20/05/22
キャッシュレス決済の返金方法・返金時期は手段ごとに全然違う! スマホ決済の返金処理は?
購入した商品に不具合があり返品したい場合や、間違った金額で決済されてしまった場合、返金処理が必要になることがあります。現金払いであれば、商品を購入した店舗で現金を返金してもらえばよいのですが、キャッシュレス決済の場合はどうなるのでしょうか?
今回はキャッシュレス決済の手段ごとに、どのような方法で返金されるのかをご紹介します。
手段別!キャッシュレス決済の返金処理
●①クレジットカード
クレジットカード決済した商品やサービスのキャンセルが必要な場合、決済した店舗に連絡して返金処理を行ってもらう必要があります。商品の返品など必要な手続きを行い、返金処理を行ってもらいましょう。クレジットカード会社に直接連絡しても、返金処理には対応できません。
店舗側で返金処理が完了すると、クレジットカード会社の請求額から返金額が相殺されるかたちで返金されます。返金額がクレジットカード利用額より多い場合は、クレジットカード会社に登録している口座に返金されます。原則、現金では返金されません。
返金処理がクレジットカードの締め日に間に合わない場合は、翌月の請求から相殺されます。そのため実際に返金されるまでには1~2カ月程度かかります。返金処理から2か月以上経っても返金されない場合は、決済した店舗に問い合わせてみることをおすすめします。
●②デビットカード
デビットカード決済で返金処理が必要な場合も、クレジットカード同様、決済した店舗で対応してもらいます。返金されるタイミングは、J-Debit(手持ちのキャッシュカードで支払いできる決済サービス)と国際ブランド(VISAやJCBなど)のデビットカードで異なります。
J-Debitの場合、利用日にキャンセルすれば当日に銀行口座へ返金されますが、翌日以降にキャンセルした場合は店舗ごとに対応が異なるので決済した店舗に問い合わせましょう。一方国際ブランドのデビットカードの場合、決済した店舗の返金処理の状況によって、返金までに最大2カ月程度を要する場合があります。早めに返金してほしい場合は、決済した店舗に問い合わせてみましょう。
●③電子マネー
電子マネーの返金処理は他のキャッシュレス決済と異なり、現金で即時返金されるものがほとんどです。電子マネー残高としての返金はされません。電子マネーは利用上限が数万円程度と限定的で、コンビニやスーパーなど比較的少額な支払いに利用されることが多いため、例外的にこのような運用がされているようです。返金処理が必要な場合は、決済した店舗に申し出ましょう。
ただしQUICPayやiDなどポストペイ(後払い)方式の電子マネーの場合、決済当日中であれば取り消しが可能でクレジットカードの請求から相殺されるものもあります。
●④スマホ決済
スマホ決済も、決済した店舗での返金処理が必要です。ただしスマホ決済はサービスによって、残高払い・クレジットカード払い・ポイント払いなど複数の支払い方法があり、それに応じて返金方法も異なります。公式サイトなどで返金方法が確認できるスマホ決済について、下表にまとめました。
クレジットカード払いの場合は、請求額から相殺されるかたちで返金されます。一方残高払いやポイント払いの場合、残高やポイントとしてそのまま返金されるのが一般的のようです。
返金タイミングは、クレジットカード払いの場合はクレジットカード決済同様1~2カ月程度かかりますが、残高やポイント払いの場合はスマホ決済によってそれぞれ。たとえばPayPayの残高払いは返金処理を行ってから数日後、LINE Pay残高払いは返金処理日から1週間前後、楽天ペイのポイント払いでは返金処理完了時にポイントが返還されるとのことです。
具体的な返金方法や返金タイミングを公表していないスマホ決済もあるので、詳細が不明な場合は対象サービスの問い合わせ窓口や決済した店舗で確認してみるとよいでしょう。
キャッシュレス決済返金時の注意点
●付与されたポイントは差し引かれる
キャッシュレス決済では利用金額に応じてポイントが付与されますが、返金処理される場合はそのタイミングで獲得したポイントも取り消されます。返金処理の際にすでにポイントを利用してしまっている場合は、ポイント残高はマイナスとなり、それ以降の獲得ポイントと相殺される仕組みです。「返金処理前にポイントだけ先に利用してしまう」といった都合のよい裏ワザは使えないので注意しましょう。
●店舗や商品によっては返金されない場合もある
購入した商品に不具合がある場合などは返金してくれる店舗も多いですが、セール品や一部の商品、返品したい商品の状態などによっては返金の対象外となってしまう場合があります。とくにキャッシュレス決済を利用しやすいネット通販では実際に手に取って商品を確認することができないため、どのような場合に返金不可となるのかを十分に確認したうえで購入しましょう。
●返金に手数料や送料が差し引かれることも
キャッシュレス決済の返金処理によってクレジットカード会社や決済事業者から手数料が差し引かれることは原則ありませんが、決済した店舗や商品によっては、取消手数料や送料が差し引かれて返金される場合もあるので注意が必要です。
たとえば電車の切符や定期券、航空券などをキャンセルする場合は一定の取消手数料がかかるため、返金額からその手数料が差し引かれます。またネット通販の場合、返金の理由によっては送料分が差し引かれることもあります。とくに大型家具など送料が高い商品をキャンセルする場合は気を付けましょう。
まとめ
筆者は以前スーパーで間違った金額を電子マネーで支払ってしまった際に、その差額を現金で返金され少し戸惑った経験があります。キャッシュレス決済と一口にいっても、返金処理の方法はそれぞれなのですね。とくにクレジットカード決済やスマホ決済のクレジットカード払いなど返金までに時間がかかる場合は、請求額から正しく相殺されているか忘れずに確認するようにしましょう。
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鈴木靖子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
銀行の財務企画や金融機関向けコンサルティングサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わるなか、その経験を個人の生活にも活かしたいという思いからFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。
HP:https://yacco-labo.com
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