18/09/18
多くの人がNG保険を選んでいる?辛口保険評論家が選ぶ本当に役に立つ保険
筆者は辛口保険評論家として、9年間保険のランキング本の監修に携わり、さまざまな保険商品を見比べてきました。そのなかで、保障のバランスのいい「よい保険」、逆に保障条件が厳しくて役に立たない、保険料が割高な「悪い商品」というのがあるのを評価してきました。
今回は、保険商品とはどんな基準で選べばよいのかを述べてみましょう。
日本人はどうして保険をかけ過ぎてしまうのか?
周りの人に聞いても何らかの保険に入っている人が多いと思いますが、それもそのはずです。日本人の約8割が保険に入っています。
しかし、みんなが入っているからと言って、どうしても入らないとダメというものではありません。
保険は、もしもの時に困らないように、必要な保障だけをカバーすればいいのです。
もしもの時に必要な保障といわれても、さまざまな心配事があって、考えだすとどんどん増えていきます。そして結果的に保険に入りすぎてしまうことが多いのです。
国内大手保険会社の商品というのは、さまざまな保障を組み合わせてのセット販売をしている商品が多いのです。一見、安心が網羅されているように感じますが、これらは、まさに不安をあおっていろいろな保険がくっつけ、保険料をどんどんふくらませていく商品です。
このようなセットで販売されている保険商品の中身は、必要ではない保険もかなり入っています。
日常生活の中には、さまざまな心配事や不安なことはあるとは思いますが、それらの心配事をすべて保険で解決しようとするのはそもそもナンセンスですし、どんどん保険料が膨らんでいきます。
まずは、本当に困ることだけを保険でカバーするというように考えてみてください。
本当に必要な保険とは何か?
では、本当に困ることとはなんでしょうか?そのために必要な保障というのは何でしょうか?
それは、一言で言うと「滅多に起こらないけれど、もしそれが起こった時に経済的損失の大きなこと」です。
保険の役割とはまさにこれにつきます。
さて「滅多に起こらないけれど経済的損失の大きなこと」は何でしょうか?
たとえば、お子様のいるご家庭で、一家の経済的な大黒柱が死亡された場合です。
夫(妻)が死亡した場合、残されたご家族の生活費や子どもの教育費などがまず心配になります。遺族年金などの公的保障はありますが、それだけでは、ぜんぜん足りません。それぞれの家庭の状況にもよりますが、こども1人当たり約2000万円以上は必要です。
その金額を貯蓄で補うのはかなり大変ですね。そんなときこそ保険はとても役に立ちます。
一方、医療保険というのは、優先度の低い保険です。それは日本には健康保険制度があり、医療費の自己負担は3割です。さらにそれ以上かかった場合は、高額療養費があって、自己負担額はそれほど高くないのです。がんになった場合も、医療費はそれほどかかりません。
しかし、がん治療のため仕事ができなくなったり、やめたりする場合があります。そのとき、生活費に影響が出て足りなくなることがあります。そんな生活費を補塡するための保険が必要になることがあります。
また、フリーで働いている方や自営業者の方などは、病気や事故で仕事ができなくなるとすぐに生活に困ってしまうこともあります。そんなときには就業不能保険が役に立ちます。
このようにそれぞれ、自分にとっての大きなリスクとは何かを考えて、そのための備えをするのが賢い保険の入り方です。
ですから決められたセットを選ぶのではなく、必要なジャンルの保険をみつけて「自分のための保険」に入るようにしてはいかがでしょうか?
保険のプロが忖度なしで保険商品を厳選ランキング
そんな必要な保険がジャンル別に整理してあり、しかも保険のプロがランキングをつけているムックが2018年8月に発売されました。それが『生命保険 実名ランキング』です。
冒頭で紹介しましたが、筆者が9年間監修として携わっている本です。
本誌は、保険のプロとして活躍しているファイナンシャルプランナーのアンケートを基に評価をしています。ジャンル別の上位に上がっている保険商品は、保障のバランスがよく評価に値する商品です。
これを参考にしながら、保険商品を選ぶと間違いのない保険選びができるはずです。
『生命保険 実名ランキング!』長尾義弘 監修
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長尾 義弘 NEO企画代表
ファイナンシャル・プランナー、AFP、日本年金学会会員。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『お金に困らなくなる黄金の法則』『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)。監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。
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