脳科学を元にした絶対好かれてしまう裏技公開『脳のバグらせ方』

好きな人に自分を好きになってもらうためにはどうすればいいのか、誰だって気になりますね。恋愛術の本は数えきれないほど出ていますが、実践してもうまくいかないことも多く、物足りなさを感じたことはありませんか?
今回ご紹介する本の著者、世良サトシさんは心理学や脳科学等の知見を元にした人気の脳ハック系YouTuber・TikToker。脳の機能に焦点を当てた効果的な手法が紹介されており、恋愛に限らず、広い人付き合いやビジネスにも応用がきく内容になっています。

心のデータは不確実

まず著者は、催眠術の本からコールドリーディングを知りました。コールドリーディングとは外見や会話から得た情報を駆使して、相手に「この人は私のことをなんでも知っている」と信じさせる話術です。興味を持った著者はさっそくにわか占い師となって実践してみたのだそう。すごい行動力ですね。その結果、1カ月後には相手に何を話せば信頼されるかがわかり、会話で相手の感情や行動を左右できるようになるまでに至ったそうです。

世にあふれた恋愛術の本は、たいてい心理学をベースにしたものですが、著者は心理学による実験では確率が高くないことを指摘します。例えば吊り橋効果とは、恐怖や不安を共有した異性に恋愛感情を抱きやすくなる心理のことですが、一緒に吊り橋の上に立ってもなんとも思わない人もおり、全員に効果があるわけではありません。移ろいやすい心よりも確実だと著者が注目したのが脳科学でした。

脳がバグると恋の始まり

脳は心のようにぶれることはなく、確実性はほぼ100％です。人はいつも自分の意志で行動していると思っていますが、思考や感情のほとんどは無意識が左右しています。タイトルの「バグる」とはコンピュータが誤作動したり、人が予想外の奇妙な振る舞いをしたりするという意味。脳は外部情報や見聞きしたものを疑似体験すると、バグって記憶や感情を改変する性質があります。つまり、相手に好きだと思われていなくても、ドキドキさせると潜在意識が刺激され、脳がバグって好意の対象になりうるというわけです。

なぜか惹きつけられる人っていますよね。それは、その人がコミュニケーションのコツを知っているからかもしれません。たとえば突然意味不明の言葉を言われると、脳はそれを理解しようとしてストレスがかかりますが、意味がわかるとほっと緊張がゆるみます。人は感情の振り幅が大きいほど好意を抱くもので、相手は無意識のうちにあなたに好意を覚えているわけです。
これはビジネスでも応用できます。講義やスピーチで真面目な内容をプレゼンするだけでは、聴いている人は飽きてしまいますが、話に小さな笑いやボケを入れると、それが刺激となって人は興味深く耳を傾けてくれるものです。

無意識に惹かれる魅力的な人間になろう

相手に良い印象を持ってもらうためには、違和感を出すことが大切です。脳は見慣れないものに違和感をもつ性質があるため、やりすぎない程度に目立つことは個性という魅力になって相手に覚えてもらえやすくなるものです。

そのほか、その場を楽しむこと、笑うこと、相手の態度を見て判断しないこと、身だしなみを整えることなどどれも難しくなく、気持ち一つでできそうなことばかり。話術やしぐさは練習すれば身につけられますが、人は作りこんだ技巧よりも内からにじみ出る魅力に一番心惹かれるものです。まずはお互いに信頼し合えるような魅力的な人間をめざしましょう。

まとめ

この本には、恋愛で使える心理術として数々の方法が紹介されていますが、参考にできるのは恋に悩む人ばかりではありません。ビジネスも恋愛も、人の心をつかむことが大事なのは一緒。脳をバグらせる方法は、仕事面でも応用できるものばかりです。脳科学的にとらえた人間の感情については日常的に役立つことも多く、知っておいて損はないでしょう。人との関係をよりよいものにしたい方にお勧めの一冊です。