16/02/15
給与明細は貯蓄のための情報の宝庫!
会社員であれば毎月勤務先から受け取る給与明細。でも、その見方を知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?給与明細には、私たちが家計管理や貯蓄をしていく上で重要な様々なお金の情報が載っています。ぜひ、給与明細の見方をマスターしましょう。
給与明細の見方をマスターしよう!
給料明細は大きく「勤怠」「支給」「控除」の3つのブロックに分かれています。まず、「勤怠」ブロックから自分の時間給を割り出しましょう。図表の通り、勤怠ブロックには出勤日数や労働時間がのっています。自分は時間いくらで働いているかを知ることは貯蓄を意識する上でも重要です。「基本給÷所定労働時間」で計算できます。
そして毎月必ず一定額でもらえる項目(固定給)と月によって変動する項目(変動給)に分け、支給額合計に対する変動給の割合を把握します。
「変動給÷支給額合計」で計算できます。毎月の変動給の変動幅が多いと月によって収入が大きく変わってきます。変動給が多く、収入が多いときには使いすぎないように注意することが大切です。変動給分はすべて貯蓄にまわせるような家計管理を心掛けましょう。
明細から見えるお金の貯め方!
貯蓄をする上でも給与明細は役立ちます。給与明細の中の「控除」ブロックに注目してください。控除の項目には勤務先が行っている制度の情報が載っています。団体保険料、持株制度、財形貯蓄、確定拠出年金本人負担分などがあれば優先的に活用してください。
なぜなら、給与天引きなので知らない間にお金が貯まっていくからです。確定拠出年金は天引きされた掛金が毎年全額、「社会保険料控除」として所得から控除され、支払う税金が安くなります。また財形貯蓄は特に目的がなければ一般財形を利用すればよいですが、住宅取得が目的なら「財形住宅」、老後の年金のためなら「財形年金」を活用すると便利です。どちらも目的通りに使用すればもらった利息に税金がかからないなど、税制上優遇されます。
社会保険料は貯蓄と保険!
「控除」欄にある「健康保険料」「介護保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」はまとめて「社会保険料」と言われています。
健康保険料を納めることによって、病気やけがによる治療費の7割補てんだけでなく、全く労働できずに給料の支払いがなかったときには「傷病手当金」といってお給料の3分の2が最長1年6カ月にわたって支給されます。
介護保険料は自身が介護を受ける状態になったときに介護サービスを受けるための費用負担。40歳以上の人は加入義務があります。40歳になって介護保険が差し引かれていることに気がつかず、手取りが減ってしまった…という人は少なくないようです。
厚生年金保険料を納めることによって、老後の年金や自分が障害状態になってしまったときの生活費として、老齢年金、障害年金が支給され、亡くなったときの遺族の生活費の補てんとして遺族厚生年金が支給されます。
雇用保険料を納めることによって、失業したときの当面の生活費や再就職のための教育に対して費用の一部補助がうけられます。
このように社会保険はいざというときにとても役にたつ制度。補償の内容がわかれば、無駄な保険への加入を避けることができますね。そして、これらの保険料については、勤務先も一定の金額を負担してくれています。こう考えると、毎月の保険料の支払いも前向きに捉えられるのではないでしょうか。
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小野 みゆき 中高年女性のお金のホームドクター
社会保険労務士・CFP®・1級DCプランナー
企業で労務、健康・厚生年金保険手続き業務を経験した後、司法書士事務所で不動産・法人・相続登記業務を経験。生命保険・損害保険の代理店と保険会社を経て2014年にレディゴ社会保険労務士・FP事務所を開業。セミナー講師、執筆などを中心に活躍中。
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