続けられないのは意志が弱いせいじゃない～『がんばらない戦略』

年が明けてからそろそろ半年がたちます。新年に抱負を立てて、ダイエットや筋トレ、貯金、勉強、日記など、気持ちも新たに新しいことを始める人は多いでしょう。ただ、それを今でも継続できている人はどれくらいいるのでしょうか。今回ご紹介する『がんばらない戦略』には、がんばらなくても結果を出すための方法が物語形式でまとめられています。

頑張っても挫折してしまうわけは

かくいう私も、なかなか続けられない人間です。やる気満々で始めたのに、1～2週間くらいでギブアップしてしまったことのなんと多いことか。
目標に向かって努力しても、途中で挫折してばかりで「自分は意志が弱くてだめだなあ」と自己嫌悪を抱えている人は多いのではないでしょうか。

人は、やり始めたことを続けられないのは意志の力が足りないせいだと思いがちです。強い気持ちを持って取り組めば目標が達成できるはずだと考えて、何度失敗を繰り返しても、気持ちを奮い起こしてまた頑張ろうとします。
ところが実際には、車のアクセルを強く踏みこむとガソリンが大量に消耗されるように、気合いを入れて頑張れば頑張るほど意志の力は消費されて、力尽きてしまうのだそう。
効果を出そうとがむしゃらに頑張るのは効率的でなく、むしろ逆効果だったというのは驚きですが、そんなに頑張らなくても、努力の仕方次第で着実に結果が出せる方法があると教えてくれるのがこの本です。

発想の転換でノルマをゲーム化しよう

意志、つまりやろうと思った時に集中して頑張ることができる力に限りがあるのならば、頑張らなくてもスムーズに物事が運ぶように、意志の力をなるべく消費しない仕組みを作ればいいわけです。日々のトレーニングメニューやその日着る服の組み合わせ、家で勉強する内容など、毎日考えることはたくさんあり、そうした決め事を一つ一つ考えているだけで、脳は疲れてしまいます。それを前もって決めていたり、毎回同じことを繰り返すようにすると、意志の力はあまり消費されずに済みます。スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグが同じ服を何着も持ち、毎日同じ服装をしているのは、この理論に基づいて行動しているためなのです。

ただ、同じことの繰り返しは、どうしても単調で飽きてしまいがち。そこで長続きしそうにないときには「義務」ではなく「娯楽」だと考えるようにしましょう。
営業マンが飛び込み営業を断られた場合、普通はがっくりしますが、「1000回断られたら晩ご飯に寿司を食べよう」と決めていたとしたら、うまくいかなくても楽しい気分になれます。結果はさておき、チャレンジした自分へのご褒美があれば、また張り切りたくなりますね。そういった発想の転換をして物事をゲーム化できれば、たとえつらいことでも途中で投げ出さずに楽しく続けられるようになるものです。

意志の力に頼らず、がんばらない戦略を立てよう

誰だって挑戦するたびに失敗していたら、自分に嫌気がさしますが、自己嫌悪感を募らせるのは心の健康に良くありません。継続させるために大切なのは、意志の強さではなく、すべき事を仕組化・自動化すること。始めたことを発想の転換で継続できるようになると、自己肯定感はぐんと向上し、幸せな気持ちになれます。

納得のいく豊かな人生を送るために大切なのは、努力を続けることです。「頑張らない戦略」というタイトルの本ですが、ちまたでよく見る「頑張らなくていいんだよ」「そのままでいいんだよ」といったやさしい現状肯定の本とは内容が異なります。

自分の未来の目標を実現させるためには、今の状態から歩を進めるための努力もやる気もマストアイテム。本書には、その頑張りをうまく持続させるために必要なアイデアが紹介されています。ダイエットや運動、勉強など習慣化させたいと頑張っているのになかなか続けられず、結果が出ないと悩んでいる人は読んでみてはいかがでしょうか。