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18/07/20

家計・ライフ

給与明細表から考えるお金の増やし方

毎月もらう給与明細表、みなさんは内容をチェックしていますか?
振り込まれる金額しかチェックしないというのは、少しもったいない気がします。
給与の内容を把握することは、適正に給与計算がされていることを確認するだけでなく、貯蓄など、お金を増やす計画を立てるうえでも大切なポイントになります。
今回は、給与明細表から考えるお金の増やし方について解説します。

3つのグループにわけられる給与明細表

給与明細表は、会社により様式は異なりますが概要は同じです。大きく勤怠項目、支給項目、控除項目の3つのグループにわけられます。

勤怠項目には、労働日数と出勤日数、残業時間などが記載されます。支給項目には、支給される給与の額面や各種手当の金額が記載されます。そして控除項目には、給与から天引きされる社会保険料や税金が記載されています。これらは、法律で支払うことが義務付けられています。会社がいったん預かって、各行政へ支払います。

この給与明細表には、お金を貯める・増やす・もらうためのヒントがたくさん詰まっています。

「速攻で積み立て」こそ貯金の王道!

支給額を見るとそれなりでも、「貯金がなかなかできない」という方は、給与の一部をすばやく積み立てにまわし、残ったお金で生活費をまかなう状況にしてしまうのがいいでしょう。貯蓄を先取りすることで無駄遣いが減り、確実に貯蓄することができます。
積立額は、支給額の1割を目安にスタートしてみてください。

銀行の積み立てを活用する場合、振替日を給与振り込み日に合わせれば、自動的に給与を先取りしてくれます。また、会社で財形貯蓄制度があれば、ぜひ検討してください。

財形貯蓄制度とは、会社が給与から天引きしたお金を契約する金融機関に積み立てる制度で、3種類あります。一般財形貯蓄は、給与を先取りしてお金を貯め、自由に引き出しもできる制度です。税経年金貯蓄と財形住宅貯蓄は、年金、マイホーム購入など目的に合わせた貯蓄制度で、預金利息が非課税になる税制優遇がメリットです。

資産運用でお金を増やすならつみたてNISA(積立NISA)

銀行で積み立てをしても預金利息が少ないのが現状です。積み立てで利息以上にお金を増やしたいと考えるならば、つみたてNISA(積立NISA)を検討してください。
つみたてNISA(積立NISA)は、20歳以上が利用できます。年間40万円までのつみたてによる投資の運用益が最大20年間非課税になります。

投資の対象は、金融庁の基準を満たした投資信託です。投資未経験者の「はじめの一歩」にピッタリです。ただし、元本が減るリスクもあることには注意しましょう。

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)を使うと所得税や住民税が減らせる!

所得税、住民税を減らしたいのであれば、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)を検討しましょう。将来の年金として積み立てできると同時に、掛金全額が所得控除できるので所得税と住民税が減ります。積み立てた資金は60歳まで引き出せないこと、専用口座を作るときとその管理に手数料がかかることがデメリットですが、それを補って余りある強力な節税効果が得られます。

健康保険に加入しているから疾病・出産関連の補助金がもらえる

健康保険料は、会社員であれば基本的に全員加入するものです。健康保険料を負担することで病気やケガのときの治療代や薬代が3割負担で済んでいます。

また、病気により働けなくなった時の傷病手当金、出産で休みをとるときに産前産後98日間給付を受けられる出産手当金、出産のたびに受け取れる出産一時金が支給されます。働くことができない状況でも収入が得られるところがメリットです。

雇用保険に加入しているから失業給付が受けられる

会社員であれば雇用保険に加入しています。雇用保険は、失業給付やスキルアップのための教育費の一部をサポートしてくれます。
失業給付を受けるには、退職前の2年間で12ヶ月以上雇用保険に加入していることが条件です。給与日額の50~80%を勤務日数の長さにより決められた支給期間中受け取ることができます。

まとめ

給与明細表をチェックすることは、お金を増やす良いきっかけになります。
特に、控除項目は必見です。どんな社会保険に加入しているのか、どんな給付を受けられるかを知っていれば、働いていることが安心にもつながります。
大事な情報が詰まった給与明細表です。いつもよりちょっとだけ、時間をとってチェックしてみてはいかがでしょう。

山田 香織 中小企業診断士、 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

FP歴10年。会計事務所で11年間、経営・税務相談業務を経験した後、FP事務所を開業。
個人から中小企業者まで経営に関する相談実績がある。現在は、会計・税務の経験を活かして、家計・経営相談を受ける。執筆活動も積極的に行う。

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