生命保険は玉石混交！保険のプロが教える「よい保険・悪い保険」とは

生命保険は、年齢が上がると保険料も上がっていくことはご存じでしょう。しかし実は、性別によって値上がりの度合いが異なる場合があります。そのため、男性はA社の保険商品が安くて、女性はB社の保険商品が安い、ということが起こります。

男性にお得な定期保険、女性にお得な定期保険

保険商品の比較がしやすい定期保険を使って比べてみましょう。

たとえば、メットライフ生命の「スーパー割引定期保険」は、ネット専用でかなり割安な定期保険です。

30歳、40歳、50歳の男性（非喫煙優良体）、保険期間20年、死亡保険金1000万円の保険料は、
30歳＝1140円、40歳=2330円、50歳=5200円
です。

これが、30歳、40歳、50歳の女性（非喫煙優良体）、保険期間20年、死亡保険金1000万円になると、
30歳＝1090円、40歳=1880円、50歳=3330円
となります。

次に、SBI生命の「クリック定期！Neo」の保険料を見てみましょう。
「クリック定期！Neo」は、喫煙の有無、血圧、BMIなどによって保険料の差はありません。

30歳、40歳、50歳の男性、保険期間20年、死亡保険金1000万円の保険料は、
30歳＝1320円、40歳=2640円、50歳=5720円
です。

一方、30歳、40歳、50歳の女性、保険期間20年、死亡保険金1000万円の保険料は、
30歳＝1010円、40歳=1820円、50歳=3240円
となります。

2つの保険を比べてみると、メットライフ生命の「スーパー割引定期保険」では、男性の保険料は比較的安めに設定されていて、SBI生命の「クリック定期！Neo」は、女性の保険料が安めに設定されているのがわかります。

ちなみに保険期間10年で試算した場合には、「スーパー割引定期保険」の方がだいたい安くなります。

収入保障保険の注目は「FWD収入保障」

収入保障保険で、ファイナンシャルプランナーのなかでもっとも評価の高かったのは、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の「ピンククロスじぶんと家族のお守り」です。しかし、2018年にFWD富士生命の「FWD収入保障」が登場。注目が集まっています。

「FWD収入保障」の非喫煙優良体の保険料は、他社と比較しても、かなり安くなっています。しかし、非喫煙優良体以外の標準体では、その差はほとんどなくなります。

介護保険では意外な組み合わせが最安に

介護保険では、意外な保険が安いことが判明しました。
いままで、介護保険という単体の保険に注目をしていたのですが、そうした単体の保険ではなく、医療保険と組み合わせのできる「介護特約」が優秀な保険が登場してきたのです。
「特約」ですので、単独では契約をすることができません。他の保険との組み合わせが必要になります。それでも、入院日額3000円での保険料を試算すると、単体の介護保険に入るよりも保険料が安いということです。

保険商品のターゲットを読むと、最安の保険が見つかる

保険商品は、毎年新商品が発売され、どんどん変化しています。
それらの情報、保険の内容と保険料を調べてみると、自分にあった保険で、しかも保険料の安い商品を見つけることができます。とはいえ、数多く保険商品がある中で、全部の商品を比較するのは、とても大変な作業です。

そんなことをしなくても保険商品を比較して、保険料までわかるムックが出版されました。『よい保険・悪い保険　得する見直し編』（宝島社）です。じつは私が監修をしています。

このムックは、保険のランキング本です。
終身保険、定期保険、収入保障保険、医療保険、がん保険、就業不能保険、学資保険、介護保険の8ジャンルと自動車保険の合計9つに分けて、よい保険65の商品、悪い保険27の商品、合計約90の保険の実名を出して分析しています。

契約者本位を貫いている編集方針が最大の特徴

注目していただきたいのが、このムックには広告を一切入れていないと言うことです。
ムックを制作する上で、もっとも重要視しているのが「顧客本位であれ」と言うことだからです。保険を売る側ではなく、保険の契約者側にとって役に立つ情報を提供したいという思いで作っています。
本誌の編集方針は、「契約者のために中立な立場でコメントをする」ことです。そのためには、広告を入れるわけにはいきません。
ほかに発売されているムックの中には、保険の入り方や、保険のランキングを紹介したものもありますが、広告が入っているものは、当然公平中立とは言えません。
また、個別の保険商品を紹介する場合でも、保険会社の説明を鵜呑みにすることなく、商品の特徴、そしていい点と注意すべき点についてもしっかりと検討し、お伝えしています。

ムックのなかで、よい保険のランキングされた商品は、どれを選んでも間違いのないものです。保険商品選びの指針となると思います。

『よい保険・悪い保険　得する見直し編』
（横川由理・長尾義弘監修）（宝島社）

『よい保険・悪い保険　得する見直し編』
（横川由理・長尾義弘監修）（宝島社）

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長尾義弘 NEO企画代表

ファイナンシャル・プランナー、AFP、日本年金学会会員。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ～い保険の話』（宝島社）、『こんな保険には入るな！』（廣済堂出版）『お金に困らなくなる黄金の法則』『最新版保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな！』（河出書房新社）、『保険ぎらいは本当は正しい』（SBクリエイティブ）。監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。