20/12/15
保険のプロ10人が本気で勧める「付けておきたい生命保険特約」ランキングベスト5
「あなたは、いまどんな保険に入っていますか?」と尋ねられて、すぐに答えられますか?
どこの生命保険会社の保険に入っているかぐらいしかわからない人もいるでしょう。仮にキチンと「医療保険」「がん保険」「個人年金保険」などと答えられた方でも、「どんな保障の特約を付けていますか?」まで答えられる人は、ほとんどいないと思います。
生命保険は、主契約と特約の組み合わせでできていることが多くあります。しかし、ほとんどの特約は不要なことが多いのです。では、本当に必要な特約とは、いったいどんなものなのでしょうか?
保険のプロ10名が選んだ「付けておきたい特約」ランキングを紹介します。
生命保険の特約にはどんな保障があるの?
生命保険の特約は、主契約に上乗せをする保障です。さまざまな特約があり、生命保険会社によって名称も微妙に違っています。「特則」と呼んでいる場合もあります。
たとえば、終身保険には、定期保険特約、入院特約、介護特約などがついていることが多くあります。また、医療保険には、がん保険特約、女性疾病特約、祝金特約、三大疾病特約などといった特約がついていることがあります。
生命保険の特約は単独で入ることができません。主契約が払込満了になったり、主契約を解約したりした場合、特約も一緒に解約になります。ただし、保険料は別々で入るよりも安いことが多くなっています。
とはいえ、特約はもちろんただではありません。国内大手の生命保険会社で販売している保険では、特約の保険料を主契約の倍以上支払っている例もあるのです。付けておきたい特約に絞り、不必要な特約を解約することで、保険料が半額になることもあります。
保険のプロ10人が本気で選ぶ「付けておきたい生命保険特約」ランキングベスト5
筆者が監修した『NEWよい保険・悪い保険2021年版』(徳間書店)では、保険のプロ10名が選んだ「付けておきたい特約ランキング」を掲載しています。ここで、ランキングのベスト5をご紹介します。
●保険のプロが選ぶ、生命保険特約ランキング5位:就業不能特約
就業不能特約は、働けない状態が続いて所定の要件を満たした場合、毎月給料のように保険金を受け取ることができる特約です。単独で同様の保障が得られる就業不能保険に入ってもいいのですが、特約として加入した方が保険料が安くなる場合が多いのです。
就業不能特約は、死亡・高度障害状態となったときに毎月お金を受け取れる「収入保障保険」に付けることができる商品がいくつかあります。この場合、働けなくなったとき・死亡したときの両方に対応できる保障になります。
ただし、会社員や公務員は傷病手当金と保障が重複してしまう点には要注意。一定期間は保険金が半額になるかわりに保険料が安くなる「ハーフタイプ」を検討するとよいでしょう。
●保険のプロが選ぶ、生命保険特約ランキング4位:リビングニーズ特約
リビングニーズ特約は、余命6ヵ月などの診断を受けた場合に、保険金を生前に受け取ることができる特約です。特約には保険料がかかると言いましたが、この特約は無料でつけることができます。
生前に受け取る保険金は、一部でも全額でもOKです。全額を受け取った場合には、そこで保険は終了になります。受け取った保険金の使いみちは自由。治療のために使うこともできます。無料なので、付けておいても損はありません。
ただし、受け取った保険金を使いきらなかった場合には、相続税の対象になります。亡くなられたあとに死亡保険金で受け取った場合は、相続税の非課税枠を使うことができるので、相続税がかからずに済む可能性があります。
●保険のプロが選ぶ、生命保険特約ランキング3位:抗がん剤治療特約
がんの代表的な治療法に「抗がん剤治療」があります。がん治療は、とても長期に渡る場合があります。「抗がん剤治療」は通院での治療になるので、医療保険は対象外になります。しかし、抗がん剤治療特約を付けていれば、抗がん剤治療を受けた場合に、5万円・10万円などと保険金を受け取ることができます。がんになって仕事が通常通りにできなくなり、収入減になったときなどに役立つ特約です。
●保険のプロが選ぶ、生命保険特約ランキング2位:保険料払込免除特約
保険料払込免除特約は、三大疾病などの所定の状態になった場合、以後の保険料は支払わなくてもいいという特約です。たとえば、この特約がなければ、がんになった場合でも、保険に入っている限り、保険料を支払い続けることになります。しかし、特約を付けておくことで、がんと診断されたら、それ以後の保険料の支払いは免除されます。治療費と保険料のダブルの支出を避けることができます。
とくに終身払いの保険には、この特約を付けておくのが有効です。なぜなら、もしがんになったとき、保険を途中で解約することを躊躇してしまいがちだからです。一生保険料を支払うことを避ける意味でも、終身払いの保険には付けておきたい特約です。
●保険のプロが選ぶ、生命保険特約ランキング1位:先進医療特約
先進医療とは、厚生労働大臣が定める高度な医療技術を用いた療養方法で、保険診療と併用できる治療法です。つまり保険給付の対象になるかどうが、見極め中の技術ということです。この先進医療を利用する場合には、全額自己負担になります。たとえば、がん治療の粒子線治療は200〜300万円かかります。
先進医療特約は、月数百円程度の保険料で、こうした先進医療を受ける場合に保障が受けられます。
とても安価で大きな保障があるのですが、なぜ安いのかというと、それだけ使う人が少ないということです。とはいえ、もしかしたらと言うのが保険ですし、安いので入っておいた方が安心ですね。
まとめ
保険の見直しをするときには、つい見落としてしまうのですが、特約にも注意をしてください。
不必要な特約は解約をして、必要な特約を追加するだけでも、保険料が節約になるかも知れません。
筆者が監修したムック『NEWよい保険・悪い保険2021年版』では、よい保険・悪い保険を忖度なしで採点。15種類のランキングを実名で紹介しています。
よい保険とランキングされた商品は、どれを選んでも間違いのないものです。ぜひ保険商品選びの指針としてください。
『NEWよい保険・悪い保険2021年版』
『NEWよい保険・悪い保険2021年版』(徳間書店)
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長尾 義弘 NEO企画代表
ファイナンシャル・プランナー、AFP、日本年金学会会員。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『お金に困らなくなる黄金の法則』『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)。監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。
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