
子どもは親の仕事を知りたがって、いろいろな質問をしてきます。興味を持ってもらうのは親として嬉しいことですが、突然「パパのお給料はいくらなの?」と聞かれてあせったことはありませんか。「パパとママのどっちが稼いでるの?」と聞かれてドキッとしたお母さんもいるでしょう。たとえ妻の所得の方が高くても「ママはパパよりお給料が多いのよ」と話すと、子どもは「パパはママよりも立場が下」と思ってしまうため、注意が必要です。自分は裕福だと知ると、人を見下したり無駄遣いしたりするようになるかもしれません。
お金のとらえ方は、生涯を通じてその子の人間性に関わっていきます。慎重に見守って、収入で仕事や人間の価値が決まるわけではないということを親はしっかり教えましょう。
子供に一家の収入を聞かれても、具体的に答える必要はありません。日本人の一般的な平均年収も子どもにとって気になる情報です。親の仕事を教えられるいい機会ですし、子どもが知りたい仕事の内容や年収を一緒に調べることで、自分の職業選択に関する知識が深まるでしょう。
「お金持ちになるにはどうしたらいいの?」と聞かれたら?
憧れの職業や親の仕事について知った子どもは、自分は将来どんな仕事につきたいかを考えます。お金持ちになりたいのは子どもだって同じ。生きる上でさまざまな出費が必要なことは人生ゲームなどで学んでいるため、お金がいくらあったら一生遊んで暮らせるかを知りたがります。
人が一生に使うお金はおおまかに計算して2億5千万円くらいだそう。子どもでも働かずに生きていくのは難しいとわかるでしょう。
それでもお金持ちになれないわけではありません。実際の富裕層はたくさん稼いで派手にお金を使う、よくあるイメージとは程遠く、節約して地道に生活している人がほとんどです。ムダな支出を減らしてコツコツ貯蓄することがお金持ちになるために大切だと知ると、子どもはおこづかいやお年玉を大切に使うようになるかもしれません。おこづかい帳をつけるようになったらしめたもの。子ども名義の銀行口座も貯蓄の習慣をつけるのに効果的です。
お金持ちになるコツは、上手に稼ぐ・上手に使う・上手に貯めるの3つ。これを子供のころから始めていたら、将来お金持ちになるのもきっと夢ではないでしょう。今からでも遅くはありません、私たちも子どもと一緒にお金持ちになる方法をさっそく実践していきましょう。
11歳から親子で考えるお金の教科書
11歳から親子で考えるお金の教科書(日経BP)
【読書ブロガー小野寺理香のブックレビュー】記事
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小野寺 理香 おのでら りか
読書ブロガー。好きなジャンルは文学、歴史、アート。ふとしたきっかけで出会い、好きになったら長くつきあう……本との巡り合いは人と同じ。時に味わう〝がっかり〟も、読書のおもしろさのひとつです。ここでは、よりすぐりのすてきな本をお届けします。
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