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22/02/23

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1億円貯めなくても早期リタイアはできる!『はじめてのFIRE』

1億円貯めなくても早期リタイアはできる!『はじめてのFIRE』

最近FIREという言葉を目にする機会が増えましたが、何のことかわからない人も多いでしょう。FIREとは「経済的自立(Financial Independence)」と「早期リタイア(Retire Early)」の頭文字をとったアメリカ発の新しい生き方です。
FIREの生き方にあこがれる人におすすめなのが、今回紹介する「はじめてのFIRE」。Money&You代表のマネーコンサルタント、頼藤太希さんとファイナンシャルプランナーの高山一恵さんの共著本です。

日本でおすすめのFIREは「サイドFIRE」

FIREでは、資産運用から得られる収入で生活することを目指します。そこで、多くのFIRE実践本では、収入の5割〜8割といった、大部分を投資に回すことを説きます。

しかし、そのためには激しい節約が必要。今の生活を犠牲にすることになってしまいますし、再現性も高くありません。投資で安定した運用ができることが前提になりますし、FIRE実現後も節約生活が続きます。また、FIREには「早期退職すると年金が減る」「子どもがいると厳しい」などの問題もあります。

これらを踏まえると、完全に仕事を辞める「フルFIRE」は日本に適していないとするのがこの本の立場。無理のない範囲で働きながら投資の運用収入を得る「サイドFIRE」が日本ではおすすめ、と紹介しています。サイドFIREであれば、資産運用だけに頼る必要はなくなりますし、収入を気にせず好きな仕事を選ぶこともできます。

サイドFIRE実現に向けて、具体的にはどうするの?

サイドFIREは再現性の高い方法ですが、考えているだけでは夢のままで終わってしまいます。実現させるためにはしっかりしたプランを立てる事が大切です。

退職後のFIRE生活には「1億円が必要」などとメディアではいわれますが、実際には1年間に必要な支出額の25倍の資産があれば始められるそうです。年間支出額が300万円の場合、7500万円の貯蓄があれば可能。ほどほどに働きながら投資をするサイドFIREの場合はもっと少なくても実現できます。ただし、投資の暴落が起きた場合、回復するまでに1~3年ほどかかるといわれており、そこをいかに乗り切るかを考えておかなくてはなりません。サイドFIREであれば働いているので、暴落している間は働く時間を増やして勤労収入で乗り切ることもできるでしょう。

投資資金を増やすためには、収入を増やすより、支出を減らす方が始めやすいですね。普段浪費している人は、日々の生活費の見直しで出費が抑えられるでしょう。しかし堅実な暮らしをしている人は、生活に負担をかけてしまいがち。節約の度が過ぎると生きる楽しみが失われてしまうため、今を犠牲にしてはいけません。家計をいくらまで削れるかのラインを引き、我慢のない節約を心がけて、気持ちの上で豊かな生活を死守しましょう。

また、肝心の投資についても、この本では金融機関の選び方に始まり、インデックス投資やつみたてNISA、iDeCoのほか、投資信託、ETF、米国株などが紹介され、おすすめの個別銘柄が挙げられています。老後の収益としての不動産投資にも言及しています。

自分の資産を把握した上で毎月の資産運用を考えると、何歳でFIREできるのかが見えてきます。子どもがいる家庭では、FIRE生活はとうてい無理だと思いがちですが、今後必要になる養育費や教育資金を計算すれば、子育てしながらのセミリタイアは不可能ではありません。家族間でもお金についての意識を共有することが大切で、教育費やマイホーム購入といった大きな出費の優先順位をつけると、レジャー費や買い物などを節約し合えます。

家は一軒家か賃貸か、子どもの学校は公立か私立かなど、話し合うべき案件はたくさんあり、家族でお金の使い道を決めることでFIRE実現に近づきます。多少意見が違っても、お互いに理解があるのとないのでは大違いです。

豊かな人生について考えよう

FIREを始める前に、自分の人生に本当によいことなのかを考えてみましょう。
今の仕事がつらいから早期リタイアしたいという人も多いでしょう。ただそれはその場しのぎの現実逃避でしかありません。FIREは経済的自立を確立して、人生の選択肢の幅を広げるという、可能性を増やす生き方です。現実から逃げるのではなく、よりよい明日を目指して前向きに取り組みましょう。

サイドFIRE後にどのように生きたいのかは人それぞれです。趣味三昧の日々を送る、ボランティアで福祉的に生きる、新たな資格に挑戦する、海外に移住してゆったり暮らすといったさまざまな選択肢がある中で、人生を豊かにする自分に合った生き方を選びましょう。

65歳を過ぎたあたりから、今度は貯め続けてきた資産の取り崩し方を意識することになります。死ぬまでに貯蓄を使い切ることにするのか、平均寿命の84歳までにするのかを考えてお金の使い方をプランニングするのがいいでしょう。

私は老後のお金について(年金生活者になってからでないとわからないから)と考えてきませんでしたが、この本の「死んだときに残った資産は、そのお金で得られたはずの体験・対価を得られなかったということ」という一文を読んでハッとしました。最後まで悔いなく生きるためにも、自分の資産の使い方を考えておくことは大事ですね。

満足のいく幸せな一生を送るために、お金や仕事と向き合うのは大切なこと。この本にはサイドFIREの実現に向けてのいろいろなパターンや、人の属性や環境に応じたプランなどが提案されています。全ページカラーで図や漫画も多く、投資の知識が少ない人にとってもわかりやすい一冊。今後の人生を過ごす上で大きなヒントになってくれるでしょう。

小野寺 理香 おのでら りか

読書ブロガー。好きなジャンルは文学、歴史、アート。ふとしたきっかけで出会い、好きになったら長くつきあう……本との巡り合いは人と同じ。時に味わう〝がっかり〟も、読書のおもしろさのひとつです。ここでは、よりすぐりのすてきな本をお届けします。
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