24/12/08
児童手当を新NISAつみたて投資枠で運用、18年間でいくらになる?【シミュレーション】
子どもを養育している世帯へ支給される児童手当が2024年10月分から拡充され、拡充後の支給が2024年12月から始まります。児童手当の使い道はご家庭で自由に決めることができますが、内閣府が実施した「児童手当等の使途に関する意識調査」によると、児童手当の使い道として「子どもの将来のための貯蓄・保険料」と回答した方が57.9%と最多でした。
そこで今回は児童手当の概要と2024年10月からの改正点を解説したうえで、児童手当を新NISAで運用した場合のシミュレーション結果を紹介します。児童手当を子どもの将来のために活用したいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
児童手当の概要と拡充ポイント
児童手当は子どもを養育する世帯に一定の手当が支給される国の制度です。2024年10月からの制度改正により、受給期間の延長(高校生年代まで拡大)・所得制限の撤廃・第3子以降の支給額の増額などの拡充が行われ、これまでより多くの世帯が児童手当を活用しやすくなりました。
<児童手当の主な拡充ポイント>
こども家庭庁「児童手当制度の概要」より筆者作成
また第3子以降のカウント方法も見直され、保護者の経済的負担がある場合は22歳年度末までカウント対象となりました(改正前は高校生年代までがカウント対象)。
なお今回の制度改正で新たに児童手当の対象となる世帯や、所得制限の撤廃によって全額受給できるようになる世帯などは、お住いの市区町村(公務員の方は勤務先)で申請する必要があります。自治体のウェブサイトなどで詳しい要件を確認のうえ、手続きを行いましょう。
児童手当を新NISAで18年間積み立てるとどのくらい貯まる?
児童手当の使い道に定めはないため、全額を将来のために積み立てることも可能です。積立投資を始めるなら、運用益に対して税金がかからない新NISAを利用することで、効率よく資金を運用できます。
新NISAには、投資対象が長期の積立・分散投資に適した投資信託に限定されている「つみたて投資枠」と、幅広い金融商品に投資できる「成長投資枠」があります。
ここでは新NISAのつみたて投資枠を利用して18年間積み立てた場合の運用結果を第1子・第2子と、第3子以降に分けてシミュレーションします。
●第1子・第2子の場合
第1子・第2子の支給額は2歳までは月額1万5000円、3歳~高校生年代までは月額1万円です。仮にこの金額を新NISAで18年間積み立てた場合の運用結果は以下のとおりです。
<第1子・第2子の児童手当の運用結果>
筆者作成
●第3子以降の場合
第3子以降の支給額は月額3万円です。毎月3万円を新NISAで18年間積み立てた場合の運用結果は以下のとおりです。なお、ここでは18年間ずっと毎月3万円が得られると仮定しています。
<第3子以降の児童手当の運用結果>
筆者作成
このように、第1子・第2子の児童手当を積み立てても18年間で200万円以上、第3子以降・年利5%の積立なら1000万円以上の資金を準備できます。長く積み立てるほど運用益が得やすくなり、積立投資によりリスクを分散しやすくなるので、子どもの将来のための資金づくりに新NISAのつみたて投資枠を活用するのは効果的といえるでしょう。
ただし新NISAで運用できるのは元本保証のない金融商品です。通常、利回りが高い金融商品ほどリスク(値動きの幅)も高くなるため、ご自身のリスク許容度に合った商品で運用することが大切です。支給された児童手当をすべて新NISAで積み立てるのが不安な方は、学資保険や積立定期など元本保証のある商品と併用するのもよいでしょう。
新NISAを活用して子どもの将来の資金を準備しよう
2024年10月から児童手当が拡充されたことにより、新たに児童手当の支給対象となる世帯や増額対象となる世帯の方もいるでしょう。児童手当をどのように活用するかはご家庭によって異なりますが、余裕があるなら新NISAのつみたて投資枠を使って長期間運用するのも一案です。家計に無理のない範囲で児童手当を積み立て、子どもの将来のための資金を効率よく増やしましょう。
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鈴木靖子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
銀行の財務企画や金融機関向けコンサルティングサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わるなか、その経験を個人の生活にも活かしたいという思いからFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。
HP:https://yacco-labo.com
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