16/04/06
生命保険を販売していたプロが入る生命保険の選び方
生命保険ほどわかりやすいものはない…というのは、その世界で仕事をしている者だから言えることらしいです。やはり周囲での声は「保険ってわかりにくい」「何度聞いてもわからない」この類に集約されます。では逆の考えで、一般の人がなぜ保険選びに迷うのかを検証してみましょう。
保険契約に必要なのは、決断力
先日、とある保険ショップで生命保険に加入したお客様が、「内容が本当に正しいのか、確認してほしい」という話を持ってこられました。内容を確認する書類に目を通すと、つい数か月前に加入したばかりのものでした。
ご要望をお聞きすると、「もっと安くできないか」「他にもっといいものがあるのではないか」という疑いを捨てきれずに、内容を確認したかったようでした。
なるほど。両手で年数が足りるほどの経歴の筆者でも、すぐにわかるパターンです。お客様はご縁あって筆者に依頼をしてくれたのだから、質問には答えなければいけません。
「お安くすること、内容をレベルアップすることはできますよ。」
加えて、ご意向をお聞きしたうえで、筆者の提案を見せてほしいとおっしゃったので、後日その仕組みをご説明しました。いたってシンプルで、300万円の終身保険から2000万円の収入保障保険へ。医療保険に関しては、60歳で払込を終了するタイプから、定期の成人病、介護保障付のものへ。
国民年金第一号被保険者(いわゆる自営業者)で、ケガのリスクの多いご職業、さらにヘビースモーカーのご主人の保険。心配して相談に来られたのは、ご本人ではなく奥様。
内容は割愛しますが、結局3か月経ったある日、奥様からお電話がかかってきました。
「やっぱり必要性が分からないのです」
これが、パターンなんです。保障の内容は、当初お持ちいただいた内容のままになっています。つまり、変更はしていないということ。ここでの問題点は、「ご主人と奥様の考え方が相違しているという事」と「保険料は経済的リスクをヘッジする経費」という認識が、お二人ともに取れていないという2点だと筆者は考えます。
より良いものを探すこと、固定経費をなるべく低く抑えることはマネープランニングにおいて、とても大切な事なのでそのご意向は支持したいところ。
必要なのは、決断力。検討中の保険が、節税対策や積立目的外で、保障がその目的なのであれば、逆にその保険がなかった場合のリスクを、今の自分がカバーできるかどうかを考えてほしいです。カバーできるのであれば、その保険に入る必要はなく、カバーできないのであれば、検討に値します。あとは必要経費(保険料)との相談。保険に入るか入らないかの考えは、いたってシンプルです。
保険の考え方は「必要なものに必要なだけ」
では筆者が加入している保険の状況を、公開させていただきます。
・介護保障付収入保障保険(保障月額20万円)
・三大疾病定期保険(一時金1000万円)
・医療保険(入院日額15000円)
保障目的は以上3点で、それぞれに理由があります。一番大きな背景は、「第一号被保険者(自営業者)」であること、「扶養家族がいること」です。
サラリーマンや公務員以外、仕事が出来なくなるような状況の際、保障はほぼない無いとみて良いと考えます。頼れるのは、預金、親戚、民間保険でしょう。
なにより避けなければいけないのが、筆者の場合、「介護状態や、がんなどの闘病生活において、仕事が出来なくなる状態」なのです。
生きるにはお金がかかる。
そのための経費が月いくらかかるかは、人によりけりだろうが、筆者は十分納得しています。なぜなら、どれも必要な保障だからです。迷いがない保険選びは、迷いなく継続できる保障。これに尽きます。
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佐々木 愛子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種
国内外の保険会社で8年以上営業、証券IFAを経験後、リーマンショック後の超低金利時代、リテール営業を中心に500世帯以上と契約を結ぶ。FPとして10代のうちから金融、経済について学ぶ大切さを訴え活動中。
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