21/10/11
「みんなの銀行」ってどんな銀行? ネット銀行と何が違うのか
2021年5月に「国内初のデジタルバンク」として開業したみんなの銀行。若者を中心に口座開設者を増やしています。とはいえ、既存のネット銀行や他の銀行との違いがわからない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、みんなの銀行のサービスの概要とメリット・デメリットを解説します。
スマホのアプリだけで金融サービスが受けられるみんなの銀行
みんなの銀行は、ふくおかフィナンシャルグループ傘下の銀行です。とはいえ、福岡県や九州などに店舗を構える銀行ではありません。みんなの銀行の最大の特徴は、スマホのアプリだけで、さまざまな金融サービスを受けられることにあります。キャッシュカードも存在しません。福岡県や九州に住んでいない方でも、口座開設できます。
アプリのデザインはとても洗練されていて、「Red Dot Design Award 2021」というデザイン賞を受賞するほど。利用者のうち8割が15歳〜39歳で、サービス開始からわずか2か月で8万5000口座が開設されるなど、今話題の銀行です。AppStoreの評価を見ても5段階中3.6(2021年9月時点)とまずまずの高い評価を受けています。
みんなの銀行ならではの5つのメリットを解説!
みんなの銀行は、これまでのネット銀行とは違ったサービスもあります。具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
●みんなの銀行のメリット1:口座開設がスマホでいつでもできる
みんなの銀行は、口座開設の手続きがすべてスマホでできます。口座開設はアプリをダウンロードして必要事項を入力し、本人確認書類の撮影・提出をするだけ。24時間365日いつでも口座開設が可能です。筆者もみんなの銀行の口座開設をiPhoneから行いましたが、15分程度で完了。驚くほどかんたんにできました。
●みんなの銀行のメリット2:セブン銀行から入出金できる
みんなの銀行での現金の入出金は、セブンイレブンにあるセブン銀行ATMでできます。もちろん、必要なものはスマホだけ。たとえば、セブン銀行でみんなの銀行の自分の口座に入出金するには、
1. セブン銀行ATMの画面から「スマートフォンでの取引」をタッチ
2. みんなの銀行アプリを立ち上げ、「ATM入出金する」を選択
3. セブン銀行のATM画面のQRコードをスマホで読み取る
4. スマホに表示された企業番号をATMで入力する
5. 入出金を行う
筆者も実際にやってみましたが、たった1分で入出金ができました。
みんなの銀行の入金手数料は何度でも無料。出金手数料は110円となっています。コンビニのATMでは多くの場合入出金に手数料がかかるだけでなく、利用日時や頻度によって手数料がさらに高くなるケースもあります。特にお近くにセブンイレブンがあるのならば、みんなの銀行は便利でしょう。
●みんなの銀行のメリット3:目的に応じて預金をボックスで管理できる
みんなの銀行では、口座の中に最大20個まで「ボックス」を作れます。ボックスを使うと、たとえば「20万円を生活費」「3万円を飲み会の費用」「10万円を貯蓄用」という具合に、お金を整理・整頓して管理できます。節約が苦手な方にもおすすめの機能です。
●みんなの銀行のメリット4:デビットカードがスマホで使える
みんなの銀行のアプリにはデビットカードの機能もあります。デビットカードは利用時に預金口座からお金がすぐ引き出されるしくみですので、使いすぎる心配がありません。実店舗では、「QUICPay+」(クイックペイプラス)のマークがあるお店で利用できます(事前にApple Payや Google Payにデビットカードの登録が必要)。また、ネットショッピングでは「JCB」のマークのあるサイトで利用できます。
●みんなの銀行のメリット5:プレミアムサービスでさらに得
さらに、みんなの銀行には他の銀行にはない「プレミアムサービス」も。プレミアムサービスを利用すれば、以下の特典を受けられます。
【プレミアムサービスの主な特典】
・振込手数料が月10回まで無料になる
・ATM出金手数料が月15回まで無料になる
・デビットカードのキャッシュバック率が1%にアップ(通常0.2%)
・無利息の自動立て替え機能(5万円まで)
みんなの銀行独自のサービスとして、支払い時に残高が足りなかった時に自動的に不足分を建て替えてくれる「カバー」と呼ばれる機能もあります。カバーはカードローンとは違うサービスで、利息がかからないのが特徴。最大5万円まで立て替えてくれます。
みんなの銀行のデメリット
みんなの銀行は利便性が高いサービスですが、ネット銀行などと比べた場合のデメリットが3つあります。
●みんなの銀行のデメリット1:普通預金金利が0.001%
みんなの銀行は預金目的のみで使う場合、おすすめできません。なぜなら、普通預金金利が0.001%と、大手銀行並に低いからです。
たとえば、ネット銀行の楽天銀行であれば普通預金金利が0.02%。楽天証券の口座と連携させる「マネーブリッジ」を利用すると最大0.1%にアップできます。また、イオン銀行でも取引の条件を満たせば最大0.1%に。あおぞら銀行の「BANK」では0.2%となっています(いずれも2021年9月時点)。普通預金目的であれば、他の銀行を利用した方がよいでしょう。
●みんなの銀行のデメリット2:出金手数料が110円
ネット銀行の中には、「月○回まで出金手数料無料」としているところがあります。大手銀行でも、給料日や月末だけ出金手数料がかからないところがあります。しかし、みんなの銀行は、プレミアムサービスを利用しない限り110円の手数料がかかってしまいます。
●みんなの銀行のデメリット3:プレミアムサービスの月額料金が600円
みんなの銀行はメリット5で紹介したプレミアムサービスを使えば、さらに便利です。しかし、プレミアムサービスの月額料金は600円(税込)。年換算で7200円もかかるので、正直月額600円の価値があるかどうかは微妙です。
もっとも、プレミアムサービス利用から1年間は月額料金が無料になります(2021年9月時点)。途中で解約したとしても違約金はかからず、1年間利用できるので、試しに使ってみて、使い続けるか検討する余地はあるでしょう。
まとめ
みんなの銀行は、すべてのサービスをスマホで利用できる、利便性の高い銀行です。預金金利や手数料の面ではネット銀行が有利な面もありますが、入出金手数料が安いこと、ボックスでお金を仕分けられること、プレミアムサービスがあることなど、ネット銀行にない特徴もあります。
今後のサービスの拡充にも期待しつつ、口座開設・利用してみてはいかがでしょうか?
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小栗健吾 現役のFXトレーダー及びWEBライター
地方の大学を卒業後、会社員を経て、WEBライターとして活動中。FXや仮想通貨の取引経験(FXは8年以上)があり、現役トレーダーの目線で記事を多数執筆している。また、現在はFXだけでなく、「キャッシング」「副業」「節税」などマネー系の記事も多く執筆している。
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