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22/02/25

家計・ライフ

65歳定年後は何年生きる? 平均寿命より長生きするのは本当か

65歳定年後は何年生きる? 平均寿命より長生きするのは本当か

日本は世界的にみても平均寿命が長い国。平均寿命のニュースがしばしば報じられて話題になります。でも、60歳、65歳…と定年まで働いてきた方は、実は平均寿命より長生きすると考えられます。今回はそのわけと、老後のお金を準備する方法を紹介します。

65歳の「平均余命」はどのくらい?

厚生労働省の「令和2年簡易生命表」によると、男性の平均寿命は 81.64 年、女性の平均寿命は 87.74 年となっています。

●主な年齢の平均余命

厚生労働省「令和2年簡易生命表」より

平均寿命のニュースは、この表の「0歳」の数字で報じられています。しかし、平均寿命はあくまで「この年に生まれた0歳児が平均何年生きるかを示した予測値」ということをご存知でしょうか?現在65歳の人が何歳まで生きられるかの予測値とは異なります。

現在65歳の人が何歳まで生きられるか(平均余命)は、表の「65歳」の数字を見ればわかります。男性はあと平均20.05年、女性は24.91年生きることができると予測されています。

つまり、65歳の男性であれば平均的に85.05歳(65歳+65歳男性の平均余命20.05年)、女性であれば89.91歳(65歳+65歳女性の平均余命24.91年)まで生きるということです。0歳児の余命である平均寿命が「65歳未満で亡くなる人の寿命を含んだ平均」であるのに対し、65歳の平均余命は「65歳まで生きた人のみで計算した平均」になるため、トータルで0歳児の平均寿命より長くなるのです。

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長生きするリスクにどう備える?

現在の日本では、100歳を超える高齢者は約8万人おり、20年前と比べ6倍となっています。もちろん長生きすることは喜ばしいことですが、その分だけ老後の生活費を多く準備する必要があります。

総務省の統計によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の1か月の支出は約25.6万円と言われています(家計調査(2020年))また、生命保険文化センターの調査によると、日常生活費と老後のゆとりのための上乗せ額を合計した「ゆとりある老後生活費」は平均で月額36.1万円ともいわれています(令和元年度生活保障に関する調査)。

つまり、長生きすれば長生きするだけお金が足りなくなってきてしまう「長生きリスク」があるのです。

長生きリスクに備えるには、老後のお金を自分の努力で増やすことが大切です。具体的な方法を3つ、紹介します。

●老後のお金を増やす方法1:公的年金では足りないお金を補う「iDeCo」

iDeCoとは、自分のための年金を自分で積み立てる制度です。20歳~60歳までの国民年金・厚生年金加入者ならば誰でも加入することができます(2022年5月以降は国民年金の被保険者は65歳まで加入可能)。
運用したお金は60歳になったときに一括で受け取るか、老齢給付金として60歳~70歳でまでの間に受け取るか選択することができます。(2022年4月からは60歳~75歳までに受け取ることが可能)。

iDeCoには積立時、運用時、受取時にそれぞれ税制のメリットがあります。

【iDeCoの税制メリット】
積立時:掛金が全額所得控除の対象となり所得税・住民税の軽減が可能
運用時:運用益にかかる20.315%の税金が非課税
受取時:一括で受取る場合には「退職所得控除」、年金で受取る場合は「公的年金等控除」の対象となり税金が減らせる

つまり、大きな税制メリットを受けつつ老後資産形成ができるのです。

●老後のお金を増やす方法2:少額投資でコツコツと老後の資産を増やす「つみたてNISA」

つみたてNISAは、投資の利益にかかる税金が最長20年にわたって非課税にできる制度です。2042年まで毎年最大40万円の積立投資ができます。つみたてNISAは、少額を投資信託で積み立てて運用できるため、初心者には始めやすい投資となっています。また、長期的な資産形成ができるように、金融庁が定めた厳しい要件を満たした商品が厳選されているため、比較的低リスクで運用が可能です。

また、つみたてNISAは原則60歳まで引き出せないiDeCoとは違い、お金が必要になったときに運用してきた商品を売却して現金として引き出すことが可能です。
2022年から毎年40万円積み立てると最大で840万円まで投資可能です。早く始めて長く続けることで、長生きリスクに備える資金を用意できるでしょう。

●老後のお金を増やす方法3:年金の繰下げ受給

元気に働けるのであれば、より長く働き、年金の受給開始を遅らせることも長生きリスクに備える一つの方法です。これを年金の「繰下げ受給」といいます。

本来、年金の受給は65歳からです。この年金の受給を1か月遅らせるごとに、年金額が0.7%増額されます。70歳まで繰下げ受給すれば、年金額は42%増加します。さらに2022年4月からは75歳まで繰り下げ、年金額を最大で84%増加させることが可能に。例えば、65歳時点で年金を月15万円もらえる人が75歳まで年金を繰下げ受給することで、毎月の受け取り額が12.6万円増え27.6万円になります。

まとめ

65歳を迎えた方は、男性85歳・女性90歳までは平均的に長生きすることをご紹介しました。とはいえ、長生きできる時代であってもお金がなければ大変です。iDeCo・つみたてNISA・年金の繰下げ受給といった方法を活用して、将来の老後資金を準備しておくことが大切です。

渡部ナオコ ファイナンシャルプランナー

大学卒業後から現在まで金融業界一筋のアラサーワーママ。結婚・出産・子育て・マイホーム購入などの自身の経験から、一人でも多くの女性の悩みを解決したいと思い執筆を開始。
プライベートでは一人娘の育児に奮闘中。

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