22/07/31
ラクして壁を超えて寿命を伸ばす正解がわかる本『80歳の壁』
あなたは親の老後について考えていますか?
また、80歳過ぎた自分はどうなっていると思いますか?
人生100年時代といわれる長寿の時代になりましたが、健康でいられる平均年齢は70代前半まで。年齢を重ねるにつれて老・病・死という人生の負荷が重くのしかかるようになり、80歳を過ぎると寝たきりや要介護の人がぐっと増えます。
だからといって「弱った年寄りは生きていても仕方がない」と考えるのは大きな間違い。今回ご紹介する『80歳の壁』は、高齢者に襲い掛かるさまざまな困難の乗り超え方が紹介され、当事者やその子ども世代から大きな反響を受けている話題の本です。
著者の和田秀樹さんは高齢者専門の精神科医。80歳以上の人を「幸齢者」と呼んで、エールを送っています。
医者や薬に頼りすぎない
80歳を過ぎるとガクンと体が衰えます。つらいことですが、老いは必ずやってくるもの。悲観的にならずに今できることを大切にする方が人生前向きになれます。
健康を目指すあまり、高齢者はつい医療に頼りがちですが、80歳になったら健康診断の結果は気にしなくてよく、受診しなくても構いません。健康診断の結果には人によって個人差があるため、データに左右される必要はないそうです。
血圧や血糖値が高くても、薬を何種類も服用する方が身体に悪影響を及ぼしかねません。それに、80代になったら認知症やガンがあるのが当たり前。大切なのはいかに病気を進行させないかということです。腫瘍切除手術は激しい傷みを伴い、身体に大きな負担を強いるため、あえて切らないという選択もあります。
80歳過ぎたら我慢をしない
80歳を迎えるまでに、数えきれないほどの困難があったことでしょう。つらい経験は全部思い出にして、残りの人生はのびのびと自由に生きましょう。長生きするために我慢して薬を飲んだり食事制限をしたりするのは不幸です。老いた自分ができる範囲で人生を楽しく謳歌しましょう。
いつ寿命が来ても後悔しないように過ごしましょう。食べたいものを食べ、飲みたいものを飲みます。太りすぎを気にする必要もありません。実際、痩せている人よりやや肥満体形の人の方が長生きするものです。
高齢を理由に自分にストップをかけず、新しいことを始める姿勢が大切。我慢を強いられたストレスフルな生活より、好きなことをして気楽に生きる方が、気持ちが安定して免疫力が高まります。脳が刺激を受けて活発化すると、認知症の発症を遅らせることも可能です。
日々を楽しく暮らそうと考えることが大事です。面白そうなことはどんどんやってみましょう。外出先での粗相が心配なら、おむつを味方にすればいいのです。世間の常識に惑わされることなく気軽に生きましょう。
老いを楽しく生きていこう
80歳を過ぎると、老いや衰えは容赦なく迫ってきます。逃げてもしようがないのでハイハイと受けとめましょう。80歳のそのまた先の100年人生を目指すためには、いくつになっても新しいことにチャレンジして生きる楽しみを作ることが肝心です。幸せは楽しみの中にあるのです。
家族も、高齢者についての認識を改める必要があります。つい「ヘルシーなものを食べて!」「タバコやお酒はダメ!」「徘徊したら大変だから外出しないで!」など、ダメダメばかり言ってしまいがちですが、心配心からの禁止は高齢者に我慢を強いることとなり、ひいては寿命を縮めます。
制限をかけられたら誰だって委縮してしまいます。「やりたいことはどんどんやって」「なんでも好きなものを食べて」「タバコやお酒はほどほどならいいよ」と、本人を尊重して見守る姿勢をとりましょう。
「80歳の壁」は手ごわいですが、我慢せずに好きな事をしていると、楽しくなって越えやすくなります。100年人生に向けて、残りの人生を幸せにおおらかに送っていきましょう!
『80歳の壁』
【読書ブロガー小野寺理香のブックレビュー】記事
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小野寺 理香 おのでら りか
読書ブロガー。好きなジャンルは文学、歴史、アート。ふとしたきっかけで出会い、好きになったら長くつきあう……本との巡り合いは人と同じ。時に味わう〝がっかり〟も、読書のおもしろさのひとつです。ここでは、よりすぐりのすてきな本をお届けします。
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