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21/10/20

家計・ライフ

人生100年時代に重要な「後期高齢者医療制度」、健保・国保とどう違うのか

国民皆保険の日本では、必ず公的医療保険に加入することになっています。その加入先は年齢や職業などにより異なります。なかでも、高齢者が加入するのが「後期高齢者医療制度」です。ここでは、後期高齢者医療制度の概要と他の公的医療保険との違いをご紹介するほか、高齢になってからの医療費への備えについてお伝えします。

後期高齢者医療制度はどのようにして生まれた?

後期高齢者医療制度とは、75歳以上の人が加入する公的医療保険の1つで、2008年(平成20年)4月から運営が始まりました。

それまで高齢者は国民健康保険か健康保険のいずれかに加入し、老人保健制度によって医療を受けてきました。老人保健制度の運営費用は、公費と現役世代などが納める保険料で賄われてきました。しかし、高齢者と現役世代の医療費負担の関係が不明瞭であることと、保険料の納付先は各健康保険でありながら、高齢者への医療費給付は市区町村が行うというように、納付先と給付先が分離していたため、財政面での責任も不明確になっていたのです。加えて、加入する健康保険や住んでいる市区町村によって負担する保険料に大きな差が出ていました。

そこで、高齢者と現役世代の医療費負担を明確にし、保険料の納付先と給付先を一元化して、市区町村の医療費水準に応じた保険料を高齢者が公平に負担できるような仕組みをつくりました。これが後期高齢者医療制度です。

後期高齢者医療制度の運営は、各都道府県の後期高齢者医療広域連合が行い、運営費用も公費が5割、現役世代が負担する保険料からの支援金が4割で、残り1割を後期高齢者が負担する保険料から賄うというように、費用負担が明確化されました。

国民皆保険制度を維持し、持続可能な公的医療保険制度とするために創設された後期高齢者医療制度は、高齢者がいつまでも安心して医療を受けられる制度として運営されています。

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日本の公的医療保険は大きく分けて3つ。その違いは?

公的医療保険制度は大きく分けて「健康保険」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」の3種類があり、すべての国民はいずれかに加入することになっています。その加入先は年齢や職業などにより異なります。では、それぞれの内容を見ていきましょう。

●健康保険

ここでいう健康保険とは、会社員や公務員が加入するものです。その運営は、会社員の場合は企業の健康保険組合、全国健康保険協会(協会けんぽ)で、公務員の場合は所属する団体の共済組合になります。加入者と生計を共にする75歳未満の家族は、被扶養者として同じ健康保険に加入することができます。

健康保険の自己負担割合は、通常は3割負担で、未就学児は2割負担です。70歳~74歳の場合は、一般・低所得者は2割負担ですが、現役並みの所得者は3割負担になります。

健康保険の保険料は、加入者本人の標準報酬月額による等級(第1級~第50級)で決まり、その額を会社と折半します。家族分については保険料の負担はありません。

●国民健康保険

国民健康保険は、会社員や公務員が加入する健康保険に加入していない75歳未満の人が加入するものです。自営業者や個人事業主、フリーランス、無職の人などが加入対象となります。

国民健康保険の自己負担割合は健康保険と同じく、通常は3割負担、未就学児は2割負担、70歳~74歳の一般・低所得者は2割負担、現役並みの所得者は3割負担となります。

国民健康保険の保険料は、医療分(加入者の医療給付に充てられる分)、支援金分(後期高齢者医療制度への支援金)、介護分(介護保険に加入する40歳以上75歳未満の人が納める分)に区分され、それぞれの区分から算出された所得割と均等割を合算した額となります。自治体によっては平等割が加わるところもあります。保険料は世帯単位で納めることになっており、毎年最高限度額が設定されます。2021年度の最高限度額は、介護分を負担しない世帯は82万円で、介護分を負担する世帯は99万円です。

●後期高齢者医療制度

75歳以上の高齢者を対象とした後期高齢者医療制度は、75歳の誕生日を迎えると自動的に加入します。
病院の窓口で支払う医療費の自己負担割合は以下の通りです。
・一般:1割
・現役並みの所得者:3割

また、団塊世代が75歳以上になり始める2022年4月からは、高齢者への医療給付の増加を見越して、自己負担割合の見直しが行なわれる予定です。これまで1割負担だった一般の人のうち、課税所得が28万円以上かつ年収200万円以上の人は2割負担となります。実施される時期はまだ正式には決まっていませんが、2022年後半になる予定です。

後期高齢者医療制度の保険料は、所得に応じた所得割とすべての人が均等に払う均等割を合算した額になります。2021年度は所得割の最高限度額は64万円で、均等割は4万4100円。保険料は2年ごとに見直されます。

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高齢になってからの医療費にどう備える?

誰でも高齢になると身体機能や免疫機能が衰えてくるため、どうしても病気にかかりやすくなります。そのため、高齢者は若い頃に比べると、医療費が多くかかるかもしれません。では、高齢になってからの医療費はどのように備えるのがいいのでしょうか?

医療費が増えるのであれば、終身型の医療保険に入ったほうがいいと考える人がいるかもしれません。しかし、その前に忘れてはならないのが、公的医療保険で受けられる医療助成の存在です。

日本では誰もが公的医療保険に加入することになりますが、それには医療費を助成してくれる制度があります。その代表的なものが「高額療養費制度」です。これは、1ヶ月の医療費負担が自己負担限度額を超えた場合、その超えた分が後から払い戻される制度で、健康保険、国民健康保険のほか、後期高齢者医療制度でも利用することができます。

また、高額療養費制度では、直近12ヶ月の中で高額療養費を3回支給されている世帯は、4回目以降の自己負担限度額が引き下げになる「多数回該当」も利用できます。
さらに、70歳以上の一般所得者と低所得者は、前年8月1日~7月31日の間、病院の外来でかかった医療費が14万4000円を超えた場合は、超えた額が払い戻されるのです。

このように、高額療養費制度は高齢者にとっては充実した制度であるといえるでしょう。それにもかかわらず、保険料を負担してまで民間医療保険に加入する必要があるかどうかは考えてみたほうがよいかもしれません。

ここでおすすめしたいのは、高齢になってからの医療費は必要経費と考え、現役世代のうちから貯蓄することです。いざというときは高額療養費制度を利用すれば、自己負担分を抑えることができます。高齢になってからの医療費を考えた貯蓄を進めていきながら、いつまでも安心できる生活を目指しましょう。

前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士

2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。

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