23/06/22
2023年「夏のボーナス」どうなる?歴史的賃上げのなかで増えるのか
そろそろ夏のボーナス支給時期が近づいてきてワクワクしている方も多いのではないでしょうか。2023年の夏のボーナスは、物価上昇に伴う定例給与の賃上げなどの影響から支給金額がアップするのではないかと予想されています。各社のエコノミストが発表している調査データをもとに、2023年夏のボーナスがどうなるのか見ていきたいと思います。
東証プライム上場企業のボーナス平均額は79万4008円
一般財団法人労務行政研究所によると、東証プライム上場企業118社の今夏のボーナス妥結平均額は79万4008円となり、前年比1.5%の増加となりました。
●2023年夏季賞与・一時金の支給水準(東証プライム上場企業118社)
一般財団法人労務行政研究所 「東証プライム上場企業の2023年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査」より
産業別に見てみると、製造業で82万7713円(前年比プラス2.3%)、非製造業で68万412円(前年比マイナス1.9%)と増加率は製造業が大きく上回っています。
さらに細かく業種別でみていくと、2022年夏のボーナスから金額の伸びがもっとも高いのは「鉄鋼」で前年比プラス17.2%の85万円、続いて前年比プラス4.5%の「機械」は79万968円となっています。
一方、昨年より支給額がもっとも減少した業種は「電力」となっており、前年比マイナス9.8%の68万8167円です。世界情勢や物価高騰などにより厳しい状況の業種もあるようです。
中小企業のボーナスは増えるの?
上場企業はボーナスをそんなにもらえても、「中小企業は増えないのでは?」と心配している方もいるかもしれません。しかし、各社のエコノミストは、民間企業全体でもボーナスの増加を予想しています。背景にはコロナの影響が一段と和らいだことや企業業績が好調であったことが挙げられています。ボーナスは定例給与をベースに算出されているので、2023年春闘で行われた定例給与の大きな賃上げもボーナスの増加の一つの要因と言えます。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングでは、民間企業一人当たりの支給額は40万276円(前年比プラス2.8%)となっており、2年連続で増加すると予想されています。また、製造業は53万9565円(前年比プラス2.4%)、非製造業は37万3217円(前年比プラス3.1%)となっており、コロナ禍から回復が遅れていたサービス業などの増加が大きくなると予想されています。また、国家公務員は63万7400円と前年比9.0%の増加予想となっています。
●2023年夏のボーナス見通し
三菱UFJリサーチ&コンサルティング「2023年夏のボーナス見通し」より
みずほリサーチ&テクノロジーズでは、2023年夏の民間企業の一人当たりのボーナス支給額は39万6285円(前年比プラス1.8%)と予想しています。また、公務員の給与は73万1214円(前年比プラス11.3%)と大きく上昇しています。これは、国家公務員の給与は昨年夏のボーナスが給与改正法の成立が遅れ、一時的に少なくなっていたことが影響しています。
●2023年夏季ボーナスの見通し
みずほリサーチ&テクノロジーズ「2023年夏季ボーナス予測」より
夏のボーナスの散財は厳禁!
新型コロナウイルスが季節性インフルエンザと同じ5類に変更されたことにより、今までより開放的な気持ちになっている人も多いのではないでしょうか。今まで我慢してきた分、今回のボーナスはついついパーッと使ってしまいたくなるかもしれません。しかし、もらえる金額が増えたからと言って、増えた分だけ使ってしまうことは厳禁です。
今後も様々な物価の上昇が見込まれており、日々の生活費は増加する傾向にあります。この夏のボーナスは“貯めるお金”と“使うお金”をしっかりと分けて計画的に使うことをお勧めします。
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渡部ナオコ ファイナンシャルプランナー
大学卒業後から現在まで金融業界一筋のアラサーワーママ。結婚・出産・子育て・マイホーム購入などの自身の経験から、一人でも多くの女性の悩みを解決したいと思い執筆を開始。
プライベートでは一人娘の育児に奮闘中。
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