18/06/15
お金を貯めるコツはムリをしない!『毒舌うさぎ先生のがんばらない貯金レッスン』
今回は、お金との付き合い方が苦手な人にお勧めの、かわいらしい貯金の本です。カラーでイラスト満載の『毒舌うさぎ先生のがんばらない貯金レッスン』。
メディアによく登場するファイナンシャルプランナー、花輪陽子さんの監修による初心者向けの内容で、マンガ仕立てですいすい読めます。
10代でも楽しく読める、わかりやすい内容でまとめられているのがうれしいところです。
数字が苦手な人でも大丈夫
「家計簿づけが続かない」「お金を管理できない」「数字が苦手」「計算イヤ」という人は結構多いのではないでしょうか。かくいう私もその一人です。
投資や資産運用といった難しいことをせずとも、生きていく上で最低限のお金の管理は必要。ただ、専門的な本は初心者には読むだけでも難しく、苦手意識がさらに高まってしまうことも。ビギナー目線で抵抗なく読めるやさしい本は、案外ありそうでありませんでした。
まえがきに「お金の使い方は人柄を表します。優しい人は優柔不断になってしまうところもあり、日常生活の上では愛されるキャラクターでも、そうしたことが原因でお金を貯められないという人は多いです」と書かれています。
貯蓄が苦手な私は(みんなが普通にできることなのに、私はどうしてダメなんだろう)と後ろめたく思っていましたが、そのくだりを読んで(自分を責めなくてもいいんだ)とほっとしました。会計管理の苦手意識の強い人にそっと寄り添ってくれる、やさしい本です。
目標は1年で100万円!
本の中で貯金するコツを教えてくれる先生は、うさぎのキャーロット。
けっこうな毒舌で、怒ると足をダンダン踏み鳴らします。偉そうな経済の専門家にそうされたらかなり恐怖ですが、うさぎなのでこわくありません。むしろかわいらしい仕草に癒されます。
掲げられた目標は、貯金ゼロの状態から1年間で100万円を貯めること。
そのために「レシートを活用する」「財布の中身を整理する」「カードの枚数を整理する」といった、すぐ実践できるシンプルなノウハウが紹介されています。
小さな事柄でも継続すると、お金がたまりやすくなっていくとのことです。
人は(いつかお金が足りなくなる時が来るかも)という漠然とした不安だけではなかなか貯金できず、欲しいものややりたいことを具体的に思い描くことで行動に移せるのだそう。「有言実行」の大切さにつながりますね。
ムリをせず、お金を貯めることを楽しむ
なかなか辛口のうさぎ先生ですが、無理やり貯金はさせません。そこそこの贅沢をしても大丈夫。我慢して厳しい節制をすると、ストレスがたまって挫折する可能性が高いため、メリハリのあるお金の使い方をしながら、小さな心がけを積み重ねる方が近道だとしています。
「ムリはしなくていいけれど、ムダは禁物」がモットー。1年計画ですから、多少はゆるくないと続かなそうですね。自分を追い詰めず、心理的な負担をかけないのならば、ムダを省く意識を日常生活に取り入れていけそうです。
ムダは贅肉と同じで、きちんとダイエットをすれば効果が出るとのこと。どちらも続けていけば、少しずつ貯金がたまる上にスッキリとした体形も得られて、ワンランクアップした自分になれそうです。
必要に迫られてイヤイヤ節約するのではなく、貯金を楽しみ、それを習慣にすることを勧めているこの本。お金の管理は正直面倒ですが、自分や家族を幸せにしてくれるお金ときちんと向き合うことが大切だと教えてくれます。
楽しく読みながら、ムダを省いて貯金につなげる意識改革のきっかけとなる一冊。
わかりやすくまとめられているため、家計を管理する人やそのパートナー、また子供たちの将来のお金の使い方ガイドブックによさそうです。
【読書ブロガー小野寺理香のブックレビュー】記事
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小野寺 理香 おのでら りか
読書ブロガー。好きなジャンルは文学、歴史、アート。ふとしたきっかけで出会い、好きになったら長くつきあう……本との巡り合いは人と同じ。時に味わう〝がっかり〟も、読書のおもしろさのひとつです。ここでは、よりすぐりのすてきな本をお届けします。
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