22/04/17
「貯蓄できない」を放置する人の残念な末路
転勤、引っ越し、進学など、何かとお金がかかる年度の変わり目。「出費ばかりで全然貯蓄できていない…」「収入が減り、貯蓄が底をつきそう…」などと相談をいただくことが多くなりましたが、皆さまの貯蓄事情はいかがでしょうか?毎月順調に貯蓄できていますか?
『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和3年』では、世帯金融資産保有額の平均値は1563万円、中央値は450万円(世帯主20歳以上)とそれなりに貯まっているような印象を受けます。
しかし、一方で同調査によると20歳代世帯の37.1%、30歳代世帯の22.7%、全体でも22.0%が貯蓄ゼロ世帯。意外に多いのが気になります。
貯蓄がなければ、収入が途絶えた時点で即アウト。特に収入状況が変わりやすいコロナ禍では死活問題となるのではないでしょうか?
「貯蓄ができない」の先に待つ恐ろしい末路
働いていれば毎月入ってくる給料。その中でやりくりすれば、貯蓄しなくても別に良いのではないか?とお考えの方もいるかもしれません。しかし、貯蓄がない状態をずっと続ければ、必ず悲劇が起こると言っても過言ではありません。
貯蓄がないということは、その月の収入のみでやりくりしなければならないということ。給料が下がれば生活レベルを下げざるを得ないですし、職を失えば、一気に生活が立ち行かなくなってしまいます。賃貸の場合には住む場所も、自給自足でもない限りは、その日の食べるものでさえも困窮してしまうでしょう。
安定的な収入がこの先も保障されているという場合にも要注意。なぜなら、貯蓄がないということは、大きな出費に耐えられないということだからです。
人生のライフサイクルの中では、大きなお金を必要とする時があります。
結婚、出産、住宅購入はもちろん、引っ越しや転職、子供の教育、また、予測不可能な病気やケガでの入院などでも大きなお金がかかります。これらに対処するためにその都度ローンを組んでいては、借金ばかりが膨らみ、“働けど働けどわが暮らし楽にならず“状態に。そもそも借りることさえ難しくなり、闇金などに手を出してしまえば、借金地獄に苦しむ危険もあるのです。
心配は老後にも及びます。貯蓄がなくても年金で生活できる…という考えはハッキリ言ってナンセンス。事実、多くの年金生活者は国の年金を生活のベースにしつつ、手元の貯蓄などを崩しながら生活をしています。ということは、老後貯蓄がなければ、年金額=生活水準となり、かなり苦しい思いをすることに。今後、国の年金水準は引き下げることを考慮に入れると、さらに苦しくなることは目に見えています。また、年金受給者となれば、基本的にお金を借りることはできません。
趣味や旅行、外食などは夢。贅沢とは無縁の切り詰める生活か老体に鞭打って働き続ける生活のどちらかを選ぶ羽目となってしまいます。
今からでも遅くない!「先取り貯蓄」で貯蓄をはじめよう!
貯蓄ゼロの残念な末路を見て「目が醒めた!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方々にお勧めしたい貯蓄が「先取り貯蓄」です。先取り貯蓄とは、毎月の給料から余った分を貯蓄に回すのでなく、毎月一定額を先に貯蓄する方法です。先に貯蓄分を抜いてしまうので、確実にお金を貯めることができます。また、残った分はすべて使い切っても貯まっているので、「なるべく残さなきゃ…」とストレスを抱えることもありません。
先取りする分を自分で銀行口座にうつすといったやり方もありますが、ここではより便利な金融先取り貯蓄にぴったりの金融サービスをご紹介します。
●先取り貯蓄サービス1:自動積立定期預金
自分で決めた金額を指定口座から毎月自動で定期預金に積み立てるというもの。オーソドックスな方法で昔から利用している方も多い方法です。リスクなく、着実に貯めることができるので安心です。
●先取り貯蓄サービス2:財形貯蓄
財形貯蓄は、会社が給与天引きで銀行にお金を積み立てるという貯蓄方法です。目的に縛られない「一般財形」のほか、住宅購入やリフォームのための「住宅財形」、老後資金目的の「年金財形」があります。
財形貯蓄のメリットは会社から給付金を受け取ることができること、また、「住宅財形」と「年金財形」は預金550万円までは非課税であることなどが挙げられます。
我が家も「住宅財形」を利用し、住宅購入を早めることができました。貯蓄目的がはっきりしている方におすすめです。
●先取り貯蓄サービス3:つみたてNISA
つみたてNISAとは、NISA(ニーサ・少額投資非課税制度)のひとつで、毎月少額で長期(最大20年)にわたり積立分散投資を行う、資産形成を推進する制度です。投資で得た利益は非課税というメリットがあります。多くの金融機関では月1000円、ネット証券などでは100円から気軽に始めることができます。
つみたてNISAでは、金融庁の一定の基準を満たした投資信託・ETF(上場投資信託)に投資を行います。投資なので元本割れの可能性もありますが、長期間かけて積立分散投資を行うことで、堅実にお金を増やす期待ができます。
●先取り貯蓄サービス4:iDeCo
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を積み立てて運用し、その成果を60歳以降に受け取る制度です。
最大のメリットは掛金が全額所得税控除の対象となるところ。毎年の所得税や住民税を安くできます。また、つみたてNISA同様運用益が非課税ですし、受け取る際にも税金の優遇が受けられます。効率的に資産形成ができるため、とても人気です。
iDeCo対象の金融商品は定期預金、保険、投資信託。もっとも、定期預金や保険ではお金がほとんど増えないので、お金を増やしていきたいと考えるならば、投資信託がおすすめです。老後資金を効率的に用意するのに向いています。
まとめ
貯蓄ゼロの将来には、借金や貧困の苦悩が待ち構えています。しかし、諦めることはありません。今からでも「先取り貯蓄」をすれば間に合います。
筆者も現在進行形でこの「先取り貯蓄」を実践中。少しずつですが、着実に貯蓄を増やしています。将来の家族のため、そして自分のために、一緒にがんばりましょう。
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城山ちょこ ライター
東京海上日動火災保険出身。慶応大学院SDM研究科修了。
2013年よりライターの道へ。執筆ジャンルは金融(保険)、働き方、子育て、結婚など女性のライフスタイル全般。2児の子育てと仕事の両立に日々奮闘中。丁寧でわかりやすい記事をモットーとしています!
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