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21/06/19

資産運用・経済

消費者としても仕事としても超役立つ!~『サクッとわかる-ビジネス教養-行動経済学』

あなたは、ダイエット中なのに食べ放題を満喫したり、みんなにつられて赤信号を渡ったりしたことはありませんか。そうした、人間の行動に時々見られる合理的ではない面について研究するのが、行動経済学です。この行動経済学をフルカラーのイラストでまとめた解説本が、今回ご紹介する「サクッとわかる-ビジネス教養-行動経済学」。著者は東京大学経済学部の阿部誠教授です。

ビジネスに生かせる行動経済学

行動経済学は、心理学をベースにした学問。人に購買意欲を持たせる方法や「お得だ」と感じさせる方法など、ビジネスパーソンが仕事に取り入れやすい内容です。実際、マーケティングにも応用されています。

では、本で紹介されている中から、いくつかご紹介しましょう。

●カクテルバーティ効果

人は興味のあるモノだけに反応します。広告を見ると「〇〇歳代女性向け」とか「〇〇でお悩みのあなたに…」など自分に当てはまるフレーズが目に飛び込んできませんか。館内放送が聞き取りにくい騒がしい店内にいても、自分の車のナンバーは不思議と耳に届いたりしますね。雑多な情報の中から、自分に関連するものだけに反応する脳の働きを『カクテルバーティ効果』といいます。
これをビジネスに生かす方法は、例えば商談中に相手の名前を多く入れること。すると相手が話に興味を持ち始めて、スムーズに進む確率が上がります。

●フレーミング効果

同じ内容でも言い方を変えると違う印象になることがありますね。「可能性はわずか」と「可能性はゼロではない」は、意味するところは同じですが、受け取り方がずいぶん変わります。これを『フレーミング効果(文脈効果)』といいます。「ご満足度90%」というと高く感じますが「1割の人は満足していない」ということです。「タウリン1g配合」と「タウリン1000mg配合」では、後者の方が買いたい気持ちになるでしょう。

●アンカリング効果

最初に見た数字が基準となって、後に出た値段がそれより低いと安く思えるのは『アンカリング効果』。「1000万円を700万円に割引します」と聞くとお得感を感じますが、冷静に考えると700万円だってかなりの高額です。テレホンショッピングで「定価1万円のところ4980円でご提供します」などと言うのは、この錯覚効果を狙っています。

●ナッジ理論

表示方法を工夫して、選ばせたい選択肢を選びやすくするのが『ナッジ理論』。書類の「同意する/同意しない」の選択欄で、「同意しない」にサインの記入も求めた場合は「同意する」の方を選ぶ人が増えます。グーグルの社員食堂では、野菜を一番前に置いて、野菜を食べるのは当然だという雰囲気にしているそうです。

●極端回避効果

人には極端を嫌う傾向があります。選択肢が2つよりも3つの方が選びやすく、中間の値段の商品を選ぶ傾向を『極端回避効果』といいます。お寿司の松・竹・梅では、真ん中の竹が1番注文されるそう。確かに梅は何となく満足度が低そうな気がするし、松は特別の時に食べたいので、普段なら竹になりますね。ビジネスでも、商品や値段を2択から3択にするとよく売れ、逆に選択肢が多いと売れにくくなります。この法則を知って売るべき商品を絞ると、売上アップにつながります。

●スノップ効果

人には他人と同じモノを避けようとする『スノップ効果』があります。インスタへの投稿や、レアものグッズのコレクション、筋トレなどにもその要素は見られます。「明治ザ・チョコレート」は、お洒落なデザインやクラフト調のパッケージ、縦置きスタイルや多彩なラインナップで他社商品との差別化を図った結果、大ヒット商品になりました。

マーケティングのからくりがわかります

この本は初心者向けなので、まさにサクッと行動経済学を知ることができます。心理学の本やビジネス書を読んでいる人にはおなじみの専門用語が登場し、どの項目も「あるある」ネタばかり。これまで自分自身で意思決定や選択をしてきたつもりでも、知らないうちに世の中のマーケティング手法にうまく乗らされてきたなあと実感します。

モノを売りたい人は、まず買う人の心理を理解することが必要ですね。客観的に認識した上で行動経済学の知識を得ると、自分がビジネスを動かす側になった場合にいい成果を上げられそう。行動経済学はビジネスやマーケティング、webの運営に応用できます。
イラスト図解のため、大人も学生も楽しく読めるでしょう。心理学とビジネスに興味のある人、そして成果の出るマーケティング手法を知りたい人におすすめの一冊です。

小野寺 理香 おのでら りか

読書ブロガー。好きなジャンルは文学、歴史、アート。ふとしたきっかけで出会い、好きになったら長くつきあう……本との巡り合いは人と同じ。時に味わう〝がっかり〟も、読書のおもしろさのひとつです。ここでは、よりすぐりのすてきな本をお届けします。
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