23/07/28
2倍3倍も当たり前「金融機関の手数料」値上がりが続いているのは本当?
様々なものが値上げされている昨今。金融機関の手数料も例外ではありません。近年、金融機関の手数料はたびたび値上がりしてきています。今回は銀行の手数料の値上げの事例を解説したうえで、手数料をなるべく払わないようにする対策をご紹介します。
銀行ではどんな手数料がかかる?
銀行のサービスを利用するとかかる主な手数料には、次のものがあります。
・預入手数料:銀行口座にお金を預けるときに支払う手数料
・引出手数料:銀行口座にあるお金を引き出すときに支払う手数料
・振込手数料:銀行口座にあるお金を他の口座に振り込むときに支払う手数料
・両替手数料:銀行でお金を両替したときにかかる手数料
・通帳発行手数料:紙の通帳を発行したときにかかる手数料
・未利用口座手数料:長期間利用されていない口座の管理にかかる手数料
ご存じのとおり、手数料のなかには、所定の日時・ATMなどを利用することで無料になるものもあります。また、時間外に利用したり他行ATMを利用したりすると高くなることが多くあります。
三菱UFJ銀行で振込手数料が大幅値上げ
2023年4月に三菱UFJ銀行は2023年10月2日より店頭窓口・ATMでの振込手数料を値上げすることを発表しました。具体的には、次のとおりです。
●三菱UFJ銀行の振込手数料
三菱UFJ銀行の資料をもとに(株)Money&You作成
三菱UFJ銀行のATMで振込をする場合、三菱UFJ銀行のキャッシュカードを利用しても最低110円の手数料がかかることに。他行のキャッシュカードや現金、店頭窓口で振込をした場合にはこれまでの2倍・3倍の手数料がかかる場合もあるのです。
このほか、両替手数料も550円から770円にアップ(11枚から500枚の場合)。2023年11月20日からは外国送金手数料もアップする予定です。
一方、ネットバンキングの手数料については変更がありません。金融機関側でコストのかかる取引の手数料を上げて、ネットバンキングを利用してもらおう、という考えが透けて見えます。
銀行の手数料値上げが相次いでいる
三菱UFJ銀行に限らず、この数年、銀行の手数料値上げが相次いでいます。
たとえばゆうちょ銀行では、2022年1月から手数料が値上げ・新設。窓口やATMで現金を利用して振込をする場合には、1件ごとに110円の手数料がかかるようになりました。また、硬貨を預ける際に硬貨取扱料金が有料化したことも話題に。窓口で50枚まで預ける分には無料ですが、51枚からは手数料がかかるように。ATMでは1枚から手数料がかかるようになりました。
通帳発行手数料は、以前は無料でしたが、最近ではペーパーレス化や管理費用の増大から有料化が進んでいます。たとえば、三菱UFJ銀行と三井住友銀行では年間550円、みずほ銀行では通帳の繰越・発行ごとに1100円かかります(いずれも手数料有料化の口座では引き続き無料)。
何年も使っていない口座にかかる未利用口座手数料も同様で、まったく使っていない口座の維持に対して手数料を設ける銀行が増えています。
メガバンクだけでなく地銀などでも同様に、振込手数料やATMの利用手数料の値上げに踏み切るところが多くあります。
手数料が上がる背景には、金利が低くて銀行の収益が上がりにくくなっていることや、キャッシュレス決済の浸透によって銀行窓口やATMの利用機会が減っていることが挙げられます。
手数料を払わなくて済む方法はあるのか?
このような状況で、銀行の手数料を払わなくて済む方法はあるのでしょうか。少しでも手数料を抑える対策をご紹介します。
●現金はまとめて引き出しておく
現金を引き出す際に利用する手数料も、毎月何回も利用すると大きな金額になってしまいます。現金が必要な場合は可能な限り、9時から17時などの手数料のかからない時間にまとめて引き出しておくとよいよいでしょう。
●ネット銀行をうまく使う
ネット銀行は、店舗を持たずネットだけで取引が完結する銀行です。ネット銀行でもメガバンク同様、振込手数料や引出手数料はかかりますが、メガバンクほど高くはありません。さらに、多くのネット銀行では一定の条件を満たすと、無料になります。
例えば、住信SBIネット銀行では、同行のアプリとスマートフォンに登録された本人確認情報を紐づける「スマート認証NEO」という認証機能を利用するだけで、ATMからの入出金、他行宛の振込手数料が月5回ずつ無料になります。
●個人間送金サービスのあるアプリを使う
友人や同僚とのお金のやり取りはできる限りPayPayやLINE Payなどの個人間送金サービスのあるアプリを使用することをおすすめします。現状、これらのアプリでの送金に手数料はかかりません。受け取った金額をそのままお店などの支払いに当てることができるので、大変便利です。
まとめ
業界トップの三菱UFJ銀行が手数料の値上げを発表したため、他の銀行の手数料値上げも時間の問題かもしれません。手数料が自分にとって最も有利になる金融機関についての情報を集めると共に、できる限りキャッシュレス決済やネットバンクなどを利用し、賢く金融機関と付き合っていきましょう。
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渡部ナオコ ファイナンシャルプランナー
大学卒業後から現在まで金融業界一筋のアラサーワーママ。結婚・出産・子育て・マイホーム購入などの自身の経験から、一人でも多くの女性の悩みを解決したいと思い執筆を開始。
プライベートでは一人娘の育児に奮闘中。
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