18/03/05
東日本大震災から7年。地震保険は必要なのか考えてみた
2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。あれから7年が経ちますが、日本列島では地震や火山活動が活発化しています。地震大国といわれる日本。
万が一に備え、地震保険に加入する必要はあるのでしょうか。
地震保険は単体で加入不可。火災保険とセットで加入
地震による被害は、建物倒壊だけでなく火災や津波、液状化現象が考えられます。火災と聞くと火災保険に加入しているので大丈夫だと思いがちですが、火災保険だけでは、地震や噴火等による火災等の損害は補償されません。地震保険に加入していることで地震が原因の火災や倒壊、流失によって建物や家財に損害が生じた場合に、その損害程度に応じて補償が行われます。保険の対象は、居住用の建物や家財で、店舗や事務所のみに使用されている建物や営業用の器具や家具類は対象となりません。
なお、地震保険は単独では加入できず、火災保険にセットする形で契約する仕組みです。現在火災保険には加入しているけれど地震保険に加入していないという場合は、契約中の火災保険に後から地震保険を追加することもできます。
地震保険の上限は、火災保険の保険金の半額まで
契約できる地震保険金額は火災保険金額の30~50%の範囲内で、かつ建物は5000万円、家財は1000万円までを限度として決めることができます。例えば建物に3000万円の火災保険をかけているとすると、地震保険は900万円から1500万円の範囲で設定できるということです。
この地震保険は、保険会社だけでなく、国も法律に基づいて保険金の支払義務を負う官民一体の制度です。1回の地震について支払われる保険金の総額には限度が定められていて(2018年2月23日時点では11兆3千億円)、保険金の総額がその限度額を超える場合には保険金が削減されることがあります。
注意点は、万が一に備えて設定している地震保険の金額が支払われるとは限らないこと。地震保険で支払われる保険金は、建物や家財の被害の程度によって「全損」と認定されれば保険金額の100%、「大半損」であれば60%、「小半損」では30%「一部損」では5%が支払われます。認定された損害の程度によって、支払われる保険金の割合が決められるのです。
なぜ設定した金額が支払われないのでしょうか。地震の被害は広範囲になることが多く、大地震になると多額の保険金の請求が予想されます。そのため、地震保険は倒壊や焼失した建物を建て直すための費用を全額補償するのではなく、地震による被災者の生活を出来るだけ早く復旧させることを目的として位置づけられています。
地震保険の保険料はどの会社も一緒
巨大地震等が発生した場合、民間の損害保険会社のみで保険金を支払うことは困難なので、地震保険は政府主導で運営されています。そのため、地震保険の内容と保険料は損害保険各社共通のものになっています。ただし、地震保険料は建物の所在地と構造別に分けられています。
保険料
地震保険はセットで加入している火災保険の保険期間によって、地震保険として契約できる保険期間が異なります。火災保険の保険期間が5年以上の場合、保険期間は最長の5年更新か1年ごとの更新かを選ぶことができます。火災保険の保険期間が5年以下の場合は、保険期間を火災保険の契約と同じ期間(2・3・4・5年のいずれか)とする長期契約か、1年の自動継続から選びます。保険料で比較すると年数が長くなるごとに割引率が大きくなり、2年の場合の割引率が5%に対し、5年の場合の割引率は11%となっています。
また、地震保険には各種割引制度があります。「建築年割引」「耐震等級割引」「免震建築物割引」「耐震診断割引」があり、一定の基準を満たせば基本料率の割引が受けられます。
割引制度
高額介護サービス費は市区町村に申請しなければ利用することができません。
支給の要件を満たす高額の介護サービス費用になったときには、2~3か月後に通知と申請書が市区町村から送られてきます。1度申請をすると、それ以後の申請は不要です。支給の申請には時効があるので、2年以内に行ってください。
●使えない介護サービス
まとめ
筆者は阪神大震災を経験していますが、貯蓄がしっかりある方は別として、小さいお子さんがいる家庭や持病がある方、ペットと一緒にいたい方は地震保険の必要性は高いといえます。
避難所に居づらく、テント生活を余儀なくされていたからです。また、住宅ローンの残高が多い人にも地震保険の加入をお勧めします。被災して家が倒壊してもローンは残り、新居の家賃も重荷になります。
いつかは来ると言われている大地震。地震保険は生活再建にとって大切な役目を果します。制度の限界を理解した上で、一人一人が万全の備えをしておきたいものです。
執筆者
辻本 ゆか(CFP)
おふたりさまの暮らしとお金プランナー
企業の会計や大手金融機関での営業など、お金に関する仕事に約30年従事。暮らしにまつわるお金について知識を得ることは、人生を豊かにすると知る。43歳で乳がんを発症した経験から、備えることの大切さを伝える活動を始める。結婚を機に奈良に転居し、現在は独立系のFP事務所を開業。セミナーを主としながら、子どものいないご夫婦(DINKS・事実婚)やシングルの方の相談業務、執筆も行っている。FP Cafe登録パートナー
記事提供:moneliy
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