18/09/21
身体を温める食事と冷ます食事、どちらがあなたの身体に良い?
暑い夏が終わり、少しずつ秋の足音が近づいてきました。そろそろ夏の疲れが出始めるころではないでしょうか。
「夏のあいだは、食欲がなくてバランスの良い食事ができなかった」という人は、秋に体調を崩す可能性があります。しかし、今からでも改善することができます。これからは、秋のおいしい食べ物を中心に、あなたの体質に合わせた食べ物を選んでいきましょう。今回は、体質の調べ方や、体質に合わせた食べ物をご紹介します。
漢方では熱証(ねっしょう)と寒証(かんしょう)で症状を判断する
漢方では、いろいろな方法で体調不良の原因を判断します。その中のひとつに「熱証」「寒証」を見極める方法があります。簡単にいうと熱証は暑がりの人で、寒証は寒がりの人です。
また、食べ物は「身体を温める食べ物」「冷やす食べ物」「どちらでもない食べ物」の3つに分かれています。熱証の人には、身体を冷やす食べ物が必要です。逆に寒証の人には、身体を温める食べ物が必要です。その人の体質に合わせて食べ物を選ばないと、体調不良の原因にもつながるとされています。
・あなたは熱証・寒証のどちらのタイプ?
どのような体質の人が「熱証」「寒証」なのでしょうか。以下の項目で、あなたに当てはまるのはどちらでしょうか。チェックしてみましょう。
あなたは、どちらのタイプでしょうか?
熱証・寒証、どちらのタイプに当てはまる人もいます。このような人は、当てはまる項目が多いタイプを選びます。また、どちらにも当てはまらない人もいます。このような方は、はっきりと自分の症状に気が付いていないことが考えられます。
ちなみに、たとえば風邪を引いて体温が高い場合は、熱証ではありません。あくまでも、自分で身体が熱いと感じる場合、または他人が見て顔が赤いといった場合、熱証だと考えます。
あなたが必要なのは身体を温める食べ物?冷ます食べ物?
漢方の考え方では、食べ物を「温性」「涼性」「平性」の3つに分けます。
温性は身体を温める食べ物、涼性は身体を冷やす食べ物、平性はどちらでもない食べ物を意味します。
暑がりの人(熱証)に必要な食べ物は涼性です。逆に、寒がりの人(寒証)に必要な食べ物は温性です。その両方にあてまらない平性の食べ物は、熱証の方も寒証の方も食べて構いません。栄養バランスを整えるのに役立ちます。
これから、秋に向けておいしい食べ物が増えます。そんな中から、あなたの体質に合った食べ物を選んでいきましょう。
●「熱証」の方におすすめの食べ物(涼性)
野菜では、大根・レンコンがおすすめです。そのほか、アサリ・シミジといった貝類も身体を冷やします。
例えば、大根とアサリをいれた味噌汁がいいでしょう。大根は、身体を冷やすだけでなく、消化を促進するので、胃の不調やお腹のはりにも効果が期待できます。また、シジミは口の渇きを潤すだけでなく、二日酔いにも効果があります。
○「寒証」の方におすすめの食べ物(温性)
野菜では、かぼちゃ・栗がいいでしょう。また、鶏肉・羊肉といった肉類も効果的です。
例えば、かぼちゃの煮物や栗ご飯はいかがでしょうか。かぼちゃは、身体を温めるだけでなく、身体のむくみや便秘に効果が期待できます。また、栗は身体の血行を良くするので、疲れや足腰のだるさの改善にも役立つと考えられます。
鶏肉や羊肉は、食欲がないときや疲れやすいときにおすすめです。体力を改善させてくれます。
また、熱証・寒証、どちらの方にもおすすめなのが平性の食べ物です。
秋が旬の食べ物でいえば、白ごま、白きくらげなどがあります。これらは肌の乾燥を防ぎ、潤いを与えてくれます。漢方では、秋は空気が乾燥しやすい季節だと考えられているので、女性にはとくにおすすめの食材です。
漢方といえば、漢方薬を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、それだけではありません。漢方では、体調を整えるためには漢方薬を飲むだけでなく、食事や生活習慣を整えることも大切だと考えています。
まずは、自分の体質に合わせた食べ物を選び、リフレッシュしましょう。また、自分の体質がよくわからないという方は、漢方専門の医師や薬剤師に相談してみるといいでしょう。
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多田 有紀 漢方・薬膳ライター
医療機関・調剤薬局に医療事務として勤務中に、体調を崩したことがきっかけで漢方の魅力に引き込まれる。その後、漢方スクールに通い、日本漢方養生学協会の漢方スタイリストに合格。現在は、漢方薬局などで漢方専門の知識を活かした記事を執筆中。多くの方に漢方の魅力を伝えるべく活動している。
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