24/04/04
新NISAで月1万円の配当金を得るには?
もしも月1万円使えるお金が増えたらうれしいですよね。その分生活が豊かになりますし、お金をさまざまなことに使えます。それを実現するために活用したいのが新NISAでの高配当株投資です。今回は、新NISAで月1万円の配当金を得る方法を一緒に考えてみましょう。
そもそも高配当株投資とは?
企業が利益の一部を株主に分配することを配当といいます。高配当株とは、株価に占める配当金の割合(配当利回り)が高い銘柄のことです。何%からが高配当という定義はないのですが、配当利回りが3%を超えると高配当といわれます。
ただ、「配当利回りを見てとにかく高配当株に投資すればよい」というほど、高配当株投資は単純ではありません。本当に配当金をたくさん出してくれる高配当株ならばいいのですが、配当利回りの計算式は「年間予想配当金÷株価×100(%)」。株価が下落することでも配当利回りは増加してしまうのです。高配当株に安易に飛びつくのは危険というわけです。
そこで活用したいのが、高配当株ファンドです。
高配当株ファンドは1本買うだけで複数の高配当株に分散投資できます。仮に組み入れられている銘柄のどれかの業績が悪化し、減配や無配になったとしても、他の銘柄からの配当などでカバーできる、というわけです。
そのうえ、高配当株の株価は銘柄によってまちまちですが、投資信託ならばネット証券の場合100円程度、その他の金融機関でも1000円程度の少額から積立投資ができるようになっています。毎月いつ、どの商品を、いくら積み立てるかを設定すれば、あとは自動的に投資が進みます。投資信託から得られる分配金も、設定すれば自動的に再投資でき、利益が新たな利益を生み出す複利効果も得られます。
また、新NISAで高配当株ファンドに投資すれば、配当金や分配金も非課税ですので、より効率よくお金を増やすことができます。新NISAの非課税期間は無期限で、生涯にわたって続きます。ですから、高配当株ファンドを保有し続けていれば、分配金非課税の恩恵も10年、20年、30年……と受け続けることができるでしょう。
高配当株ファンドにはどんな商品がある?
高配当株ファンドには、たとえば次のような商品があります。なお、以下のデータは2024年3月22日時点のものです。
●SBI 日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)
基準価額:12,058円
純資産総額:602.47億円
信託報酬:0.099%
配当利回り水準が平均より高い銘柄を中心に投資する高配当株ファンド。企業の収益性・安定性を勘案して投資先を選んでいます。組み入れ銘柄の予想配当利回りも3.98%と高水準です。2023年12月に運用の始まったファンドですが、すでに純資産額は500億円を突破しています。信託報酬も0.099%ととても安いことから、人気が集まっています。
●Tracers日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)
基準価額:10,969円
純資産総額:32.59億円
信託報酬:0.10725%
日経平均株価の構成銘柄から予想配当利回り上位50社に投資する高配当株ファンドです。奇数月に分配金が得られるので、年金を受け取っている人であれば、奇数月はTracers日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)からの分配金、偶数月は年金を受け取れるので、毎月収入のある状態を作り出せます。信託報酬が0.10725%と、こちらもかなりの低水準です。
●楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド
基準価額:21,640円
純資産総額:171.26億円
信託報酬:0.192%
5年トータルリターン(年率):16.77%
マザーファンドを通じて米国バンガード社のETF、米国高配当株式ETF(VYM)に投資する投資信託です。VYMに直接投資するよりは手数料が高いですが、それでも0.2%を切る信託報酬で手軽に米国高配当株式に分散投資ができます。
高配当株ファンドに投資して月1万円の配当金を得るには?
仮に「SBI 日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)」に投資して、月1万円の配当金を得るには、いくらの投資が必要なのでしょうか。
SBI 日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)は、毎年1・4・7・10月の年4回決算を行い、分配金を出す予定です。2023年12月に運用が始まったばかりで、初回の分配金は2024年4月に支払うことになっています。
SBI 日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)の組入銘柄の配当利回りは3.98%(2024年2月29日時点)となっています。仮にこの配当利回りが同ファンドで得られるとすれば、およそ300万円の投資で月1万円(=年12万円)の配当金が得られる計算になります。
SBI 日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)に新NISAで投資する場合は、成長投資枠を利用します。成長投資枠では、年間240万円まで投資できます。したがって、1年間に240万円満額投資できるなら、2年目には300万円の投資が完了し、毎月1万円の配当金が得られることになります。
ただ、1年間に240万円投資できる人は、なかなかいないと思います。もう少し現実的なラインで300万円の投資をすることを考えてみましょう。 たとえば、月1万円・3万円・5万円・10万円ずつ同ファンドに投資して、この間年3%ずつ資産が増えたとします。この場合、資産総額が300万円に達するまでの期間は、次のようになります。
<資産が300万円に達するまでの期間>
(株)Money&You作成
もちろん将来、運用によって資産がどのように増えるかはわかりません。しかし、たとえば毎月3万円ずつの投資でも7年半ほどで月1万円の配当が得られる状態を作り出せる可能性があるというわけです。
新NISAで高配当株ファンドを狙おう
高配当株に投資するメリットと主な高配当株ファンドを紹介しました。新NISAで購入することで、安定した配当金が得られるのはもちろん、値上がり益も期待できます。ぜひ活用を検討してみてくださいね。
*本記事で紹介した商品については、あくまでも参考として申し述べたものであり、売買を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願い致します。
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畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
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