18/03/29
名前は似ているけど、全然違う!収入保障保険と所得補償保険の違い
「収入保障保険」と「所得補償保険」、どちらもいざというときに収入をカバーしてくれる保険です。しかし、内容と目的は全く違います。
今回は、保険の仕組みやどんな人に向いているのか、収入保障保険と所得補償保険についてわかりやすく解説します。
収入保障保険と所得補償保険の概要
収入保障保険と所得補償保険の概要を比較表にしました。なお、所得補償保険は、生命保険会社が販売している場合は、「就業不能保険」と呼ばれています。
ちなみに、「保障」と「補償」の意味の違いはわかりますか?
言われてみると、意外と答えられないこの二つの言葉。保障とは、現在・将来の権利、自由、安全を保護することです。例えば、生活レベルを護るために収入を確保することです。一方、補償とは、損害が出た場合に費用を穴埋めすることです。
それぞれどんな人に向いている?
収入保障保険は、死亡した時に受け取れる保険です。小さいお子さんをお持ちの家庭やローンの支払いが長期間残っている方など一定期間まとまった収入を遺族に残したい方に向いています。
一方、所得補償保険は、ケガや病気などで働くことができなくなったときに収入減少を補てんしてくれる保険です。休業補償がない自営業者やフリーランスの方や会社員の中で病気による収入減少のリスクをカバーしたい方に向いています。
収入保障保険の注意点
収入保障保険は、契約してから数年は割安ですが、そのあとは保障額が減っていくため後半は保険料負担が割高になります。保険期間の半分を目途に定期保険への切り替えを検討することも対応策の一つです。新たに家族が増えたときや数年経過したタイミングで保険の見直しを行うようにしましょう。
収入保障保険は、分割のほかに一括で受け取ることもできます。しかし、一括で受け取る場合は分割に比べ受け取れる総額が少なくなります。受け取りの期間を前倒しすることで保険会社での運用益が得られなくなり、その分差し引くことになるからです。
所得補償保険の注意ポイント
所得補償保険の就業不能の基準は、病気やケガで働けなくなった時です。補償される就業不能のケースは、販売する保険会社により異なることがあります。例えば、うつ病などの精神障害の場合です。
また、所得補償保険は、就業不能になったらすぐに保険金がもらえるわけではありません。免責期間といって、保険金の支払いが保留される期間があります。免責期間は保険会社によってさまざまで、7日間と短期間のものもあれば、60~365日間など長期間のものもあります。
まとめ
保険は安心を提供してくれるものです。保障の過不足はご自身の現状や将来のライフプランをもとに判断します。必要最低限の保険はいざというときに残される大切な人を保障してくれるお守りになります。
遺族のために生活資金を保障したいのか、自分が働けなくなった時に収入減少を補てんしたいのか、目的に応じて収入保障保険と所得補償保険を使い分けることは保険を活用するのがポイントです。そして、保険の内容をしっかり理解し、目的を考えて賢く保険を選びましょう。
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山田 香織 中小企業診断士、 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
FP歴10年。会計事務所で11年間、経営・税務相談業務を経験した後、FP事務所を開業。
個人から中小企業者まで経営に関する相談実績がある。現在は、会計・税務の経験を活かして、家計・経営相談を受ける。執筆活動も積極的に行う。
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