22/05/20
40代・50代の共働きに多い「夫婦別財布」 別財布では絶対にお金が貯まらない理由
夫婦共働きの場合、家計管理は別財布にしているというケースは多いかもしれません。しかし、「夫婦別財布」にしているご家庭から家計相談をお受けすると、「収入は多いのにお金が貯まっていない」という事態に陥っていることもあります。今回は夫婦別財布で何故お金が貯まらないのか、そして夫婦別財布でもどのように管理すれば無理なく効率的にお金を貯めることができるのかについてご説明します。
夫婦別財布ではお金が貯まらない理由
夫婦別財布は確かにお互いに気を遣うことなく自由に収入を使えるメリットがあります。夫(妻)にお金の使い道について干渉されることもありません。しかし、夫婦別財布ではお金が貯まらないデメリットもあります。その理由には、次のようなものが挙げられます。
●夫婦別財布のデメリット1:家計の収入および支出の合計が見えにくい
夫婦別財布としているご家庭では、夫婦それぞれが相手の収入を知らないというケースがあります。それぞれの収入が分からない中で、家賃や住宅ローンは夫、水道光熱費などの生活費は妻といった分担のみを決めても、その支出を給与から差し引いた後、残りの金額がどれくらいの余裕があるのかをお互いが知ることはできません。
お互いに残った金額を交際費や娯楽費などに充て、使い切っていたらお金は一向に貯まりません。使い切るどころか、借金を重ねてマイナスになっているケースもあります。また夫婦の一方は、交際費や娯楽費などに使える余裕はあるものの、もう一方はまったく余裕がなく毎月赤字という状態で、相手にその旨を伝えても聴く耳を持ってもらえず不平だけを募らせているケースもありました。
このように、家計の全体像が見えなければ、協力体制を整えられないため、お金が貯まりにくくなります。
●夫婦別財布のデメリット2:貯蓄余力が把握しづらい
先に述べたとおり、夫婦別財布としているご家庭では、分担した支出を夫婦それぞれの給与から差し引いた後の金額が把握できません。結果として、世帯全体としてどれくらい預貯金を行える余裕があるのかもお互い分からないため、共通のライフイベント(お子さんの教育費や老後資金など)に対して協力してお金を貯めよう、といった働きかけもしづらく、お金が貯まりにくい家計体質になります。
●夫婦別財布のデメリット3:急な出費の負担分担がわかりにくい
家計における支出は、あらかじめ決めた分担に応じた支出ばかりではありません。大型家電の故障による買い替えや親族の冠婚葬祭にかかる費用など、急な出費もあります。急な出費が発生する都度、あいまいな負担分担で乗り切る計画性の欠如もお金が貯まらない理由といえます。
お互いの収入を把握して、共通の財布を作ろう
夫婦別財布の価値観を否定するものではありませんが、お金を貯めたいのであれば、一緒に生活する家族としてお互いの収入を把握することが大切です。
まず、それぞれの収入から、分担している支出を差し引いた後に、無理なく預貯金に充てる余力がどれくらいあるのかを確認しましょう。その上で、将来必要となるお子さんの教育費や老後資金、そして急な出費への備えのための共通の財布(口座)を作りましょう。
共通の財布を作ることによって、お互いの収入を自由に使える気軽さは小さくなるかもしれません。しかし、夫婦のうち、収入に余裕のありそうな方が貯蓄してくれていると考えていたのに、実際は全くしてくれていなかったというケースもあります。共通の財布を作ることによって、将来に対する安心感は大きくなるでしょう。
夫婦それぞれ、先に必要なお金を支出したら、「残りは自由に使っていい」といったルールにしておくと、お金のやりくりのストレスも減りますし、何よりお金が堅実に貯まっていきます。
まとめ
夫婦別財布には、夫婦それぞれのお金の使い方に干渉しない気軽さはあります。しかし、夫婦、家族として家計がブラックボックスになっているのは望ましいことではありません。知らないうちに一方が借金を重ねていたということが生じてもおかしな話ではないのです。ご縁あって夫婦で暮らす中で、お互いに自立しながらも協力し合う姿勢は大切にしたいですね。
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キムラミキ 株式会社ラフデッサン 代表取締役
AFP・社会福祉士・宅地建物取引士。外資系生命保険会社、マンションディベロッパーの営業を経て独立。現在は、就労移行支援事業所Fine米子オフィス(うつや発達障がいのある方の就労サポート施設)の運営に携わり、経済的自立をしたいと考える方のサポーターとして活動中。得意分野はライフプラン、キャリアプラン、生命保険、不動産。BSS山陰放送ラジオパーソナリティ歴10年以上の顔も持つ。
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