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19/07/14

カード・ローン

住宅ローンのボーナス併用払いするとしない、どっちが得?

これまで、「いつかは自分の家が欲しい」と漠然と考えていた人も、住宅ローン金利が過去最低水準(2019年7月現在)となっていることや、2019年10月に消費税の増税が控えているというタイミングですので、本格的な住宅購入に向けて動いている人も多いのでないでしょうか。
いよいよ住宅購入が現実的になったとき慎重に考えなければいけないのが住宅ローンの返済計画です。長期にわたる住宅ローンの返済計画は、返済期間中のライフステージの変化を見据えて堅実に計画したいものです。

ボーナス併用払い、ありとなしではどちらがおトク?

住宅ローンは、借り入れをした元金に利息を加えた額を、30年や35年といった期間にわたって毎月少しずつ返済していきます。この返済方法には、毎月決められた金額だけを返済する毎月払いと、毎月の返済に加えてボーナス時に増額するボーナス併用払いがあります。
この2つ、どちらにしたらいいのだろう? という相談をよく受けます。

そこで、ここではまず、毎月払いとボーナス併用払いとどちらがおトクかを確認してみましょう。
以下は、年収600万円、35歳の方が3000万円借り入れた場合の比較です。

●毎月払いとボーナス併用払いの返済額比較

通常の月の支払い額は、ボーナス併用払いのほうが少なくなります。しかし、総返済額を見てください。この例の場合、毎月払いのほうがボーナス併用払いより2万4871円安くなっています。
年間の返済額が同じであれば、ボーナス月までは、毎月払いよりもボーナス払いのほうが元本の減りが緩やかになります。その分、利息が多くついてしまうためです。

一見、ボーナス併用払いをすると、毎月の返済が少なくなる分、家計のやりくりが楽になるようにみえます。しかし、毎月の収支に余裕のない状態でボーナス併用払いを選ぶのは危険です。ボーナスは、会社の業績や本人の成績に応じて支給されるものなので、減額されたり支給がなくなったりすることも起こり得るからです。

住宅を購入し、住宅ローンを組む世代として一番多いのは30代。30代はこれから教育費や老後資金など、住宅ローンの返済と並行して準備していかなければいけません。はじめからボーナスをあてにした返済計画はおすすめできません。

結論としては、住宅ローンの返済方法は毎月払いを選択し、ボーナスが無事支給されたときにはその中から貯蓄にまわすのがおすすめです。子どもの成長などで教育費にめどがついたら、貯蓄してきた中から、残りの教育費と老後資金を考慮しながら繰り上げ返済をしていくと良いでしょう。

住宅ローンを借りるときの金額の目安

たとえ毎月払いを選んだとしても、たくさん借りてしまうとその後の返済が大変です。
私は、個別相談などで住宅ローンの相談を受けた際には、子どもの年齢によって今後あとどのくらい教育費が必要になるか、自分たちの老後資金の準備をいつからはじめられるかなどを踏まえて、年収の5~6倍を目安に検討することをお伝えしています。また、毎月の住居費は、給与手取り額の25%前後に抑えることも併せてお伝えしています。

賃貸住宅の場合は、家賃が25%に近い金額だったとしても、その他の住居に関する支出がほぼありません。しかし、住宅を購入した場合は住宅ローンに加えて、固定資産税やマンションの場合は管理費や修繕積立金、駐車場代などもかかります。こういった費用の1カ月あたりの負担額と、毎月の住宅ローンの返済額の合計が手取り額の25%以内になるようにしていきます。

たとえば、前述の年収600万円、35歳の方ならば、以下のような具合です。

●借入額と毎月返済額の試算例

借入額は、より返済の負担が少ない5倍で試算しました。年収600万円の5倍ですから3000万円です。すると、毎月の返済額は9万1855円となるため、年間の返済額は約110万円となります。これは、手取り額480万円の約23%なので、金額の目安の範囲内となります。

住宅ローン以外の支出はマンションなのか戸建なのかによっても変わります。そうした支出がある場合には、合計25%の中でやりくりができるよう借入額や返済額を調整すると良いでしょう。

まとめ

あれこれと素敵な物件を見ているうちに、つい住宅ローンの適正な借入額を超えてもなんとかなるのではないかという感覚に陥りがちです。しかし、借りすぎは大変です。
返済が長期間に及ぶ住宅ローンを確実に返済するためには、ボーナス併用払いよりも毎月払いがおすすめ。返済額は、給与手取りの25%以内に抑えるべきでしょう。今後訪れるライフステージの変化を見据えて、無理のない範囲で借りるようにしましょう。

田中 友加 「自分らしい生き方」を応援!お金のパーソナルトレーナー

自動車販売業に従事した後、税理法人にて経営コンサルティング業へ。その後、IT関連会社を設立、取締役に就任。2016年にFP資格を取得、「FPリファイン」を創業。並行して独立系FP事務所にて、家計改善を中心とした幅広い相談業務を2年間経験。「実現しやすく・分かりやすく」をモットーに、賢い資産形成のサポートを活動中。日商簿記1級。

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