誰もが本気で考えるべき内容～「もしあと1年で人生が終わるとしたら？」

先行き不透明な今の世の中、コロナの影響で行動が限定され、かわりばえのしない毎日に人々はすっかりうんざりしています。
しかし、もしあと1年で自分の人生が終わるとしたらどうでしょうか。期限がつくと途端にのんびりしていられなくなりますね。やり遂げたいことに取り組んだり、大切な人と過ごしたり、今のままにしていては後悔することを急いで始めるはずです。

今回ご紹介する一冊は『もしあと1年で人生が終わるとしたら？』。著者は人生の最期を迎えつつある患者さんに長年向き合ってきたホスピス医師で、死を直前に控えた人々の願いや思いを受け止めてきた経験から、「悔いなく生きるためには、自分にとって本当に大切なものを知ることが大事」だといいます。そのための17個の質問から、いくつかをご紹介します。

質問１「自分の人生に意味があったと思いますか？」

「はい」と胸を張って即答できる人は案外少ないかもしれません。人生の意味や価値はどれだけ人や社会の役に立ったかによるととられがちだからです。どんな人生にも必ず意味はあります。何の役にも立っていないように思えても、知らないところで誰かの支えになっているかもしれません。人はこの世に存在しているだけで価値があるものなのです。

「自分の人生は無意味だった」と答える人は、これまでの人生を振り返ってみましょう。困難を乗り越えたことを思い出すと、生きる意味が見つかるかもしれません。生きる意味から自分の存在意義を知ることで、自信をもって前に進めるようになります。「もしあと1年で人生が終わるとしたら?」と考えると、さらに自分の生き方を意味のあるものにできるでしょう。

質問２「どうしてもやりたいことはありますか?」

もしあと1年で人生が終わるとしたら、限られた時間でなにをしたいかを考えますね。「いつかはやりたいことがある」という人は、あきらめたり先延ばししたりせずに取り組みましょう。やりたい気持ちは抱えているほどに大きくなっていき、やらずにいるといずれ後悔に変わります。

「特にやりたいことはない」という人もいます。自分が満足しているのならそれでも構いません。夢や目標は持っているのが当たり前だという風潮がありますが、そうした価値観は人を差別し苦しめます。生き方は千差万別で人生に正解はないもの。やりたいことがないからといって焦ったり、自分を責めたりする必要はありません。

質問３「大切な人との時間はとれてますか？」

どんなに大切な人がいても、いつかは別れなくてはいけない時がやってきます。死の間際になって家族のありがたさを実感し、仕事よりも周囲とのかけがえのない時間を優先するべきだったと悔やむ人や、家族を亡くした後でもっと一緒にいればよかったと喪失感にさいなまれる人が多いといいます。

コロナ禍の中で家族と離れて暮らし、いまだに故郷に帰省できない人もいるでしょう。できる限り交流する機会を増やして、今のうちから家族やパートナー、友人との時間を大事に積み重ねておきましょう。

質問４「自分の心の声は聞こえていますか？」

忙しい日々の中で時間に追われていると、人生を楽しむ余裕がなくなってしまいます。周りを見回すことができずに大切なものをおろそかにしてしまうと、取り返しのつかない事態を招くことになるかもしれません。「あと1年で人生が終わるとしたら、これはやる必要があるのか？」と考えると、本当に大事なことが見えてきます。

誰でも限りある人生を悔いなく生きたいものですが、日常の忙しさや目先の仕事に気を取られると、本当に大事なものを見失いがち。大きな犠牲と引き換えにお金や地位や名誉を手に入れたとしても、どれもあの世には持っていけません。選択を間違わないように、時に立ち止まって自分の心の声に耳を傾けることで、本当の幸せや心の穏やかさを失わずに済みます。きたる最期の日まで後悔なく生きられるように、今のうちに人生を振り返って、自分の生きる意味や本当に大切なものを見つけておきましょう。