17/01/13
一生涯保障の終身保険と一定期間保障の定期保険どっちがいいの?
お客様のマネー相談の中で上位にランクインされる相談といえば、保険の相談。
いざ保険に加入しようと思っても、さまざまな種類がありどれを選んだらよいのかわからないよう。中でも死亡保障の保険への加入を検討する際、「終身保険」と「定期保険」どちらに加入した方がよいのか迷うケースが多いようです。どちらも死亡保障を得るために加入する保険ですが、それぞれメリット・デメリットがあります。
終身保険、定期保険、それぞれの特徴を良く理解して、自分に合った保険を選ぶようにしましょう。
いつ亡くなっても必ずもらえる終身保険
死亡保障を得るために加入する保険として「終身保険」と「定期保険」がありますが、それぞれメリット・デメリットがあります。まずは、終身保険からみていきましょう。
終身保険は、保障が一生続く保険です。養老保険のように満期保険金はありませんが、若くして亡くなっても、長生きして亡くなっても必ず遺族に「死亡保険金」を遺すことができます。既婚、未婚を問わず、家族に迷惑をかけたくないので、お葬式代の数百万円は準備したいという理由で加入する人が多いようです。いつも亡くなっても保険金を受け取りたいという人には向いているでしょう。保険料の払い方に関しては、保障が続く限り一生払い続ける「終身払い」もありますが、「60歳まで」「65歳まで」などと、期間を決めて払うのが一般的です。
また、終身保険は払った保険料の一部が少しずつ保険会社の中に貯まっていくタイプの保険です。ですから、保険期間の途中で解約すると、その時点で貯まったお金を「解約返戻金」として受け取れます。ただし、解約返戻金が受け取れる分、保険料がそれなりに高いので、大型の保障を終身保険だけで準備するのは難しいのが現状です。
一定期間死亡保障がある定期保険
一方、定期保険を見てみましょう。定期保険は、事前に保険金額と保険期間を決めて購入する保険のこと。いつ亡くなったときでも保険金を受け取れる終身保険とは違い、定期保険は、一定期間の死亡に対して使える保険です。事前に決めた定期保険の保障期間を1日でも過ぎると、保険金は受け取れません。ただし、定期保険では一定期間ではありますが大きな金額の保障を得ることができます。例えば、子供が成人するまでの間、大型の保障がほしいという人には向いている保険といえるでしょう。
定期保険は安い保険料で大きな保障が手に入りますが、満期保険金はなく、解約返戻金もないか、あってもごくわずかです。いわゆる掛け捨て型の保険といわれます。
ちなみに、30歳女性が1000万円の保障をつけ60歳まで保険料を支払う場合、保険会社によりますが、終身保険だと保険料は1万程度、定期保険だと2000円程度のところが多いようです。
後編では、終身保険と定期保険の機能を兼ね備えている定期付終身保険の紹介に加えて、終身保険、定期保険を選ぶ際の注意点を解説します。
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高山 一恵 ファイナンシャルプランナー
(株)Money&You取締役。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。女性向けWebメディア『FP Cafe』『Mocha(モカ)』や登録者1万9000人超のYouTubeチャンネル『Money&YouTV』を運営すると同時に、全国で講演活動、執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『マンガと図解 定年前後のお金の教科書』(宝島社)、『11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)など書籍100冊、累計170万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。X(旧Twitter)→@takayamakazue
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