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21/11/25

トレンド

経済の要はお金ではなく人~『お金のむこうに人がいる』

社会には、税金や年金といった経済に関する問題がいろいろありますね。自分たちの生活に大きな影響を及ぼすことなのでしっかりと考えたくても、専門用語や複雑な計算式が出るとそこであきらめていたりしませんか?
今回ご紹介する『お金のむこうに人がいる』を読むと、苦手意識を持たずに経済のことを考えられるようになります。著者は元ゴールドマンサックスの金利トレーダー。経済の本質を見抜くコツは「誰が働いて、誰が幸せになるのか」を考えることだそうです。
いったい、どういうことでしょうか?

すべてのモノは労働によって作られる

突然ですが、質問です。今の時代に古代エジプト時代と同じ規模、同じ工法でピラミッドを作るには約4兆円必要だそうですが、ピラミッド建設当時はいくらかかったと思いますか?
答えはなんと “0円”。古代エジプト王朝にお金は存在しませんでした。王はファラオとしての莫大な権力で、大勢のエジプト人に労働力を提供させたのです。
また、現在4兆円のお金があったとしても、それだけではピラミッドは建てられません。本当に必要なのは、その予算で動いてくれる労働力です。

現代の私達は、缶コーヒーが飲みたくなったら、スーパーやコンビニ、自動販売機などで買います。お金と引き換えに得た缶コーヒーは、製造工場で働く人、店舗に運搬する人、店の棚に並べて売る人などが働いた結果として、お店に並べられています。私達がお金で買うモノは、人の労働で作られているのです。経済というとお金のことばかり考えがちですが、実は「誰が働いているか」を考えることが大切だということになります。

価格と価値は同じではありません

またもや質問です。1本1000円のワインと1本10万円のワインとでは、どちらが美味しいでしょうか?
当然、10万円の方が美味しいに決まっているでしょうか。いいえ、そうとは限りません。正解は“人による”です。
ほとんどの人が10万円のワインの方が美味しいと感じるかもしれませんが、中には1000円の方がおいしく感じる人もいます。モノの価値は人によって異なり、目に見える形で表せません。売買をするためにとりあえず価格という値が設定されています。

モノの価値を決めるのは価格ではなく自分ですが、人は価格と価値を同一視して、価格が高いモノほど価値も上だと錯覚しがち。しかしたとえ値段が安くても10万円のワインよりも1000円のワインの方が自分を幸せにしてくれるのであれば、その人にとってそちらが価値ある一本になります。モノには価格がつけられますが、そのモノでどれだけ幸せになったかの価値は人それぞれ違うのです。経済を考えるときは、単にモノの値段を考えるのではなく、モノの価値で誰かが幸せになっていると考えることも必要です。

経済の要はお金ではなく人

誰かが仕事として作ったモノや提供したサービスによって、お金を介して別の誰かが幸せになっています。経済イコールお金の流れではなく、正確にはお金の向こうに働く人がおり、その人の労働でつくられたモノでほかの人が満足し幸せになる流れが経済だということ。そのため経済としてはモノの値段ではなく、「誰が働いて、誰が幸せになるのか」を考える必要があるというわけです。

経済というと、つい自分のお給料や貯金のことが気になりますが、経済で動く社会は、財布の外に広がっています。自分がモノを得て幸せになるのは、お金の向こうで誰かが働いているから。経済を考えるときには、財布の中のお金ではなく、「誰が働いて、誰が幸せになるのか」と考えることが大切です。
皆が働くことで皆が幸せになるこそが本来の経済の目的。お金ではなく人を中心にして経済を考えると、日本が莫大な借金をしていても潰れない仕組みや年金問題の構造もわかってきます。

目からウロコの考え方ですね。「誰が働いて、誰が幸せになるのか」という見方をすると、難解な専門用語や計算式を知らない人でもすんなり経済問題に向き合えます。数学や経済が苦手な人にもわかりやすくまとめられた本ですから、最後まで読み通した時には、きっと経済への興味が高まることでしょう。

小野寺 理香 おのでら りか

読書ブロガー。好きなジャンルは文学、歴史、アート。ふとしたきっかけで出会い、好きになったら長くつきあう……本との巡り合いは人と同じ。時に味わう〝がっかり〟も、読書のおもしろさのひとつです。ここでは、よりすぐりのすてきな本をお届けします。
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