22/12/05
学歴によって平均賃金・生涯年収はいくら違うのか
「年収や社会的地位に学歴は関係ない」とよく言われます。もちろん、学歴に関わらず活躍し、高い年収や社会的地位を築いている人もいます。しかし実際のところ、学歴によって年収はいくら違うのでしょうか。今回は、厚生労働省などが公開しているデータをもとに、学歴による年収の違いを解説します。また、学歴に関係なく年収を上げるために心がけておきたい5つのことをご紹介します。
学歴による年収の違いはどのくらい?
厚生労働省が発表した「令和3年賃金構造基本統計調査」には、高校、専門学校、高専・短大、大学、大学院の学歴別の平均賃金が載っています。
●学歴別・性別の平均賃金
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より作成
学歴別にみた平均賃金(男女計)は、高校卒で約27万円、専門学校卒、高専・短大卒は約29万円、大学卒で約36万円、大学院卒で約45万円となっています。高校卒と専門学校卒と高専・短大卒には大きな差がない一方、大学卒や大学院卒となると平均賃金が大きく上昇していることがわかります。
この金額を12倍すると、学歴別の平均年収がわかります。
●学歴別・性別の平均賃金(年収)
学歴ごとの平均年収(男女計)は、高校卒が約326万円なのに対し、大学卒では約431万円と、3割以上多くなっています。さらに、大学院卒は約545万円ですから、高校卒とは実に6割以上、200万円以上の差があることが分かります。
なおこの金額は平均賃金を12か月で掛けて算出したため、ボーナスなどは含まれておりません。ボーナスなどを含めた場合、もっと差が広がるかもしれません。
生涯年収も大きく違う
労働政策研究・研修機構が発表した「ユースフル労働統計2021」によると、生涯賃金も同様に大学院卒が最も高く、高校卒が最も低いという結果が出ています。
●学歴別の生涯年収の違い
・男性
高校卒 2 億 1 000万円
高専・短大卒 2 億 2 000万円
大学・大学院卒 2 億 7 000万円
・女性
高校卒 1 億 5 000万円、
高専・短大卒 1 億 8 000万円
大学・大学院卒 2 億 2 000万円
高校卒と大学・大学院卒の差は男性で6000万円、女性で7000万円あることが分かります。この金額には退職金は含まれていませんが、退職金は給与をベースに算出されることがほとんどのため、これらを加算すると更に学歴による生涯年収の格差は大きくなるでしょう。
年収を上げるために日頃から心がけておきたいこと
学歴と年収の関係をデータから紹介してきましたが、年収は、ただ学歴だけで上がるわけではありません。年収を上げるためには、日頃から5つのことを心がけておくことが大切です。
●年収を上げる心がけ1:自分の仕事分野の勉強を続け専門性を高める
今の自分の仕事の専門スキルを上げることは収入アップにつながりやすいでしょう。例えば、財務部門に在籍している人であれば、簿記など勉強をすることで、業務の専門性が高まり、昇進・昇給につながる可能性があります。
●年収を上げる心がけ2:資格を取得する
職場によっては資格を取得することで手当が支給される場合があります。例えば、不動産業界であれば宅建を取得したり、財務部門であれば会計士や税理士などハードルの高い資格を取得したりすることで大きく年収がアップする可能性があります。積極的に資格を取り収入アップを目指しましょう。
●年収を上げる心がけ3:会社の人事評価の制度を知る
意外と見落としがちですが、会社の人事評価の目線をしっかりと理解しておくことは大切です。例えば、会社や所属している部署の方針や自身が求められている役割などをしっかりと理解し、業務を遂行することで昇進のスピードに差がつくでしょう。
●年収を上げる心がけ4:転職サイトで自分の市場価値を把握しておく
今の仕事で収入を上げることが厳しいようであれば、転職も視野に入れるとよいでしょう。転職サイトなどに自分の経歴や現在の年収などを登録することで、自分の市場価値を把握することができます。現在の年収より高い評価をしてくれる会社があれば積極的に転職を検討してみましょう。
●年収を上げる心がけ5:好きなことや趣味で副業を始める
もし、会社で許可されているのであれば、副業を始めるのもよいかもしれません。自分の好きなことや趣味などから、何か稼げるものがないか常にアンテナを張っておくこととよいでしょう。趣味などをブログなどで発信し、収入を得るといった方法もあります。
まとめ
データより学歴が高いほど収入が高くことを紹介してきました。しかし、専門性を高めたり、資格取得のために継続的に勉強をしたりすることや、転職や副業などで視野を広げることで年収をアップさせることができます。いろいろな方法で収入アップを目指しましょう。
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渡部ナオコ ファイナンシャルプランナー
大学卒業後から現在まで金融業界一筋のアラサーワーママ。結婚・出産・子育て・マイホーム購入などの自身の経験から、一人でも多くの女性の悩みを解決したいと思い執筆を開始。
プライベートでは一人娘の育児に奮闘中。
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