21/08/22
上手に話すにはたくさん聞くこと~『人は話し方が9割』
ビジネスを進める上で、コミュニケーションスキルの重要性を感じる機会は多いものですが、日常生活の中でもちょっとした会話なのにうまく話せなかったりすることはありませんか?
なにげない一言がきっかけで、相手を怒らせたりガッカリさせたりしてしまい「なぜあんなことを言ってしまったんだろう」「なぜああ言えなかったんだろう」と後悔したことは誰にでもあるでしょう。今回ご紹介する『人は話し方が9割』には、話し方のスキルを上げて身近な人とよいコミュニケーションをとる方法が紹介されています。
こんな話し方が嫌われる
人とのコミュニケーションで最も大切なのは、好かれることよりも嫌われないこと。いったん悪い印象を持たれると、そのイメージを改善するのはかなり骨が折れる作業になります。
まず注意すべきなのは、「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」の4Dワードをなるべく使わないこと。これらの言葉のあとに続く否定的な話でその場の空気は重苦しくなり、聞く人のエネルギーが奪われます。この4Dワードを連発すると、ネガティブな人だと思われて周りに敬遠されてしまうため、言葉の選び方には気をつけましょう。
また、相手が話しているときには、話題を横取りしないようにしましょう。たとえそれが共感したからだとしても、話を中断されたことで相手に不快な思いを与えてしまいかねません。さらに、親しみを込めて気軽な一言をかけたつもりでも、相手にぶしつけだと思われると、思いやりのない失礼な人だという嫌な感情を持たれてしまいます。
ほんの些細なことから自分の印象は下がってしまうもの。相手の感情に寄り添った嫌われない話し方を心がけましょう。
好かれる話し方ってどんなもの?
聞きやすい、よどみなくすらすらとした話し方が、必ずしも人に好かれるとは限りません。
ビジネス上でのやり取りでは上手な話術がものをいいますが、日常会話では自分の気持ちの方が重要です。形式的な技術と感情はまったく別のもののため、高いトークスキルを身につけてそつのない話し方ができたとしても、言葉に心が伴わない限りは相手に思いが伝わらず、好感度にはつながりません。とつとつとした話し方でも「何を伝えたいか」「どんな気持ちで相手に接しているか」を適切な言葉で伝えられる人が、相手の心をつかむ話し上手だといえます。
さらに、話題の選び方によってその場の空気はずいぶん変わります。前向きなプラストークや感動的な話をすると和やかな雰囲気になり、明るい気持ちになることで人は相手に良い印象を持ちやすくなります。
人は誰でも認められたい
上手な話し方をするために一番大切なことは、実は話すことではなく、人の話を聞くこと。「この人はどんな人なんだろう?」と相手に関心を持つことが、聞き上手への近道です。
うなずきながら笑顔で話を聞いてくれる人には好感度が上がります。自分の気持ちが相手に伝わったこと、それを笑って受け入れてもらえたことで、理解してもらえた喜びは倍になるのです。
また、自分ではなく相手の話したいことを話題にする人が好かれます。コミュニケーションの原則として「人間は自分自身に一番興味がある生き物で、自分を理解し認めてくれる人を好きになるもの」だということを覚えておきましょう。このセオリーを分かっていないと、どれほど話術に長けていてもなかなか人の心をつかめず、好印象も持たれません。
必要なのは、テクニックよりも自分の心。話し方教室などに通わなくても、相手への興味と尊敬を持って話に耳を傾けることが、人に好かれる話し方への近道だということですね。これは「大切なことを自分の気持ちにのせて上手に話せるようになりたい」「会話を通して友好な人間関係を築きたい」と願う人にぴったりの一冊です。
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小野寺 理香 おのでら りか
読書ブロガー。好きなジャンルは文学、歴史、アート。ふとしたきっかけで出会い、好きになったら長くつきあう……本との巡り合いは人と同じ。時に味わう〝がっかり〟も、読書のおもしろさのひとつです。ここでは、よりすぐりのすてきな本をお届けします。
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