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19/12/25

家計・ライフ

個室しか空いてないので…病院都合の「差額ベッド代」支払わなくてOK!払わなくていい3つの条件とは

自分や家族が病気などで入院したとき、どのくらいお金がかかるのか、とても心配になりますよね。病院で治療を受けたときの自己負担額は、公的医療保険があるため、ほとんどの人がその費用の3割で済みます。しかし、公的医療保険の適用対象外で、入院費用が高額になるケースもあります。その理由のひとつが「差額ベッド代」。退院のときに請求額を見てびっくり!なんてことがないよう、差額ベッド代についてしっかり押さえておきましょう。

保険診療と自由診療はどう違う?

日本の医療保険制度は、「国民皆保険制度」。すべての国民が何らかの公的医療保険に加入しています。そのため、健康保険証を提示することで、治療費の一部を自己負担するだけで治療を受けることができます。また、1か月の医療費の自己負担額が、所得により決められた上限を超えると、「高額療養費制度」により、その超えた分が払い戻されます。

この医療保険の対象は、病気やけがによる障害の改善を目的とし、厚生労働省が承認した治療や薬です。 一方で、医療保険の使えない自由診療(保険外診療)での治療費は、全額自己負担となるため、高額になることがあります。自由診療には、美容整形や歯列矯正、厚生労働省が承認していない抗がん剤を使った治療などがあります。そして、差額ベッド代も自由診療に含まれるのです。

差額ベッド代とは

差額ベッド代とは、入院時に「特別な療養環境」である病室を、より快適な入院環境を求めて患者自身が選択した際に、医療保険が適用される入院料とは別にかかる病室の料金のことです。設備が充実し個室であるなど、入院生活の向上に対するニーズが高まりつつあることから設置された病室ですが、医療保険の適用対象外であるため、費用は患者が全額自己負担することになります。

差額ベッド代がかかる病室は、厚生労働省の通知により、「特別の療養環境室」として次の4つの要件を満たす必要があります。

① 病室の病床数は4床以下であること
② 病室の面積は1人あたり6.4平方メートル以上であること
③ 病室ごとのプライバシーを確保するための設備があること
④ 個人ごとに収納・照明・小机等および椅子の設備があること

医療保険が適用される、通常のいわゆる大部屋に比べて、上記の要件を満たす病室は、確かに快適そうですよね。そこで、気になる「差額ベッド代」の費用ですが、厚生労働省の中央社会保険医療協議会の会議資料によると、以下の金額となっています。

同じ差額ベッド代のかかる病室といっても、1人部屋なのか2人部屋なのかだけでも大きく金額は変わってきます。また、同資料によると、差額ベッド代の最高額は37万8000円、最低額は50円となっています。自由診療費は医療施設ごとに自由に決めることができるため、病院により上の表の金額と比べて大きく変わることもありますので、入院の際にはしっかり確認するようにしましょう。

個室でも差額ベッド代がかからない3つのケース

差額ベッド代の要件や費用について確認してきましたが、いくら快適な環境とはいえ、入院日数によっては、経済的に大きな負担となることもあります。
しかし、患者本人が希望していなくても、さまざまな状況から特別療養環境室に入院となることがあります。そのようなときは差額ベッド代を支払わないといけないのか心配になりますが、厚生労働省の通知では次の場合、病院は患者に差額ベッド代を請求してはならない、という3つのケースを示しています。

① 同意書による同意の確認を行っていない場合
同意書があったとしても、室料の記載がなかったり、患者側の署名がなかったり等の内容が不十分である場合も含みます。

② 患者本人の「治療上の必要」により特別療養環境室へ入院させる場合
次のような状態の患者の治療のため、医師の診断により特別療養環境室に入院した場合、病院は差額ベッド代を患者に請求できないことになっています。
・救急患者、術後患者等であって、病状が重篤なため安静を必要とする者、又は常時監視を要し、適時適切な看護及び介助を必要とする者
・免疫力が低下し、感染症に罹患するおそれのある患者
・集中治療の実施、著しい身体的・精神的苦痛を緩和する必要のある終末期の患者
・後天性免疫不全症候群の病原体に感染している患者(患者が通常の個室よりも特別の設備の整った個室への入室を特に希望した場合を除く。)
・クロイツフェルト・ヤコブ病の患者(患者が通常の個室よりも特別の設備の整った個室への入室を特に希望した場合を除く。)

③ 病棟管理の必要性等から差額ベッド室に入院させた場合
・患者が感染症などのため、医師が他の入院患者への院内感染を防止するために特別療養環境室に入院させた場合
・特別療養環境室以外の病室が空いていなかったため、特別療養環境室に入院させた場合

まとめ

差額ベッド代は公的医療保険の適用対象外ということもあり、入院費が高額になります。とはいえ、患者本人が希望した場合でも、病院側は特別療養環境室の設備や構造・料金等について明確に懇切丁寧に説明をし、患者の同意をしっかり確認した上で入院させる必要があります。ですから、それ以外の場合においては、患者側は差額ベッド代を支払わなくても良いということになります。

急な病気やけがによる入院の場合は、動揺していたため入院時に病院側の説明をしっかり聞ける状況ではなく、求められた同意書に署名してしまったといったこともあるかもしれません。のちのトラブルに発展することを避けるためにも、差額ベッド代をはじめ、入院時はどのような説明や確認事項があるのか、健康なうちから押さえておきましょう。

田中 友加 「自分らしい生き方」を応援!お金のパーソナルトレーナー

自動車販売業に従事した後、税理法人にて経営コンサルティング業へ。その後、IT関連会社を設立、取締役に就任。2016年にFP資格を取得、「FPリファイン」を創業。並行して独立系FP事務所にて、家計改善を中心とした幅広い相談業務を2年間経験。「実現しやすく・分かりやすく」をモットーに、賢い資産形成のサポートを活動中。日商簿記1級。

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