20/07/07
LINE Pay、PayPay、楽天ペイを5つのポイントで検証比較! おすすめはこのアプリだ
キャッシュレス決済の普及が加速している昨今。中でもQRコード決済の普及は著しく、さまざまなサービスが乱立している状態です。今回はその中でも知名度の高い「LINE Pay」「PayPay」「楽天ペイ」をさまざまな切り口から比較し、一番使いやすくておトクなのはどれなのかを検証します。
キャッシュレス決済アプリは2種類ある
はじめにキャッシュレス決済アプリの種類について整理しておきましょう。キャッシュレス決済アプリには、大きく分けて以下の2種類があります。
●QRコード決済
スマホの画面にQRコードやバーコードを表示させて、お店のレジで読みとる方式のものです。ここ数年日本で急速に普及してきたタイプの決済方法です。後述する非接触型決済のように特殊な技術は必要ないため、QRコード決済アプリに対応しているスマホであればどの機種でも利用できることがメリットです。また店舗側は、スマホやタブレット端末があれば専用端末を準備せずとも導入でるため、コストを安く抑えることができます。すでに海外では主流となっているQRコード決済。東京オリンピックに向けて、今後導入する店舗はさらに増加していくでしょう。
●非接触型決済
従来から日本で利用されているタイプのキャッシュレス決済です。QRコード決済と異なり、画面にコードを表示させることなく、店舗に設置されている専用端末にスマホをかざすだけで簡単に決済できます。非接触型決済を利用するには、非接触型ICチップ技術である「FeliCa」を搭載したスマホが必要です。非接触型決済アプリはご利用のスマホによって対応しているものが異なります。Androidだと「おサイフケータイ」「Google Pay」、iPhoneでは「Apple Pay」がそれぞれ対応している非接触型決済アプリになります。
QRコード決済アプリ主要3サービスを徹底比較
国内で広く普及している「LINE Pay」「PayPay」「楽天ペイ」の3つを実際に利用してみてわかったそれぞれの特徴を、いくつかの項目に分けて見ていきましょう。
●比較ポイント(1):ポイント還元率・キャッシュバック率
3つのアプリで通常受け取れるポイントの還元率は次のとおりです。
〇通常時のポイント還元率・キャッシュバック率
還元率の数字だけで見れば、3%のLINE Payが一番多く見えます。しかし、これは過去6か月のポイント獲得数に応じて設定される「マイランク」が最高ランクのときだけ。また、VISA LINE Payカードを利用しない場合は、決済でポイントが獲得できません。
また、PayPayは銀行口座・PayPayカードを利用すれば常時0.5%、最大で1.5%の還元が受けられます。ただ、月間決済回数300円・30回以上・利用金額5万円以上、さらに対象サービス利用などの還元率アップの条件を達成するのは、なかなか大変そうです。
その点、楽天ペイでは2020年7月1日から、楽天銀行・ラクマからのチャージ、楽天ポイント払い、楽天カードのクレジットカード払いで1%、楽天カードからのチャージで1.5%が受け取れるようになりました。LINE PayやPayPayよりは、達成しやすい条件です。
〇開催中のキャンペーン
これらのアプリではこれまでもさまざまなキャンペーンが開催されてきました。2020年7月6日時点で開催されている主なキャンペーンは、以下のとおりです。
2020年7月6日時点でもっとも目立つキャンペーンはPayPayです。
PayPayの「セブン-イレブンで当たる!ペイペイジャンボ」では、全国のセブン-イレブン店舗でPayPayを使って支払うと、抽選で決済金額の最大10倍(1,000%)のPayPayポイント(付与上限:10万円相当/回および期間)が付与されます。1等が当たれば、代金がタダになるどころか、むしろ10倍になって返ってきます。
楽天ペイのキャンペーンは「楽天キャッシュへチャージ&楽天ペイアプリでのお支払いで100万ポイント山分けプレゼント!」。期間内に楽天キャッシュにチャージを行い、楽天ペイアプリでキャッシュ支払いをした人全員で100万ポイントを山分けします(付与上限:200ポイント)。
また、LINE Payの「チャージ&ペイ スタートキャンペーン」では、期間中、初めてチャージ&ペイ(VISA LINE Payカードを用いた決済)を利用した方先着10万名に200ポイントが付与されます。
●比較ポイント(2):アプリの操作性
3つのアプリとも感覚的に使いやすい仕様になっており、操作性はよいと感じました。ただ一点気になったのは、アプリの立ち上げ方についてです。
PayPayと楽天ペイにはそれぞれ独立したアプリが存在します。一方、LINE PayはLINEアプリの中に組み込まれています。一度LINEを立ち上げてからLINE Payにアクセスする必要があるため、少々手間がかかる印象を受けました。立ち上げやすさの観点からすると、PayPayと楽天ペイのほうが操作性はよいと言えるでしょう。
なお、LINEとは別にLINE Payアプリもリリースされました。こちらを利用すれば起動の手間はなくなるのですが、画面にアプリが2つ並ぶことになるのは少し気になるかもしれません。
●比較ポイント(3):チャージ方法、その他支払い方法
それぞれのアプリの残高チャージや、残高以外の支払い方法についてはアプリ毎に特徴があります。それぞれの方法を下表にまとめました。
LINE Payのチャージ方法は銀行口座のほか、コンビニやセブン銀行ATMなどからの現金チャージも可能です。ただし、これらの方法でチャージして決済をしても、還元が得られません。還元を得るには、VISA LINE Payカードを利用する必要があります。
PayPayはプリペイド方式で使う場合、銀行口座からのチャージのほか、PayPayカードからチャージすることもできます。PayPayカード以外でのクレジットカードでのチャージはできないものの、同カードを持っている方には便利でしょう。
楽天ペイは前払いの場合は楽天キャッシュ・楽天ポイント・ラクマの売上金が利用できます。後払いでクレジットカードも利用できますが、楽天カードで楽天キャッシュにチャージできれば1.5%の還元ですからお得です。
またLINE Payと楽天ペイでは、支払いに他のサービスなどで貯まったポイントを利用することができます。筆者は楽天ポイントを貯めているため、このポイントを利用できるサービスはかなり重宝しています。
●比較ポイント(4):使えるお店の多さ
それぞれのアプリが使える主要なお店の例を下表にまとめました。
3アプリとも、コンビニやドラッグストア、飲食店などの主要店舗での導入が進んでいます。その中でもPayPayは特に飲食店での導入が進んでいる印象を受けます。外食や飲み会が多い人には嬉しい傾向です。
LINE Payはさまざまなジャンルの主要なお店でまんべんなく利用できるようです。またオンライン決済や請求書支払いに対応しているため、ZOZOTOWNなどのオンラインショップや公共料金にも利用できるのが特徴的です。
利用可能店舗数はPayPay230万店舗、LINE Pay171万店舗、楽天ペイ120万店舗以上となっています。しかも、さらに増え続けていますので、どこでも一層便利に使えるようになるでしょう。
●比較ポイント(5):その他便利機能
3つのアプリには決済以外にも便利な機能があります。
その中でも筆者が最も注目しているのが「個人間送金」です。友達との割り勘をキャッシュレスで行えたり、相手の口座番号を知らなくても送金できたりできる便利な機能です。LINE Pay・PayPay・楽天ペイとも個人間送金に対応しています。
また、それぞれのアプリが使える近くのお店を探せる機能にも注目。地図上に使えるお店が表示されるので、簡単にお店を探すことができます。LINE Payでは家計簿アプリと連携する機能もあります。
まとめ
3つのスマホ決済アプリを実際に利用してみて、筆者が最も使いやすくてお得だと感じたのは「PayPay」です。決め手は使えるお店が多いことです。
特に家電量販店では1回の決済金額が大きくなりやすいため、お得さは増します。日々の買い物でクレジットカードや店舗のポイントを貯めつつ、さらにQRコード決済アプリでもポイントが貯まるサービスはとても魅力的です。
今回ご紹介した3つのアプリにはそれぞれ特徴があるため、決済方法の好みやよく利用する店舗などによって使いやすいものは違ってくるでしょう。9月からはマイナンバーカードを持つ人が申し込むことで得られる、最大25%還元の「マイナポイント」の施策がスタートします。QRコード決済アプリを利用してみて、自分にぴったりのものを見つけてみてはいかがでしょうか。
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鈴木靖子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
銀行の財務企画や金融機関向けコンサルティングサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わるなか、その経験を個人の生活にも活かしたいという思いからFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。
HP:https://yacco-labo.com
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